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FAIRY TAIL 魔道を歩む忍

作者:コロナ
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二人の救世主の章
  第五十二話 キョウとナガト

今フェアリーテイルのギルド内は人であふれ慌ただしい。その割合は魔法の使えない一般市民が多くを占めている。中には負傷したもの、泣いている子供、老人と様々である。その負傷者の中には魔導士もいる。フェアリーテイルの魔導士たちは約三分の一がここにいる。負傷者の手当てや、市民の安全確保などである

「うわあぁぁぁん!!!おとーさん!!おかーさん!!」

「私たち一体これからどうなるの...」

「もうお終いだぁぁ!!」

「あのサラマンダーのナツやエルザもやられちまったんだろ!?」

「だーーっ!!オレはやられてねぇ!!あとエルザもだ!!」

一般市民たちはパニックに陥ってしまっていた。しかしこの時ギルドの扉が開く

「静まれぇい!!!」

それを止ませたのは他でもないこのギルドのマスターであるマカロフだった

「皆、一旦落ち着くのじゃ。パニックになったところで何も始まらん」

そのほかにもガジルを抱えたギルダーツ、ルーシィ、ハッピー、ウェンディ、シャルル、リリー他にも大勢いた

「で、でもよ..どうすりゃいいんだよ!!オレは家内と娘を失っちまった!!」

「わ..わたしだって旦那を...」

マカロフは泣きじゃくる子供を抱きかかえる

「お爺ちゃん...?」

「もう大丈夫じゃよ」

マカロフはその子供をあやした

「お前たちはみんなの手伝いをしてくれぃ」

「はい!!」

「あいさー!!」

ルーシィ達はそう返事をし、各々ができることをやった。ウェンディは治癒魔法で負傷者の回復を、ルーシィ、ハッピー、シャルル、リリーは包帯を巻いたり湿布を張ったり、ポーリュシカの手伝いをしていた

「ここで慌てたところで失った人々は帰ってこん。だが必ずワシらが勝つ!!だからゆっくり待っていてほしい」

慌てていた市民たちも落ち着きを取り戻した。そこにマカロフはポーリュシカを見つける

「すまんのぅポーリュシカ」

「気にすることないよ。あたしは人間は嫌いだけどね、今回はそうは言ってられないだろう?」

「そうじゃな...」

一方ルーシィはナツの治療をしていた

「ナツがこんなにやられるなんて...」

「あんにゃろー!!今度は負けねぇ!!」

「おとなしくしててよ!もう!!」

一通りの治療を終えたルーシィ。そしてあの時のことを思い出す

『フェアリーロウが効いてない...!?』

敵を殲滅しようと発動したフェアリーロウ。しかしライラは平然とそこにいた。それにはマカロフだけではなく味方全員が驚いていた

『どういうことじゃ...!?』

『魔法に心を見透かされるなんてね。呆れたよマカロフ。やっぱりあんたはここで死にな!!』

赤い仮面の化け物はガパッと口を開き炎を溜め今にも発射しようとしていた。しかしマカロフフェアリーロウを使った影響か少し硬直していた

『マスター!!』

『火遁・頭刻苦!!』

炎が吐き出される瞬間、化け物の身体に無数の光の筋が入りそのままバラバラに砕け散った

『オレがいることを忘れてんじゃあねーよばあさん』

『チィ..まあいいさ。ひぃふぅみぃ..とあんたらでなくなった心臓を補充するとしようかね』

その発言に皆は身構える

『まずは金髪のあんたからだ!!』

狙いをルーシィに定め、クナイを取り出しルーシィに向かっていく

『破邪顕正――』

ギルダーツは見つからないように技を構えマカロフは腕を巨大化させライラを翻弄し

『一天!!!』

繰りだした拳がライラへ直撃した

『がはぁ!!!』

壁を貫通しながら遠くへ吹き飛ばされていった

今になって思い出し手が震えていた。あたりを見回すとあまりの負傷者の数に今回の事件の大きさを実感していた

(何だったのあいつ...本気で私たちを殺しに来てた...あの時、あの場にギルダーツやマスターがいなかったら...)

身体が小刻みに震えその眼からは涙が出ていた

(怖かった...)

ルーシィは今までアイゼンヴァルトや楽園の塔、オラシオンセイスなど様々な事件に巻き込まれた。だが今回のは今までとは違い明確な殺意を向けられた為に恐怖を感じていたのだ

「大丈夫だってルーシィ。オレたちがいるじゃねえか」

「あい!!」

「ありがとうナツ、ハッピー」

とその時だった

「お前ら無事か!?」

グレイとジュビアが到着した

「これは...」

ルーシィと同じく言葉か出ないジュビア

「二人とも無事だったんだね!!」

「ん?そいつは...」

二人の無事を確認すると同時にグレイが抱えている人物に疑問が生じる

「そいつは」

「ここを襲ったやつらの一人だ!!」

周りがざわつく

「なにぃーー!!オレが倒せなくてグレイが倒しただとぉ!!?そんなのありえねー!!」

何やら騒ぎ立てるナツ。いつもならここでエルザが止めに入るのだがいまはいない

「うるせぇよ!!ンなことよりも」

「ウェンディ。この人を回復させてください」

その発言に皆は驚愕する

「ジュビアさん!?」

「ちょっとアンタなに考えてんのよ!!そいつは敵でしょ!?助ける通りなんてないでしょ!!」

シャルルはまくし立てるが

「お願いします」

ジュビアは深々と頭を下げた。それを見た頷きウェンディは治癒を始めた

「ちょっとウェンディ!?」

「いいのシャルル。ジュビアさんがここまでするのは何か理由があると思うの」

ある程度回復したところでレイを柱に縛り付けた。しかしレイは気を失ったままだった

「みんな!!」

「遅くなった」

とそこにリサーナと人二人抱えたキョウが帰還した

「キョウさん!!」

真っ先にウェンディがキョウに駆け寄った。だがルーシィが恐る恐るキョウに尋ねる

「ね..ねぇ..ミラさんとエルフマンはどうしたの...?気を失ってるだけ..よね...」

途端にリサーナが涙をボロボロとこぼした

「ミラ姉..!エルフ兄ちゃん...!」

その姿を見たルーシィが「嘘..」と呟き涙を流した。この二人だけではない。それを聞いていたレビィやウェンディ、ジュビアやカナもそうだった

突然キョウが何かに気が付いたようにあたりをキョロキョロし始めた

「どうしたんだよキョウ」

「エルザの姿が見えないな。この街に魔力を感じないとなると雷神衆同様に仕事で街を出ているのか?」

キョウにとっては何気ない質問だったのだが皆にとってはそれは絶望とも言えた

「な..なに言ってんだ...?」

グレイが口を開き

「フリードたちならともかくエルザはオレ達と一緒にいたぞ!!!」

ナツが怒鳴る

「となるとオレの感知能力が鈍ったか...」

キョウは己の能力の衰えのせいにしようとしたのだが、心のどこかでエルザはもうすでに死んでいるのではないかと思い始めた

「いやお前の感知能力の衰えではないぞうちはキョウ」

聞きなれない声と感じたことのない魔力。その声の主が敵であると誰もがそう感じ、身構えた

「エルザ・スカーレットは死んだよ。ついさっきな」

その声の主はライラ、フレンダ、鬼鮫、レイを率いていた赤髪の男『長門』。それよりもエルザが死んだというその台詞にナツは激昂し、拳に炎を纏わせ敵へと向かっていく

「でたらめ言ってんじゃねぇぞおおおぉぉっっ!!!」

「待て!!ナツ!!」

キョウが静止しようとするがすでに遅かった

『神羅天征!!』

「!?」

ナツは長門に触れることもなく吹き飛ばされていった

「ナツ!!」

ルーシィがナツへ駆け寄る

「やはりその眼...」

キョウが気が付く。その眼はまさしく――

『輪廻眼!!?』

当然魔導士たちには聞き覚えのない名前だった

「輪廻眼...?」

「オレの持つ写輪眼。その究極形態だ...なぜ奴がそれを....?」

「これから死ぬ貴様には関係のない事だ。うちはキョウ」

キョウは身構え写輪眼を発動した

「お前の死が平和へとつながる。おとなしく九尾を渡せ。そうすればこれ以上ここには手は出さないと約束しよう」

長門は右手を差し出す

「これの...これのどこに平和があるんだっっ!!!!」

キョウは今までになく激昂した

「オレの仲間を!!!オレのギルドを!!!こんなにしやがったお前なんかが偉そうにほざいてんじゃねェ!!」

「答えはNOか...ならば戦ってお前を捕縛しよう」

(ここで戦闘するのはマズイ...ならば...!!)

「マサムネ!!」

「ハッ!」

キョウの呼びかけに応じたマサムネは変化の術をし人型へと変身する。ボンと白煙が上がりそれが明けると黒く長い髪を後頭部で結わえ、目はキリッとし女性であることを証明する豊満な胸。とある術を発動せるために印を結ぶ必要があるために変身したのだ

「木遁・四柱牢の術!」

メキメキと角材が床を突き破りギルド全体を牢のように囲った。キョウと長門を除いては

「すまない」

キョウは振り返らず礼を言う

「キョウ様。どうか無茶をなさらぬよう...」

「分かっている」

「なるほど..ここでの戦闘を避けるべくお前以外をあの中へ...いいだろう。お前さえ捕えられればいい」

キョウと長門はその場を離れ街の開けた場所まで移動した

「なんだこりゃ!?」

「木の造形魔法...?」

一同がこの樹木にざわつく中ナツだけがこの檻から脱出しようと試みていた

「ここから出せェッ!!!あいつをぶん殴らなきゃ気が済まねェ!!!」

「ナツ様お止め下さい!!」

暴れるナツをマサムネがなだめようとするがそれも無駄に終わった。ナツが火竜の鉄拳で角材をぶち破り走り去ってしまったのだ

「ナツ様!!」

「ナツ!!」

マサムネとルーシィが呼びかけるがもうナツには聞こえてはいない

「しかしこうも容易く私の木遁を破るなんて...」

マサムネがつぶやいていると

「ていうかあんた女だったのね...」

それを知っていたウェンディとシャルル以外は眼を丸くしていた















二人が降り立った瞬間戦いの火蓋が切って落とされた

「口寄せ・雷光剣化!!!」

先に動いたのはキョウ。素早く印を結び雷を帯びた手裏剣を敵に発射する

「無駄だ...」

無数の手裏剣は長門に当たることなくはじかれるがこれを読んでいたキョウは一気に距離を詰め左手に雷を纏う

「千鳥!!!」

雷を帯びた一突き。しかし長門はそれを難なく避けキョウに回し蹴りを放つ。キョウは千鳥を放っていたためガードが間に合わずにもろにそれをくらう。しかし地面に倒れることなく踏みとどまった

「うおおぉぉっ!!」

拳を構え長門へ突進する。しかし先程のナツ同様吹き飛ばされる。吹き飛ばされながらも体勢を立て直す。巨大な手裏剣を口寄せし長門へ投擲するがそれもやはりはじかれる。だが

「!?これは!!」

先の手裏剣の陰にもう一つの手裏剣がすでに投擲されていた

「これが風魔手裏剣・影風車!!」

長門は避けようとしたが既に遅く手裏剣が肩に突き刺さった。しかし長門はまるで痛みを感じていないかのように手裏剣を抜き放り投げた

「神羅天征をこんな早くに攻略されたのは初めてだ。それに――」

長門の輪廻眼の術のうちの一つ神羅天征には連続では使えないという弱点がある。それを知っていたキョウはそれを考慮して攻撃していたのだ

「あれだけ動きまわっていながら仙術モードになるとは。恐れ入ったよ」

キョウの目の周りには仙人化の証である赤い隈取ができていた

「“自来也先生”と同じ術か」

キョウは悲しげな表情で長門を見据えた

「信じたくはなかったが....」

「オレもかつて自来也から術を学んだ。自来也はオレのかつての師だ。お前にとってオレは兄弟子...同じ師を仰いだ理解しあえるハズだが...」

このセリフがキョウの神経を逆撫でする

「理解しあえるだと...!?ふざけるな!!言ったはずだ!!お前らのこの行為のどこに平和があるんだとな!!!」

長門は冷静に反論する

「木を見て森を見ていないお前には平和の意味が理解できていないだけだ。もう一度言おう。お前が死が平和へと繋がるのだ。おとなしく捕まれ」

「何度でも言ってやる。ふざけるなとな!!」

「ならもう手加減はしない」

長門は魔力を解放する。地面がひび割れ魔力が可視できていることがその力を物語っていた

「来い!!」

第五十二話 完


 
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