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麗しのヴァンパイア

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第八話

                第八話  妖怪といっても
 タロはここでこう言った。
「妖怪っていっても色々だよ」
「ああ、怖い妖怪強い妖怪もいればな」
「そうでもない妖怪もいるよ」
「というか日本の妖怪はぶっちゃけ地震の方が怖いぜ」
 ライゾウは日本の妖怪についてはこう述べた。
「それこそな」
「そうだよね、雷とか火事とかね」
「台風とかな」
 そうした災害の方がというのだ。
「ずっとな」
「そうだよね」
「そうですね、しかしです」
「それは日本の妖怪のことでして」
 タミーノとフィガロは日本のことから話した二匹にこう話した。
「中国や欧州、アメリカもですね」
「そうした地域では恐ろしい力の妖怪もいます」
「吸血鬼もいますし」
「こうした妖怪は厄介ですよ」
「ああ、吸血鬼になるとな」
 それこそとだ、ライゾウは二匹の言葉に応えた。彼も吸血鬼の力とその恐ろしさのことはよく聞いていて知っている。
「もうとんでもないよな」
「ドラキュラ伯爵とかね」 
 タロは吸血鬼と聞いてすぐにこの有名人の名前を出した。
「もう日本のどの妖怪よりも強いよ」
「だよな、もう」
「まあ美人さんっていうから女の人で」
「ドラキュラ伯爵じゃねえな」
 これは違うというのだ。
「やっぱり」
「そうだよね」
「では悪魔でしょうか」
「悪魔が来たのでしょうか」
 タミーノとフィガロはここでこう考えた。
「だとしたら厄介です」
「悪魔といっても色々ですが」
「相当な力を持った魔女なら」
「ご主人様と華奈子さんにとっても脅威ですよ」
「そうだよね、敵になるのならね」
「こっちのご主人達はまだ小学生だからな」
 流石にあまり強力な相手はというのだ。
「天本博士はまだ何とかなったけれどな」
「博士は殺したりしないからね」
 博士が殺すのはあくまでならず者達だけだ、自分が嫌いな相手には容赦しないが普通の市民には一切そうしたことはしないのだ。
「まだよかったけれど」
「悪魔とかだったらやばいな」
「そうですね、どうにも」
「私達も不安です」
 タミーノとフィガロも本気で危惧していた。四匹は若しその妖しい美人と戦ったらどうなるかがひたすら心配であった。


第八話   完


                 2017・12・27 
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