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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

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Turn:34 チャンスに賭けろ

 
前書き
迷宮に手間取りながらも先を急ぐミツキ
そんな彼女の前に立ちはだかるチームプリエールのキリノ
魔女の異質な戦術を前に苦戦を強いられてしまうミツキ
それでもあきらめず必勝の機会を伺っていた 

 
順調に参加者たちが減り、残ったチームが絞られていく中、ミツキは
「ど、どうしよう………」
迷っていた

Turn:34 チャンスに賭けろ

「はぁ、今どのあたりだろう………確かあっちから来て、で、さっきのあっちは行き止まりだったから」
ため息を零しつつ何とか進んでいくミツキ
「あ!ファイトエリア!………あっ!」
ミツキがファイトエリアに入るとチームプリエールのキリノが待ち構えていた

「キリノ………確かシャドウパラディンの魔女デッキだったわね」
事前にファーストステージの映像をチェックしていたトコハは対戦相手のデッキをきちんと確認していた
と同時にかつての経験から様々なデッキに精通しているが
シャドウパラディンの魔女………
「ちょっと、きつい相手かもしれないわね」

「スタンドアップ!ヴァンガード!」
ヘロイーズとリルが対峙する中ミツキは相手のデッキに注目していた
「(シャドウパラディンの魔女………珍しいデッキだからよく知らないんだけど………っていうか、カズミさんがジェネシスでアカリさんがオラクル………ウィッチってミライさんが行ってたし………そういえばプリエールって祈りって意味のフランス語だよね)」
一人思考を回してチーム名の由来を理解したミツキ
「ライド、秘薬の魔女 アリアンロッド、スキルで黒烏の魔女 エイネーを捨てて一枚ドロー、ターンエンドよ」
「私のターン、呼声の宝石騎士 クリスティーンにライド、ヘロイーズのブーストでアタック」
飛び上がったクリスティーンが剣を振り下ろすと衝撃波がアリアンロッドへ向かっていく
【誠意の宝石騎士 バートラム】クリティカルトリガー
衝撃波がアリアンロッドに直撃し身構えながら呻き声を上げる
怯んでいたアリアンロッドをクリスティーンが斬りつける
【現の魔女 ファム】トリガーなし
【幻惑の魔女 フィアナ】トリガーなし
「私のターン、秘本の魔女 アドラにライド、リルのブーストでアタック」
【荒廃の魔女 スカーハ】トリガーなし
アドラの杖から放たれた黒い光がクリスティーンに襲い掛かる
煙を上げながら膝をつくクリスティーン
【宝石騎士 そーどみー】トリガーなし
「一気に行くよ、スタンドアンドドロー、涼風の宝石騎士 アルトガロにライド!更にそーどみーをコール、エスペシャルカウンターブラスト、さばるみーをスペリオルコール」
序盤からユニットを展開する宝石騎士の得意パターン
ミツキは一気に攻めの態勢に入っている
「行くよ!まずはアルトガロでアタック!」
【宝石騎士 そーどみー】トリガーなし
アルトガロの剣にアルドラが切り裂かれる
【黒猫の魔女 ミルクラ】ヒールトリガー
「ダメージゾーンのファムを回復、パワーはアドラに」
「まだよ!そーどみーでアタック」
「スカーハでガード」
向かってきたそーどみーの牙を杖で受け止めるスカーハ

「あの相手、巧いわね、ダメージトリガーをうまく使ってミツキの速攻をうまく抑えた」
観戦していたアムもキリノのこのプレイングに思わず舌を巻いた
ヒールが出たのは偶然、だがそれをうまく活用してダメージ差が開くのを防いだ
「ライド、幻惑の魔女 フィアナ、ヴァンガードにアタック」
フィアナの杖から放たれた光が真っ直ぐ
アルトガロに向かっていく
【荒廃の魔女 スカーハ】トリガーなし
【査察の魔女 ディアドリー】トリガーなし
フィアナの攻撃を浴びてその場に倒れるアルトガロ
【友愛の宝石騎士 トレーシー】トリガーなし
立ち上がって口元を拭いながらフィアナを見据えるアルトガロ
「(慎重ね………きっと何かを待ってる、けど、私のスタイルはいつだって速攻!その前に勝負をつける!)」
意を決して手札の一枚を手に取るミツキ
「ライド!導きの宝石騎士 サロメ!ストライドジェネレーション!全盛の宝石騎士爵 エヴァンジェリン!」
エヴァンジェリンにストライドしたミツキがフィアナに剣を向ける
「そーどみーをもう一体コール、更にそのスキルでシンベリンをコール!スキルで自身をレストして逆サイドのそーどみーにパワー+10000!エヴァンジェリンのスキル」
全体の盤面を強化するミツキの得意パターンの一つ
相手の準備が整う前に一気に決めに行く算段だ
「まずはそーどみーでヴァンガードにアタック!」
シンベリンがレストしたことでパワーの落ちるそーどみーがフィアナに噛みつく
【祭儀の魔女 リアス】トリガーなし
「続けてエヴァンジェリン!ヴァンガードにアタック!」
剣を構えフィアナに向かっていくエヴァンジェリン
「完全ガード、髑髏の魔女っ娘 ネヴァン」
だがネヴァンが展開した盾でその攻撃は抑えられてしまう
「トリプルドライブ!」
【呼声の宝石騎士 クリスティーン】トリガーなし
【誠意の宝石騎士 バートラム】クリティカルトリガー
【炎玉の宝石騎士 ラシェル】クリティカルトリガー
「ダブルクリティカルトリガー!効果はすべてもう一体のそーどみーに!ヴァンガードにアタック!」
トリガーの乗ったそーどみーがフィアナに向かっていくが
「ジェネレーションガード、暗黒騎士 ルードヴィーク、スキルでリルをガーディアンサークルに、更にガード、黒鳩の魔女 ゴエウィン」
だがこれもガードされてしまった
それでも今の攻撃でキリノの手札はわずかに3枚
「いける、次のターンの攻撃、一気に決めに………」
「ふふふっ」
だが窮地にもかかわらずキリノは笑っていた
嫌な予感がしたミツキは思わずその場で身構える
「待っていたわ、あなたがリアガードを並べるこの時を」
「それはどういう………」
「みていればわかるわ」
キリノはそう言ってミルクラ、リル、ゴエウィン、エイネーを山札に戻しフィアナをファムとレギオンさせる
「見せてあげる………これが魔女の力………呪いのレギオンスキル、カウンターブラスト、そーどみーとヘロイーズを選択」
「いったい何を………」
「相手は山札の上から10枚公開、対象となったカードに上書きする」
「!強制的にリアガードを書き換えるスキル!?」
しかも10枚という枚数はあまりにも多い、それだけめくれば最低でも1枚はグレード0が入ってる可能性が高い
「しまっ!」
ミツキが公開した10枚の中には2枚のポリーが
ヒールトリガーのポリーが強制的にリアガードに置かれてしまった
「これでそちらのグレード0は二枚、ここからが面白いところよ、コール」
リアガードにコールされた才気の魔女 デヒテールが後列のポリーに杖を向ける
「デヒテールのスキル、相手の山札の上5枚の中からグレード0のカード1枚を対象のリアガードに」
「ノーブル・スティンガーをコール」
だがここでミツキは不自然な点に気付いた
わざわざグレード0のいるサークルを狙っている点だ
ミツキのリアガードの弱体化をただ狙うのならグレード1以上のいるサークルを狙った方が確実なはず
「ファムをコール、フィアナのスキルでファムを退却し2枚ドロー、コール、査察の魔女 ディアドリー、そのスキルでソウルブラスト、相手のドロップゾーンからグレード0を1枚、相手のリアガードサークルにコールさせる、残っているそーどみーを選択」
「!それで意味のない位置に入れ替えを」
ミツキのドロップゾーンにグレード0はなかった
慎重な攻めもこの条件をクリアできるタイミングを見計らっていたのだろう
「ダーナをコール、このスキルもディアドリーと同じ、対象はさばるみー」
「(強い………)
ミツキは自分がキリノの手の中で踊らされているような感覚に陥った
「デヒテールでヘロイーズにアタック」
リアガードサークルのヘロイーズがデヒテールのアタックを受け退却する
「レギオンアタック」
【荒廃の魔女 スカーハ】トリガーなし
【髑髏の魔女っ娘 ネヴァン】トリガーなし
トリガーはないが再び完全ガードのネヴァンが手札に入った
これで次のターンも守りは十分
フィアナとファムが手を重ね放った光がサロメに襲い掛かる
【涼風の宝石騎士 アルトガロ】トリガーなし
「ディアドリーでアタック」
「バートラムでガード!」
この時ミツキの手札にはほかにもラシェルなどのカードがあった
だがダーナやディアドリーのスキルを目にした今、リアガードで能力を使えるバートラムを優先してガードに切っていく選択をした
「反撃よ、スタンドアンドドロー、ストライドジェネレーション!」
もう一度エヴァンジェリンにストライドしたミツキは手札からバートラムをコール
だがこれ以上ユニットを呼ぶことはしない
おそらく先ほど盤面を壊滅させられた影響で追加のユニットをコールできずにいる
「エヴァンジェリンでアタック!」
「ノーガード」
完全ガードが手札にあるにもかかわらずこの攻撃をノーガード
「トリプルドライブ」
【必中の宝石騎士 シェリー】トリガーなし
【宝石騎士 さばるみー】トリガーなし
【熱風の宝石騎士 シンベリン】トリガーなし
トリガーが出ない
おそらくフィアナのスキルで山札のトリガーを抜き取られた影響だろう
フィアナとファムをエヴァンジェリンの大きな剣が切り裂く
【髑髏の魔女っ娘 ネヴァン】トリガーなし
「まだよ!バートラムでアタック!」
「ノーガード」
【黒鳩の魔女 ゴエウィン】クリティカルトリガー
「クリティカル!?」
ダメージトリガーが出たことによってヴァンガードのパワーが上昇してしまった
「まだよ!ポリーでヴァンガードにアタック!」
ポリーの手から光が放たれフィアナに向かっていくが
「メイヴ、スカーハ、ガード」
完全ガードを切ることなく2枚のカードを使い防ぎ切った
ミツキは次のターンも完全ガードがあるというプレッシャーに耐えながら攻撃しなければならない
「(それでも、このターンは無駄にしない)」
手札に加わった3枚を見つめるミツキ
「まだあきらめていない眼ね、けど、これならどうかしら」
そう言ってキリノはGゾーンのカードを1枚手に取った
「ストライドジェネレーション、変貌の魔女王 シンクレア」
魔女のGユニット
そのプレッシャーにミツキは再び身構える
「シンクレアのスキル、相手の山札の上から10枚を公開」
「っ!?フィアナと同じ………」
だが、現実はそうではなかった
「相手はその中のグレード0にスタンド状態でライドする」
「なっ!」
サロメだったミツキの姿がラシェルに変わってしまう
「その代わり、カウンターブラスト1を払えば好きなカードを手札からガーディアンサークルに置ける」
だがこれは大きい
ミツキの手札にヒールトリガーはないがもしあったとしてもこの能力だとジェネレーションガードは封じられる
加えてミツキの表のダメージは1枚だけ
慎重にガードを考えなければならない
「まずはデヒテールでラシェルにアタック」
デヒテールの放った光がラシェルに襲い掛かる
【友愛の宝石騎士 トレーシー】トリガーなし
トリガーの乗っていないアタックでも要求は15000
余分な手札を切ることを要求されてしまう
「シンクレアでラシェルにアタック」
「カウンターブラストを払う!イゾルデで完全ガード!」
シンクレアの放った光をイゾルデが受け止める
「トリプルドライブ」
【山羊の魔女 メイヴ】スタンドトリガー
「デヒテールをスタンド、パワー+5000、セカンド、サードチェック」
【秘本の魔女 アドラ】トリガーなし
【山羊の魔女 メイヴ】スタンドトリガー
「ダーナをスタンド、ディアドリーにパワー+5000、スタンドしたデヒテールでアタック」
デヒテールの光が再度ラシェルに襲い掛かった
その場で膝をつき倒れるラシェル
【必中の宝石騎士 シェリー】トリガーなし
「これで終わりよ、ダーナのブーストしたディアドリーでアタック」
開いた本から呪文を放つディアドリー
「まだよ!まだ私は諦めない!」
ディアドリーの攻撃をラシェルとノーブル・スティンガーが受け止める
「この攻撃を防いだ………」
「私だって、負けられないの、ストライドジェネレーション!」
飛天の聖騎士にストライドしたミツキが力強く剣を構える
「スキル発動、そーどみーをスペリオルコール、更にそのスキルで、シンベリンをスペリオルコール、シンベリンのスキルでそーどみーをパワーアップ、更にシェリーとさばるみーをコール」
崩された盤面を立て直したミツキ
「飛天の聖騎士 アルトマイル!」
アルトマイルが真っ直ぐフィアナに向かっていく
たとえここを完全ガードしても左右のリアガードまでは防げない
「トリプルドライブ!」
【閃光の宝石騎士 イゾルデ】トリガーなし
【導きの宝石騎士 サロメ】トリガーなし
【純真の宝石騎士 アシュレイ】トリガーなし
アルトマイルの剣で切り裂かれたフィアナとファムは剣筋から放たれた光に飲み込まれた
【山羊の魔女 メイヴ】

「か、勝てた」
すさまじいファイトに思わず座り込んでしまうミツキ
そんな彼女にキリノが手を伸ばした
ミツキも笑いながらその手を取って立ち上がる
「気を付けた方がいい、そろそろ人数が絞られてきた」
「はい、ありがとうございました」 
 

 
後書き
次回予告
「な、何とか勝てたぁ」
「宝石騎士の結束の力があったからこその勝利ね」
「本当に、パワーアップのスキルがなかったらと思うと」
「でも逆に言えば、どんな状態でも力強く攻撃できることこそミツキの強さだと思うな」

turn:35 仲間のために

「力を合わせて困難に立ち向かう、出会った頃のシオンを思い出すわ」
「そういえば、その頃のお母さんの話ってあんまり聞いたことないなぁ」
「え!?あ!いけない!そろそろ仕事が!」 
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