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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1966話

「……おう?」

 武治との話を終え、まだ昼前だった事もあったので、海にでも行くか……もしくは山にでも行くかと迷いながらも外に出た俺が見たのは、どこか疲れた様子を見せるゆかりと美鶴、真田。いじけているのか少し頬を膨らませている山岸。
 そして羨ましそうに有里を見ている順平。そして……女の形をした存在を侍らせている有里。
 そんな状況を見た俺が、思わず妙な言葉を発してしまっても、それはおかしくないと思う。
 少なくても、この場にいる誰にも責められる覚えはないと、そう考えつつ、再度口を開く。

「それでそっちの女……女? まぁ、取りあえず女と表現しておくか。その女は誰なんだ? 随分と有里に懐いているようだが」

 そう言いながらも、俺は何となく目の前の存在がどのような相手なのかというのは理解出来た。
 そもそも、俺はこの存在と似たような相手を知っている。
 そう、エヴァの従者の茶々丸だ。
 だが……純粋に外見だけで見れば、茶々丸とこの女では明らかに茶々丸の方が高い技術を使って作られているのが分かる。
 まぁ、茶々丸の場合は超や葉加瀬の持つ高い科学力だけではなく、エヴァの魔法技術も使われているからな。
 どうしてもその辺りの違いというのは出てくるのだろう。

「私はアイギスと申します。湊さんの側にいるのが絶対なのであります」
「あー……そうか。取りあえず有里に懐いているって事でいいんだな?」
「恐らく、そうであります」

 言語機能に関しても未発達、か。この辺も茶々丸に勝てないな。
 ああ、でも、もしかしたらこのアイギスとかいうのを作った奴の趣味って可能性もあるんだし、そこまで言い切るのは難しいか。

「驚かないのね」
「そうだな。まぁ、人型機動兵器的な存在は初めて見る訳じゃないし」
「何? アイギスのような存在を他にも知っているのか?」

 ゆかりとの会話が聞こえたのか、美鶴は驚愕の視線をこちらに向けてくる。
 なるほど、分かってはいたし、予想もしていたが、アイギスを作ったのは桐条グループ……エルゴ研だったか? そこなのか。
 となると、アイギスの正体は……

「対シャドウ用のロボット、といったところか」
「正解であります」

 俺の言葉に、アイギスはあっさりとそう言ってくる。
 自分の正体が見破られたにも関わらず、アイギスは特にこれといった反応をしない。
 てっきり敵だったり、口を封じる為の行動にでも出るかと思ったんだが。
 その辺りは、アイギスも高度なAIを積んでいるといったところか。

「で、アクセル。お前はアイギスと似たような存在をどこで見た?」
「そうだな、取りあえず裏の世界……とでも言っておくか」

 一応これは完全に嘘という訳でもない筈だ。
 ネギま世界では、未だに魔法に関しては裏の存在という事になっている。
 つまり魔法の技術が使われている茶々丸の存在も、分類的に裏の存在という事になるのは間違いない。
 ましてや、茶々丸はエヴァの従者だと考えれば、とてもではないが表の存在とは言えないだろう。
 もっとも、そのエヴァと茶々丸はシャドウミラーの所属という事になっており、シャドウミラーでは魔法の存在は隠されるべきものではなくオープンにされている。
 そう考えれば表の存在と呼んでもいいのかもしれないが、俺が茶々丸と初めて会ったのはネギま世界での話なんだから、嘘という訳でもないだろう。

「裏の世界……そうか、普段からアクセルと接していると忘れがちになるが、アクセルはそういう世界を見てきたのだったな」
「そうだな」

 俺と美鶴の間では話に齟齬が出来ているのだが、それでも今のところ美鶴に俺の秘密を言うつもりはない。
 ホワイトスターと連絡が取れるようになれば話は別だが、今の状況では余計に混乱させるだけだし、幾月辺りに妙な情報が流れないとも限らないしな。

「……」

 俺と美鶴の会話を聞いていたゆかりが、そんな適当な事を言ってもいいの? といった風にジト目を向けてくるが、俺と目が合うとすぐに頬を赤くして目を逸らす。
 昨日の件はきちんと話しておかないと、いつまで経ってもゆかりはこのままのような気がする。

「それで、話は戻るけど……何でアイギスがいきなり現れてるんだ?」

 そう疑問の言葉を発すると、美鶴が困ったように口を開く。

「実は、この屋久島にアイギスの眠っている施設があったらしいのだが、今日急にそこで目が覚めたらしい。そして眠っていた場所から逃げ出したので、理事長が私達に探すように依頼してきたのだ」

 一旦言葉を止めた美鶴は、そのまま有里の側にいるアイギスに視線を向ける。
 つまり、逃げ出して見つけ出してみれば、何故かアイギスは有里に懐いていたらしい。
 ……だが、何でだ? これで懐くのが美鶴であれば、まだその理由も分かる。
 桐条グループの令嬢という事もあるし、何より美鶴は昔からペルソナを使って影時間に関わってきていたのだから。
 そうであるからこそ、美鶴に懐くのならともかく……何故有里?
 有里がシャドウやらペルソナやらに関わるようになってから、まだ3ヶ月程度しか経っていない筈だ。
 であれば、アイギスと有里の間には何の関係もないだろう。
 それこそ、一目惚れとかそういう感じか?
 茶々丸が心を手に入れたのだから、アイギスが同じように心を持っていてもおかしくはない。おかしくはないんだが……それでもやはり疑問が残る。

「そうか。……で、結局何で有里にそこまで懐いているんだ?」
「私にとっては、彼と一緒にいる事が一番大事であります」
「……らしい」

 少し困った様子の美鶴。
 アイギスが何を思ってそんな事を口にしているのかは、俺にも分からない。
 だが、それでも……こうまで有里に拘るという事は、間違いなく何かの理由がある筈なのだ。
 そして有里は、ペルソナ使いの中で唯一ペルソナチェンジという能力を持っている。
 そうなると、アイギスが有里に拘る理由はその辺りにあるのか?
 もっとも、何故そうなのかというのは、アイギス本人も分かっていないようだが。

「有里、お前はアイギスに懐かれる事に、何か心当たりあるのか?」
「どうでもいい」

 うん、有里はいつも通りの有里だったな。
 だがそうなると……視線を山岸の方に向けてみる。
 視線を向けられた山岸は、気弱な性格をしている山岸にしては珍しい事に、有里の方をジト目で見ている。
 まぁ、自分と付き合っている――のかどうかは分からないが――有里が、ロボットとはいえアイギスにここまで懐かれているのだ。それで不服に思うなという方が無理だろう。
 ちなみに順平は、有里に羨ましそうな視線を向けている。
 ロボットであっても、女であればいいのか? 茶々丸辺りを順平に見せる訳にはいかないな。

「……で、このアイギスはこれからどうするんだ?」
「理事長にお返しする必要があるのだが……」

 美鶴が改めて有里の側にいるアイギスに視線を向ける。
 この様子では、もしアイギスを有里から放そうとしても、まず頷かないだろう。
 ロボットとかだと、人間に危害を加えてはならない、人間の命令に服従しなければならない、自己を守らねばならないとされる基本三原則とかが有名だが……俺にとっては今更の話だしな。
 そもそも、量産型Wはともかく、Wナンバーではラミアがそんなのを知った事かと言わんばかりの行動を取ってるし。
 もっとも、ラミアを含めてWナンバーズ、量産型Wは人造人間であってロボットという訳ではない。
 そうなると、ロボット三原則とか、そういうのは今回はあまり意味がないのか。

「私は彼の側にいるのが一番なのであります」

 先程と全く同じ主張を口にするアイギス。
 これは、もし有里と離れろと言っても、まず聞くような事はないだろう。
 アイギスの戦闘力が具体的にどのくらいなのかは俺にも分からないが、最悪有里から離れたくないと暴れる可能性も否定出来ない。

「で、この状況をどうするんだ?」
「……取りあえず、理事長に報告しようと思う。アイギスに関しては、現状では理事長が最も詳しいからな」
「なるほど。……なら、俺も同行しよう」
「いいのか? 外に出るところだったようだけど」
「そう言ってもな。お前達全員が戻ってきたんだ。そんな中で俺だけ出掛けるのはちょっとな」

 そう言いつつも、俺の中には先程の武治との会話があった。
 幾月が怪しい……限りなく黒に近い灰色であると、そう武治に言った以上、俺の方でも幾月の動向には注意をしておく必要があるだろう。
 勿論、向こうが何かを企んでいるのか、それで分かる訳ではない。分かる訳ではないが……妙な入れ知恵によって、ゆかりや美鶴達が痛い目に遭うというのは避けたい。
 それに、昨日の一件で映像は桐条グループの専門部署が調査中だ。
 幾月がそれに対して焦っていれば、妙な行動に出るという可能性は捨てきれない。
 もっとも、幾月には子飼いの戦力がない。
 敢えて上げれば、美鶴達が子飼いの戦力って事になるんだろうが……美鶴達が、そんな行為に協力する筈もないだろう。
 そう考えると、幾月が出来るのは……研究者だけに、ハッキングとか?
 長谷川とかルリ、ラピスといった面々であれば、それこそこの世界のコンピュータには容易にハッキング出来る筈だ。
 しかし、幾月がそのような真似が出来るかと考えれば……微妙なところだな。
 もしかしてアイギスを起動させたのは、そっち関係の理由もあるのか?
 アイギスはロボットだけに、プログラム次第で自分の思い通りにする事も可能な筈だ。
 だが、実際にそれを行うよりも前にその場から逃げ出し、有里の下に向かった。
 ……可能性としては否定出来ないのか。
 そんな風に思いながら、俺は美鶴達と共に別荘の中に戻る。
 そして別荘の一室に向かうと、そこでは幾月が待っていた。
 アイギスを無事に連れてきた事に喜びの表情を浮かべる幾月だったが、そこに俺がいるという事を疑問に思ったのだろう。不思議そうな視線をこちらに向けていた。

「何故彼が?」
「アイギスを見つけて別荘に戻ってきた時に偶然会ったので」

 特に動揺した様子もなく、美鶴がそう告げる。
 幾月の方も、少し驚いた様子は見せたものの、特に嫌がるといった様子を見せるような事はないまま納得したように頷く。
 ふむ、こうして見る限りでは、やっぱり幾月が何かを企んでいる……という風には見えないな。
 それだけ幾月が自分を偽るのが上手いという事なんだろうが……どうやってその辺の能力を鍛えたんだろうな。
 それとも、天性のものなのか?

「そうかい。じゃあアルマー君もアイギスの話を聞いていく、という事でいいのかな?」
「ああ、そうしてくれ。まさか、アイギスのような存在がいるとは思ってなかったから、話は聞かせて欲しい」
「へぇ、アルマー君でも知らない事はあるんだね」
「当然だろ。俺を何だと思ってるんだ? 俺が知ってるのは、あくまでも俺の知識の範囲内の事だけだよ」

 茶々丸の件もあるから、アイギスのような存在について全く何の知識もなかった……という訳ではないのだが、その辺りは隠しておいた方がいいだろう。

「ふむ、では……彼女の正式名称は、対シャドウ特別制圧兵装7式アイギス。……君達も聞いた、10年前の一件でシャドウと戦闘したらしくて、それ以降は全く動かなかったんだ。それが、どういう訳か今日急に動いて……その辺りからは君達の方が詳しいだろう?」
「理事長、アイギスが対シャドウ兵器という事は、もしかして……」

 真田が何かに気が付いたかのように、アイギスを見る。
 幾月は、そんな真田の様子に我が意を得たりと口を開く。

「そう、アイギスはペルソナを召喚してシャドウを倒す事が出来るんだ。しゃー、どうでしょう? これだけの力を持つアイギスは、君達にとっても心強い味方になるんじゃないかな?」
「そうですね。アイギスが本当にペルソナを使えるのであれば……それに、アイギスは有里の側から離れる様子もないし」

 幾月の口から出た駄洒落はスルーして、美鶴がそう告げる。
 実は渾身の駄洒落だったりしたのか、言った本人は非常に残念そうな顔をしていたが……うん、まぁ、取りあえずそんなものだろう。
 その場にいる全員が、幾月の駄洒落をスルーしてアイギスについて話し合う。

「アイギスはやっぱり有里君と一緒にいるのがいいのよね?」
「そうであります。それは絶対です」
「……となると、やっぱりアイギスを寮に連れて行くしかないんじゃないですか?」

 ゆかりの言葉に、美鶴は少し考え……やがて頷く。
 美鶴にとっても、戦力となるのであればアイギスの存在は是非欲しいところだろう。
 ……ゆかり、荒垣、コロマルと、恐らく原作では美鶴と同じパーティに所属していた者達が俺と共に行動している以上、戦力の増強は必須なのだから。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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