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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二十九話

「それにしても大変だったね一夏君。
何か困った事は在るかい?力になるよ?」

「暦さんにどうにか出来る類いの物は無いよ」

「そ、そうなのか…それにしても…君は何か聞いてなかったのかい?」

「いや、ぜーんぜん。朝叩き起こされたらニュースで束さんの事やっててびっくりしたよ」

「へー、篠ノ乃博士とは連絡取れるの?」

「音沙汰無し、いきなり家を飛び出してなーにやってんだか」

やれやれ、といったジェスチャーをしておく。

白騎士事件から二週間、俺は阿良々木家の暦さんの部屋に居た。


あれから…トレイターに帰投した俺達は海底洞窟を伝ってラボの地底湖まで戻った。

俺と姉さんは家に戻り、束さんはラボに残った。

朝のニュースは白騎士事件の事でいっぱいだった。

学校も臨時休校だったし。

その昼頃、束さんは出航した。

当分は直接会えないだろう。

まぁ、俺にはコアナンバー0000が姉さんにはコアナンバー0010があるから通信出来るしあんまり寂しくない。

問題は箒だ。

箒を此方に引き込む訳には行かないのだ。

俺と姉さん、千石や月日(巻き込まれて一緒に行動する内に名前で呼ぶことになった)でなんとか慰めたのだった。

箒と言えば例の要人保護プログラムが施行される事は無かった。

束さんがいろいろやったらしい。

俺はあの日以来ISに乗ってない…訳でもない。

白騎士事件数日後、米韓合同軍が某国に侵攻。

俺がこっそり侵食弾頭弾やその他諸々をぶち込んだおかげで某国は僅か五時間で降伏した。


脱出を図ったトップは側近に暗殺されたらしい。

某最強ゲーマーの片割れの言葉通りの最後だ。

しかも奴等首都直下に核を隠していやがった。

もしやと思いメティス・サイトで調べたら地下施設があり、そこに隠してあった。

せっかくなので貰っておいた。
そのうち束さんと合流してトレイターに搭載しよう。

ああ、それと技術発表会の時の学者が掌を返すようにいろいろ言っていたが、発表会の録画を公表したら社会的に叩かれたらしい。

ざまぁ…

「まぁそのお陰で北の某国が消えたしね。
束さん様々だよ」

「あぁ…白騎士が核ミサイルを止めたって話だな…う~ん…本当なんだろうか?」

「暦さんはどう思ってる訳?」

エクストラ・フェイズ…核ミサイルの発射の有無は世界中でも意見が別れている。

なぜなら

「僕か?僕はアメリカが某国を潰すために流したデマだと思うよ。
だって残骸は見つかってないって話だしね」

証拠が無いからだ。

核物質もミサイルの破片も全て、侵食弾頭によって時空の歪みに引きずり込まれた。

「裏切った某国高官は発射したって言ってたけど…見栄を張ってるだけじゃないか?」

「なるほど、暦さんはそう思うんだね」

「ああ、中露も探したが見つからないとなれば無いだろうね」

ふーん…

「暦さんが思うならそうなんだろうね」

暦さんは鋭い人だ、彼がたどり着けないなら大半の人間は気付かないだろう。

まぁまだ会った事は無いが、羽川翼とかならたどり着くかもしれない…でも侵食弾頭の事なんて誰も知らんか。

「育さんは元気?」

「あぁ、元気だよ。」

「チッ…」

このハーレム野郎め。

「いやいや、今の舌打ちはなに!?」

「黙っててくださいこのリア充野郎」

「それを君が言うのか!?」

「何を言ってるんですか、さっき答えた時に貴方ニヤけてましたよ育さんとは仲良くやってんでしょ爆発しろ」

「君には篠ノ乃ちゃんや千石がいるだろう!」

「貴方バカですね箒は妹みたいな存在だし千石は貴方に気が有るでしょう」

俺にNTR趣味は無い。

「あ、うん、そうなんだ、じゃぁそうなんだろうね」

「そうですよ」

そんな風に話しているとドタドタと階段を登る音が聞こえた。

「おい!一夏!いい加減戻ってこいよ!
何で俺がアイツらの相手しなきゃならないんだ!」

「麗しい女性と居られるんだから喜べよ」

「できるか!?俺はお前みたいにモテないんだよ!」

はぁ?

「モテる?俺が?バカも休み休み言え、弾」

入って来た赤髪の少年の名前は五反田弾。

お馴染みの原作一夏君の親友君だ。

ぶっちゃけるとコイツは妹バカだ。

小学生なのに妹を庇い、ボコられそうになっていたのだ。
ったく…大声で助けを呼べばいいものを…

その高校生?俺の手で逆にボコった上で交番前に放置しましたが何か?

「またお前は…はぁ…とにかく降りてこい一夏。
あと出来れば暦さんも」

「今行く」

「わかったよ」

俺と弾と暦さんが階段を降りてリビングに行くとそこには絶世の美少女達がいた。

先ずは俺の天使、箒。

次に原作とは違い、前髪を伸ばしてない千石。

和服を纏った月日。

白髪ショートの育さん。

そして弾の妹の五反田蘭。

ちなみに火燐さんは道場らしい。

「一夏ー!遅いよ」

「暦!待ってたんだよー!」

最初が箒、次が育さんだ。

「すいません育さん。俺が暦さんにいろいろ相談があったので…」

「ああ、そんなに謝らなくてもいいよ、一夏君」

笑顔で言ってくれた育さんの瞳にはすでに闇は無い。

始めの頃は暦さんにしか心を開かなかったけど、今はこうして皆と話したり遊んだりする事が出来る。

育さんの両親?父親の方はヘロn……っんっん…離婚のショックで廃人になったらしい。

今は夫婦揃って児童虐待の罪で投獄中だ。

「あ、あの…一夏さん…」

「どうした蘭ちゃん?」

「あ、いえ、なんでもないです…」

蘭ちゃんはずっとこの調子だ。

たぶん俺に怯えてる。

と言うのも…その…なんだ…この子の前で高校生をボコったからな…。

怖がられて当然というか…。

「はぁ…」

「どうした一夏?」

「いや…どうもお前の妹がな…俺に怯えてて…はぁ…」

「あぁ、うん、その内慣れるだろ」

弾とそんなやり取りをしていると月日からクレームがきた。

「あーもう!織斑君も早く入ってよ!
箒ちゃんが強すぎてゲームにならないよ!」

だそうだ。

まぁ…箒だしな…

「箒、ちゃんと手加減してやれよ」

「してるよ?イカサマも読心術もつかってないよ?」

ならいいか…

「ていうか月日。俺が入ったら俺と箒がツートップになるぞ?」

「う……う~ん…どうしよう?」

月日が悩んでいると。

「じゃ、じゃぁ…アレやろうよ…」

と千石が口を開いた。

「あれ?」

ってなに?

「ツイスターゲーム……」

ふぅん……

「却下」

と切り捨てる。

「アホか、男女でツイスターゲームなんざラノベの主人公くらいしかやらんだろ」

「むぅ……」

そうだな…

「人生ゲームはどうだ?それなら運が絡むからお前らもワンチャンあるぞ?」

「う~ん…そうだね…そうしようか!」

と育さん。

「箒~こっちゃこいこい…」

と箒を手招きする。

壁際に箒を連れてきて今からの勝負の内容を話す。

「俺は暦さんを一抜けさせるが…お前はどうする?」

「じゃぁ…私は育さんで…」

と箒は見とれるような悪い顔で応えてくれた。

「じゃぁ…それで行こう」

その後俺と箒は他のゲームでも指定したプレイヤーを一抜けさせる為にプレイした。

しかしまぁ…他人を影ながら操るのは難しい。

俺と箒がツーワーストになって怪しがられたが、結局誰も気付かなかった。

勝率は互いに二割で、残りの六割は非指定プレイヤーが勝ち抜けた。

そして御開きになり帰路にあるのだが…

『ますたー?』

『わかってるよ、つけられてる。それも公安じゃないな…』

ここ一月で俺達…俺、姉さん、篠ノ之一家についた護衛…恐らく公安の者。

そして今つけてるのは多分…MSS、中国国家安全部。

その遥か後方に…CIAか?

CIAは見張ってるだけだが…

MSSの配置は完全に拉致目的だな…

ふむ…少しおちょくってみるか…。

遮音フィールド…キャスト

「箒」

「なに?一夏?」

「暗くなって来たから走って帰ろうぜ」

「?うんわかった」

そして俺と箒は走り出す。

「わっ!まってよ一夏!」

そして前に見えた路地に入る。

「一夏!そっちじゃないよ!」

いいんだよ!これで!

そして再び路地を曲がる。

そして何時もとは違うけど正しいルートで家に帰る。

で、ここからが大事。

俺と箒が二つ目の路地に『入らずに』進んでるようにみせる。

簡単にいえば光波振動系魔法で蜃気楼を見せる。

そして幻影を『CIAの居る方向』へ向かわせる。

CIAとMSSの間に認識干渉をかけて…

MSSが幻影を確保しようとしたところで認識干渉を…

解く!

さらに幻影を消せばあら大変!

CIAとMSSが銃撃戦をおっ始めました!

「フフっ…」

「どうしたの一夏?」

「いや、何でもないよ」

さて…せいぜい箒に手を出そうとしたことを悔いるんだな…

これが、今の俺の役目。

束さんの夢を手伝った次は…

箒の護衛。

某御兄様みたいにはいかないかも知れないけれど。

全力を持って、箒のガーディアンを務めよう。 
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