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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第五十三話

第一回モンド・グロッソ決勝。

俺達は例のVIP席にいた。

今日のメンバーは俺、箒、刀奈、簪、虚さん、本音だ。

アルシャーヴィン姉妹はフィグネリアと一緒らしい。

ヴィッサリオン?野郎の動向なんぞ知るか。

「コレはもう姉さんの勝ちで決定だな…」

三時間前の準決勝にて、暮桜はセカンドシフトを果たした。

言わずともわかるだろうが…零落白夜が発現したのだ。

「そうだな。暮桜…いや千冬さんにバリア無効化能力…
まさに鬼に金棒だな…」

箒の言うとおりだ。

「対戦相手涙目……でも……ざまぁ」

と簪。その口角は上がっており眼鏡に光が反射して不気味だった。

「いや、確かにあの選手の言動は看過し難い物が有るが…
いやーほんときのどくだなー(棒)」

「貴方たち似てるわねー…簪ちゃんも一夏君も」

「だが刀奈さん、皆同じ事を思っているはずですよ」

「そうねぇ…箒ちゃんの言うとおりかしら…」

今も、相手選手は姉さんに対し、挑発を繰り返していた。

ISのデザインも少し悪魔っぽいし、ヒールキャラを演じるのは解るのだが…

「姉さんガチギレしてるっぽいんだけど。
相手選手殺さないよな…?」

一応零落白夜も視野に入れてあらゆる安全機構は組み込んだ。

束さんもそこら辺は一切オミットしてないっていってたし…

大丈夫とは思うけど…

隣に座っていた箒が、ぐいと俺を引っ張り、耳打ちした。

「安心しろ一夏。ISを作ったのは、お前と姉さんだろう?お前がISを信じなくてどうする」

確かに、その通りだな。



そうこうしている内に、試合が始まった。

相手選手は火器類を複数持ち、それを切り換えながら姉さんと一定の距離を保っていた。

姉さんが近付けば離れ、離れれば近付く…

後に"砂漠の逃げ水-ミラージュ ザ デザート"と呼ばれるようになる戦法だ。

今回の相手はマウントした武装を切り替えて戦っているが、
おそらく"高速切り替え-ラピッドスイッチ"の原型と呼べる戦法だろう。

第一回モンド・グロッソでは、後のISの戦法の原型やアイデアソースとなるような戦法がちらほらみられた。

予選で射撃型同士が当たった時、"円状制御飛行-サークル・ロンド"らしき物も見受けられた。

暮桜には一切の飛び道具が無い…そろそろ姉さんが痺れを切らす頃だな…

「今までの試合を見るに、そろそろ千冬さんが仕掛けるな…」

「そうですね。あぁ、織斑選手がキメにかかりました」

虚さんの言う通り、姉さんが暮桜で地面を踏み締めた。

イグニッション・ブーストの予備動作だ。

だが、姉さんと相手選手の距離はほぼスタジアムの端と端。

決勝まで上がってきた相手だ、恐らくかわされるだろう。

姉さんがどうするか、見物だな…

相手選手は指先を動かし挑発していた。

姉さんは、地面を踏み締めたまま、動かない。

今までならば、背部ブースターを解放し、突撃している筈だが…

そう思っていたが、あることに気付いた。

背部ブースターに、火が入っていない。

どころか、機体の動力の半分近くを切っている。

「姉さんは何をするつもりだ…?」

刹那、姉さんの持つ刀から、目映い光が溢れだした。

「あれは…準決勝での…?」

刀奈が、目を細めながら、雪片を見ていた。

光の剣と化した雪片を、まるで居合いの如くかまえた。

「姉さん…?まさか!」

そして姉さんが一歩踏み出し…

ズッ……ヴォン!

横薙ぎに振り抜かれた雪片。

そして、放たれた斬撃は雪片から離れ、相手選手に吸い込まれた。

「ギガスラッシュ……マジかよ…」

確かに、零落白夜はエネルギー質の攻撃だ。

しかし、それを斬撃として飛ばすとは…

相手選手の絶対防御が発動し、シールドエネルギーがゼロへ…

試合終了の合図が鳴り響いた。

「『決まったァァー!決勝戦の勝者は織斑千冬選手!
第一回モンド・グロッソ優勝は!我らが織斑千冬選手だァァァー!』」

歓声が響き渡り、数日に及んだ祭りは、その幕閉じた。
 
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