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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第八十話 建築家、美術家ゲットだぜ!


魁士官学校は次回以降の話となります。
時間系列関係上です。
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第八十話 建築家、美術家ゲットだぜ!

帝国暦480年8月1日

■オーディン  ローエングラム領臨時事務局

 装甲擲弾兵が士官学校でフレーゲル達をしごいていたこの日、

この日は3月1日に発表された。
【ローエングラム大皇女記念大劇場設計コンペ】
【大劇場大ホール壁画及び展示絵画コンペ】

入賞者発表の日である。
最終的に設計試案15712人、応募作品30万3551人に及んでいた。

高名な人物は全くと言って良いほど応募してきておらず。
劇場コンペ応募者は、市井の建築家や建築学科学生が殆どであったが、
一部には官吏なのも含まれていた。
絵画コンペ応募者も、市井の芸術家や美術学校生なども居たが、
中には子供の描いた微笑ましい物も含まれていた。

発表会場には代表者3名が並んでいた。
銀河帝国第三皇女、テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム。
マグダレーナ・フォン・ヴェストパーレ男爵夫人。
オーディン帝国大学教授、ゼーフェルト博士。

TVカメラは3名を確りと映し帝国全土に放送がされている。
殿下のファンは録画必須である。

フレーゲル達がしごかれて居るさなかの、8時に発表が為された。
アナウンサーが挨拶を行い始まる。
『恐れ多くも皇女殿下、御臨席による【ローエングラム大皇女記念大劇場設計コンペ】
【大劇場大ホール壁画及び展示絵画コンペ】採用者及び優秀賞を発表致します』

『始めに優秀賞を発表致します。
優秀賞は、3番目以降という事ですがローエングラム領に建設する建物の設計や、
美術の発展に参加して頂きたい方々への賞でございます。
また此からの活躍の為に支援金が支給され続けます』

ドラムの音と共に優秀作品がゼーフェルト博士が優秀賞を建築家、
美術家それぞれ8名ずつを発表していく。

帝国全土では、一喜一憂している応募者達がそれぞれ画面に釘付けになっていた。
発表がされる度に各家庭や職場、酒場などで歓声が上がった。

『やったー。合格じゃないが最後まで残ったぞ!』
『ホントか。おめでとう』

続いてヴェストパーレ男爵夫人が次点を発表する。
『続きましてヴェストパーレ男爵夫人様より次点の発表でございます』
男爵夫人は華麗な服で名前を読み上げる。

「設計部門、ライナー・グルック」
「美術部門、フランツ・オットー・レイトマイエル」

男爵夫人は発表を終え考えていた。
レイトマイエルが一位で無いのは残念ですけど、
余りごり押しもできませんから、2位で丁度宜しいのですね。

アトリエではレイトマイエルが、2位は残念だが参加できると意欲を燃やしていた。

そして、自宅では試案は書いたが恥ずかしくて、
送付しなかったグルックが何故自分が呼ばれているのか?
同姓同名の別人じゃないのかと思っていたが、
ニヤリと笑う妻から、私が貴方の書斎から図面を応募しておいたわと言われていた。

『お待たせ致しました。恐れ多くも皇女殿下御自ら優勝者のご発表でございます』

テレーゼが立ち上がり、優勝者の発表を行う。

「設計部門、ブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒ」
「美術部門、エルネスト・メックリンガー」
その様に発表された。


アインザームカイト星系で発表をTVで見ていた。
シルヴァーベルヒは食べていたパンを囓ったまま、
雨の中外へ飛び出しやったー!万歳ー!等を叫び近所から変な人だと思われた。

ボーゲン星系で勤務中であった、メックリンガーは食堂でのTVで発表を見て、
静かに感激していたが、事態を知った周りの同僚から盛大に激励されまくり、
食堂のおばちゃんからは色目を貰う有りさまで頬にキスされて這々の体で逃げ出した。
その後司令官に呼び出され、浮かれぬように軍務に精進する様にと叱責されたのである。

オーディンの美術高校でも、早期登校で全員が発表を見守っていた。
しかし応募者が多数居たが入賞者が居らずにガッカリムードであった。

その中の一人、ロルフ・ザイデルはガッカリどころか出した彫刻が返還されるか不安で一杯であった。
絵画ではなく間違えて彫刻を送ってしまったからだ。

何と言っても彫刻なら学校一の腕前だから、
それで良いだろう思っていたが、
勘違いに気がついたのは、送付した後だったからなのだ。

TVも終盤にさしかかり、終わりかと思ったとき、皇女殿下から特別賞があるとのお言葉が発せられた。

「今回は建築と絵画のコンペであったが、彫刻等の応募も1万点ほどあったのじゃ、
其処で急遽、妾が出来の良い彫刻の作者に特別賞を取らせようと思う」

その発表で元気が出てきた、ロルフは此で彫刻が返還されるなと思っていた。
皇女自らが再度発表する。
ドラムの音が止む。

「彫刻特別賞オーディン美術高校在籍、ロルフ・ザイデル」

そう発表された。
ロルフ自身は最初、えーうちの高校から特別賞がでたよと思ったが。
周りから。おい!ロルフ!おめでとうと言われ始めた。

そうして、初めて自分が特別賞に選ばれたと知ったのであるが全然実感がわかなかった。
しかし親友や友人や同級生達からもみくしゃにされて、
その日学校はそのまま宴会へと突き進んでいった。
校長ですら大喜びで、自ら宴会芸の裸踊りをする始末で翌日は皆フラフラで登校する羽目になった。


発表が終わると殿下自ら、応募者全員に労いの言葉が為された。
「この度我が記念に多くの臣民が参加してくれて、妾は大変嬉しゅう思う」
この【嬉しゅう思う】がファンクラブ会員携帯電話の呼び出し音に密かに使われたのは事実であった。



■ヴァルハラ星系外縁  宇宙艦隊演習宙域   戦艦ラプンツェル

ラプンツェルの食堂ではTVで発表が放送されていた。
アラヌス・ザイデル伍長達が食事をしながら、
「俺の弟は彫刻なら学校一なんだが絵画はなー」と話していた。
その話を聞きながら、最前線からラプンツェルに移動出来た事に感謝しつつ食事を取っている。

次々に発表される合格者達。
「やっぱり才能があると良いね。シュミット一等兵も星の研究を再度したいだろう?」
「それは出来たら再度したいですよ」
「俺なんか家族に会いに行って正直に話したら、泣かれちまってな」
いろんな話が為されている。

いよいよ終わりかとTVを見ると、彫刻部門が新設されてその特別賞に弟の名前が出たことで、
ザイデル伍長は持っていたナイフを落としてしまった。
皆が気がついて、聞いてくる。

「ザイデル伍長の弟さんもオーディン美術高校在校生ですよね?」
「ああ弟の名前もロルフ・ザイデルだ」
「じゃあ弟さんですか?」

「未だ判らん、連絡しないとな」
「本当だとしたら凄いじゃないですか」
食堂にいた機関科のい連中が詰め寄ってきて、
お祝いだとか言い始めたが、取りあえずは後で確認してからだとして何とかその場はしめた。

しかし夕方実家に確認して弟と話した結果事実だと解り、
ラプンツェル全乗組員1550名からお祝いの言葉と宴会での主賓を任されてしまい。
アラヌス・ザイデル伍長は俺が受賞したわけじゃ無いのにと良いながら、
散々飲まされながら、弟の事を誇りに思ったのである。


■オーディン  ローエングラム領臨時事務局  テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 本日発表はかなりインチキでしたけど、無事終わりました。
レイトマイエルとメックリンガーとシルヴァーベルヒは想定道理、
グルックは想定外でしたね、あの人実直だからそう言うの出さないと思ったんですけどね。

早いうちに確保できそうですね。
しかし高校生でザイデルで彫刻と聞いた時OVAの話が頭に浮かんで、
ハーメルンⅡじゃないかと思って調べたら、
なんとハーメルンⅡ乗り組み員がラプンツェルに移動していたとはびっりですね。

しかもザイデル伍長の弟が応募してきていた。
此はスカウトしてあげないとでしょうと言う事で特別賞を作ったわけです。
そうなると、星の学者さんも居るわけだから、
彼は奨学金でもだして、運航士官になって貰おうかな。

今度ラプンツェルに乗るときが楽しみですね。

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次回以降に装甲擲弾兵名物。
ボウ倒し、出ます。
内容はお楽しみで。

あと何れ没企画、キルヒアイス、アンネローゼの最後をシリーズの各種設定に書くかも知れません。
 
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