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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第八十五話 尋問の威力


取りあえず此処まで出来ました。

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第八十五話 尋問の威力

帝国暦480年8月7日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 宮中警備隊庁舎

 深夜収監した、オフレッサー邸襲撃犯とそれに乱入を計った憲兵隊の取り調べは続いていた。
襲撃犯達は支離滅裂な事を言う者も多く、又元軍人は口が堅くなかなかはかどらない状態であった。

逆に憲兵隊はただ単に上司に連れてこられて争乱を鎮圧せよと命じられた者が殆どであり、
何故自分たちが此所に連行されたのか、納得のいかない者達が殆どであった。

しかし、全体指揮を行っていて、装甲車出現時に逃げだそうとして確保された、
ハイドリッヒ大佐が指揮官である事は明白であり、
憲兵副総監クラーマー中将の腹心である事も判っていると尋問するが、
只ひたすら沈黙を守っていた。

結局尋問は朝まで続き、多くの宮中警備隊捜査員が寝不足に成ったのである。


その為、一気に事を行うために陛下が早朝4時に早起きして関係者をノイエ・サンスーシへ連行或いは監視することを命じた。
命令を受けた各部隊はそれぞれ目的地へと向かった。

ブレンターノ准将率いる宮中警備隊はクラーマー邸を急襲し、
暴れられたら困るため、手っ取り早く睡眠ガスで眠らせたままクラーマー中将の家族全員と使用人を連行した。そして留守宅には監視人を常駐させて、憲兵隊総監庁舎には、風邪で休むと使用人に化けて連絡させたのだった。

エーレンベルク元帥は、いつものように朝の体操中に皇帝陛下侍従武官シェーンシュテット准将が陛下がお呼びであると迎えに来たため、慌てて準備をして宮中へ向かった。

ブラウンシュバイク公爵には今のところ呼び出さずに監視だけを行うようにグリンメルスハウゼン部隊が命じられた。

又いたずらを仕掛けたはずが大事件に発展したとは露も知らない、
フレーゲル以下の面々も今日は監視だけに留めるようにと命令が下った。

これらの事は、昨夜寝る前に皇帝とテレーゼとグリンメルスハウゼンで決めていた事であり。
クラーマーを処罰して憲兵隊の膿を出し切るだけでなく。
ブラウンシュバイク公なども全体的に利用しようという悪巧みがあったのである。
 
クラーマーは宮中警備隊庁舎の留置所で目を覚めさせられて、いきなりの事に怒り狂っていた。
「此所は何処だ!私を誰だと思って居るんだ!貴様憲兵隊副総監の私をこのような目に遭わせたら後でただではおかんぞ!」

クラーマーは両手両足を手錠と足錠で繋がれて芋虫のような状態であるから、
脅しも全然怖くない状態であり、
監視している隊員達は横でコーヒーを飲みながらリラックスしていた。

エーレンベルク元帥が皇帝の元へ参内したのは午前4時50分のことであった。
ケッセリング中将に案内されて謁見の間に行くと陛下が待っていた。

「皇帝陛下急なるお呼び如何為さりましたか?」
「うむ、元帥大変な事が起こったのじゃ」
「大変な事とはいったい何が?」

「うむ、装甲擲弾兵副総監オフレッサー大将の館が暴漢に襲撃されたのじゃ」
「なんと、オフレッサーの館を襲うとは、では直ちに憲兵隊を派遣致します」
「いや元帥、その憲兵隊がオフレッサー館を襲ったのじゃ」

「なんと陛下それは真でございますか?」
「真じゃ、証拠もある」
そう陛下が言うと、ケッセリング中将がクラーマーが部下に襲撃の指示をする音声を流した。

『そうだ、オフレッサーの家を襲撃させろ。
フレーゲル男爵の許可を受けている以上、ブラウンシュヴァイク公の後ろ盾を受けた訳だから大々的に襲撃させろ。後はハイドリッヒ、お前に任せるぞ』

この音声を聞くエーレンベルク元帥とケッセリング中将の顔が見る見るうちに真っ青になっていく、そして冷や汗もかき始めた。

「陛下此は、大変な事ですぞ」
「そうじゃだからこそ元帥を呼んだのじゃ」
「憲兵隊の不始末、小官の監督不行でございます。如何様な処罰をお受け致します」

神妙な顔で頭を下げるエーレンベルク元帥を陛下が宥める。
「今回の件は元帥のせいではない、此まで憲兵隊をほっておいた、予にも責任があるのじゃ」
「陛下その様な事・・・」
「其処でじゃ元帥、この機会を持って憲兵隊の膿を出し切りたいのじゃ、協力してくれるな」

「御意、誠心誠意勤めさせて頂きます」
「実はな、宮中警備隊を使って昨夜オフレッサー館を襲った襲撃犯と従属犯そしてクラーマーを宮中警備隊庁舎にて尋問中じゃ、此より予も参る。元帥も共に参れ」
「御意」

ケッセリング中将を案内役に陛下とエーレンベルク元帥が宮中警備隊庁舎へと向かって行った。


午前6時 皇帝別宅

 昨夜の夜遊びをシュザンナへ言い訳しているテレーゼが居た。
「テレーゼ、昨夜は何故別宅にとまりましたの?」
「お父様や爺と話し込んでしまって、時間が経ってしまって夜は怖かったので、
お父様が止まって行きなさいと仰ったのです」

「で陛下はどうしたのですか?」
「お父様は、朝の運動に行ったみたいです、エーレンベルク元帥に影響されたみたいですよ」
「あら、そうなのね。けどねテレーゼ、成るべく館には帰ってきなさいね。
お泊まりするなら、早めに連絡をしなさいね」

「ご免なさいお母様」
「それじゃ、今日は其処からお勉強に通うのですね」
「はい、お母様」
「テレーゼ行ってらっしゃい、今日は帰るのですよ」
「判りましたわ」


ふうううー何とか誤魔化したよ、本当の事知ったら、母様気絶しちゃうよ。
それにしても憲兵隊を一気に改革できそうだし、
フレーゲル関係も解決できそうで色々悪巧みが出来るね。
父様、爺様、ケスラーに相談して決めなきゃね。

「殿下、陛下がエーレンベルク元帥と共に宮中警備隊庁舎へお向かいになりました」
「マルティナ、判ったわ。此方も向かいましょう」
「グリンメルスハウゼン閣下、ケスラー少佐も既にお向かいとの事です」

「急がなきゃね」
「はっ」


午前6時30分 

皇帝とエーレンベルク元帥が宮中警備隊官舎へ到着した。
ほぼ同じ時刻にグリンメルスハウゼンとケスラーが裏口へ到着、
ケスラーとブレンターノが尋問者として準備を行い尋問室へクラーマーとハイドリッヒが連れて来られた。

陛下とエーレンベルク元帥が尋問室隣の観察部屋に入り観察している。
少し遅れてテレーゼも到着し、グリンメルスハウゼンの居る、
貴賓室へ向かいTVモニターで尋問を観察し始めた。

「殿下、おはようございます」
「アリウス、おはよう」
「ホホ、大変な言い訳になりましたな」

「そう言わないでよ」
「ベーデミュンデ侯爵夫人はご心配なのですよ」
「まあね」

「尋問が始まりますな」
「そうね、どうなるかしらね、連中は」
「証拠が揃いすぎておりますから言い逃れは出来ませんな」
「だね」


午前6時40分  宮中警備隊庁舎尋問室

 尋問室に連れて来られたクラーマーはその中に自分の腹心のハイドリッヒ大佐が同じように縛られているのを見て、襲撃が失敗したのかと考えたが、
全てハイドリッヒのせいにして知らぬ存ぜぬを決めようと考えた。

ケスラーが尋問を始める。
「クラーマー中将。卿は装甲擲弾兵副総監オフレッサー大将邸を部下に命令し襲撃させたことは明白だ。
何か言うことはあるか?」
「何を言うのか。小官はその様な事をしたことは全く身に覚えの無いことだ!
早急に小官を開放せんと憲兵隊を敵に回すことになるぞ!」

「オフレッサー邸で逮捕した、ハイドリッヒ大佐は卿の腹心ではいかな」
「確かに腹心だが、ハイドリッヒが私がやったと言ったのか?」
「いいえ、ハイドリッヒ大佐は何も言いません」

「それ見ろ、何もしていないからこそ、ハイドリッヒは何も言うことがないのだ!」
「ほう其処までしらを切るわけだな」
「しらを切るどころか、知らんのだから言う事がない!」

それを見ながらどうこの事件を利用するか考えるテレーゼであった。
グリンメルスハウゼンはそれを見ながら、ニヤニヤと笑っているのである。
皇帝陛下はエーレンベルク元帥と話しながら、「しぶといの」と言っていた。

「それでは決定的な証拠を出してやろう」
ケスラーが言うと、ブレンターノが録音デスクを流し始めた。
『そうだ、オフレッサーの家を襲撃させろ。
フレーゲル男爵の許可を受けている以上、ブラウンシュヴァイク公の後ろ盾を受けた訳だから大々的に襲撃させろ。後はハイドリッヒ、お前に任せるぞ』

この音声が流されると、クラーマーが蒼い顔をして冷や汗をかき始めた。
又ズーッと黙っていたハイドリッヒ大佐が苦虫を噛み潰したような顔をし始めた。

「どうだ、此でもシラを切る気か!」
「知らん、こんな音声は合成に決まっている!!」
「既に声紋検査済みだ、卿達の声紋で一致している!」

此だけ出してもクラーマーはシラを切り続ける。
その間にも襲撃犯に対して尋問が続いていたが、
遂には自白剤を使う事も許可された結果、性犯罪者の一部がハイドリッヒ大佐から命令を受けたと吐いたのである。

その連絡はケスラーの元へ直ぐさま届き証拠をクラーマーとハイドリッヒに突きつけたのである。
しかしクラーマーは断固として関与を否定しまくり、ハイドリッヒは沈黙を続ける。

皇帝陛下はエーレンベルク元帥にそろそろ予が行こうと言い、エーレンベルク元帥を慌てさせたが、
尋問室へと2人で向かった。

クラーマーとハイドリッヒが否認しているとき、
尋問室の扉が開きなんと皇帝陛下とエーレンベルグ元帥が入室してきた。
ケスラーとブレンターノと書記官は直ぐさま跪く。

しかし縛られているクラーマーとハイドリッヒは動けない為にそのまま陛下のお姿を見てしまうことと成った。
「ブレンターノ、ケスラー御苦労じゃ」
「「御意」」

「クラーマー、未だ罪を認めぬか!」
クラーマーは怒気を見せる陛下を見て更に蒼くなる。
クラーマーとしても罪を認めたら死罪であるから必死である。

突然ハイドリッヒが笑い出した。
「アハハハハ、もう駄目ですよ閣下!」
「ハイドリッヒ陛下の御前であるぞ」

「もう諦めましょう、そうです、私がクラーマー閣下の命令でオフレッサー邸を襲撃させましたよ」
「ハイドリッヒ、何を言うか!」
陛下の御前なのに言い争いを始める2人。

「皇帝陛下に逆らっては反逆罪ですからね、閣下も私も、もうお仕舞いですよ」
「ハイドリッヒ貴様が勝手にやったことだ!」

陛下がハイドリッヒに聞く。
「ハイドリッヒとやら、誠にそちがクラーマーの指示で動いたのじゃな」
「陛下そうでございます」

「どうじゃ、クラーマー未だシラを切るか!」
「陛下、フレーゲル男爵に命令されたのです、私はブラウンシュヴァイク公が怖いので動いただけです、
私は脅されただけです、心ならずも荷担したのに過ぎません」

「ほー、ブラウンシュヴァイクとフレーゲルが唆したと言うのじゃな」
「そうでございます」
「ブレンターノ、ケスラー後は任すぞ」
「「御意」」

「エーレンベルグ参るとしよう」
「御意」

その後も尋問が続き、クラーマーとハイドリッヒは全てを吐いたのである。
しかしフレーゲルとブラウンシュヴァイクに示唆されたと言い続けていたが。

ノイエ・サンスーシに帰った陛下は、辞任すると言うエーレンベルク元帥に憲兵隊の綱紀粛正を厳命し、装甲擲弾兵と協力するようにと命じて、密かに全国一斉で憲兵隊を調べるようにした。
そして昼よりライムバッハー上級大将及びオフレッサー大将との会議を行うこととした。

テレーゼとグリンメルスハウゼンは参加しないが、会議室の隣接室で内容を確認する事になっていた。
その前に陛下とテレーゼとグリンメルスハウゼンと朝餉を食べたのである。

 
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