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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第十一話

あの日、父さんと母さんがいなくなって数ヶ月が経った。


俺と姉さんは今篠ノ之家でお世話になっている。

そのおかげか姉さんはある程度は回復しているようだ。


だが俺はそういうわけでもない。

姉さんは知らないが俺は二人の死を識っているから。

今の俺は延々とISの理論をまとめたり、箒の相手をしたりして、なにもしない時間を作らないようにしている。

そうやって悲しさを誤魔化しているのだ。


一応、姉さんの前では何も知らない振りをしていて、束さんも協力してくれている。


そろそろ3時くらい。

箒が幼稚園から帰って来る頃だ。

俺は通ってない、というかこの近くの幼稚園や保育所は今いっぱいいっぱいらしい。
要するに待機児童って事だ。

幸い柳韻さんの奥さんと妹さんの雪子さんが居るからそこまででもない。


ガラガラと音がした、箒が帰って来たようだ。


「いちかーかえったよー!」


「お帰りー箒」


いやぁ、園児服の箒、かわいいなぁ…


『ますたーって『ロ』から始まって『ン』で終わる人種なの?』


『橙、何を言っているんだ?『可愛い』は唯一絶対不変の正義だぞ』


『あっそ』


「いちか、どうしたの?おなかいたいの?」


おっと、橙と念話してたらマイラブリーエンジェルに心配を掛けちまったZE!


「んーん、なんでもないよ」


「ねぇねぇ!きょうはなにする!?うの?じんせいげーむ?」


箒は姉に似て優秀だ。

この前やったゲームもちゃんとルールを理解してた、しかし…


「それ二人でやって面白いかなぁ?」


UNOは二人でやるとガチの読みあいになるし、人生ゲームは論外だ。


「じゃぁなにする?」


「う~ん……そうだ!束さんの部屋にトランプゲームの本があったと思うんだ」


「かってにかりておこられない?」


ああ、この娘はなんて真っ直ぐなんだ!だが俺は敢えてこう言おう!


「箒ちゃん…」


「なに?いちか?」


「バレなきゃ犯罪じゃ無いんですよ…」


「?」


さすがにまだ判らないか。


「バレなきゃ大丈夫ってこと、じゃ、取ってくるよ」


「わかった」









幼児窃盗中…









「箒、持ってきたよ」


何か犯罪者扱いされたような気がするが気にしない気にしない。


「どれが面白そう?」


俺が箒に本を渡すとページをパラパラとめくりだした。


「ん~…………………これ!はなふだみたいでたのしそう!」


そう言いながら箒が俺に見せたのは…


「……そう来たかぁ……よりにもよって『ポーカー』かよ…」


まぁ、確かに花札とポーカーは役を揃え、より強い役を揃えた方の勝ち、という点など共通点が多いが…


つーかこの本イカサマのやり方まで書いてやがる。

作者は何がしたいんだ?


「う~ん…これやりたいの?」


「だめ?」


………この顔を見て駄目って言える奴はこの世に居るのだろうか?


「いいよ…そうだ!箒、ゲームをするときのルールを決めよう!」


俺は箒にそう言った。

何故かって?ポーカーと聞いて某最強ゲーマーが浮かんだからだ。


「るーる?」


「そう、ルール、あるお伽噺の神様が決めたルールで〔十の盟約〕っていうんだ。

【一つ】この世界におけるあらゆる殺傷、戦争、略奪を禁ずる。

【二つ】争いは全てゲームにおける勝敗で解決するものとする。

【三つ】ゲームには、相互が対等と判断したものを賭けて行われる。

【四つ】゛三゛に反しない限り、ゲーム内容、賭けるものは一切を問わない。

【五つ】ゲーム内容は、挑まれた方が決定権を有する。

【六つ】゛盟約に誓って゛行われた賭けは、絶対遵守される。

【七つ】集団における争いは、全件代理者をたてるものとする。

【八つ】ゲーム中の不正発覚は、敗北と見なす。

【九つ】以上をもって神の名のもと絶対不変のルールとする。

【十】みんななかよくプレイしましょう 。

ってね」


俺は言いながら紙に書き出した。


「どういういみ?」


「んーとね、簡単に言うと喧嘩したら駄目ですよ。
喧嘩じゃなくてゲームで決めましょう。
ゲームでずるをしてバレたら負けですよってことだよ。
盟約その3、4、5、6、7、9は無視していいよ」


さすがに賭けはマズイしな。


「わかったー!」


「じゃぁ本を見ながら一回やって見よう、簡易ルールでいいか?」


「うん!」


よし、やるか。あ、忘れてた。


「おっと、その前に一つ、この十の盟約の中でゲームをするときは掛け声をいうんだ『盟約に誓って』ていうふうに」


「あっしぇんて?」


あ、くっそ可愛い。


「そうそう、じゃぁゲームを始めよう。
盟約に誓って!」


「あっしぇんて!」


「親どうする?ジャンケンする?」


「いちかでいーよー」


「じゃぁカードくばるぞ」


俺と箒の前にカードを五枚ずつ配る。


「どうだ?役はあるか?」


俺は5のワンペアだ。


「ん~とねぇ…あった!」


「どうだ?変えるか?」


「このままでいーよー」


ワンペアかな?ツーペアかな?


「じゃぁ……オープン」


俺のカードは
スペード5
ハート5
ダイヤ3
ダイヤ2
クローバー9だ。


一方、箒のカードは
ハートA
ハートK
ハートQ
ハートJ
ハート10である。


……………は?


「むふー」ドヤァ


「うそだぁ……ロイヤルストレートフラッシュって……1/640000の確率だろ…」


「わたしのかちー!」


楽しそうだしいいか。


「ねーねーいちかー!もっとやろー!」


「ああ、いいよ」


そのあと俺達一時間半ぐらいポーカーを続けたのだが……箒が強すぎる。

なんなの?『奇跡を起こす程度の能力』でも持ってんの?一応は神社の血筋だし…


「むふー」


ああ、ドヤ顔の箒も可愛いなぁ(泣)。


チキショウ、俺の勝率五分っておかしいだろ?五割じゃないぞ?五分だぞ?5%だぞ?なんで勝てねぇんだよ全部が全部ツーペア以上の役とかおかしいだろ!


ガラガラっと音がした、姉さんと束さんが帰って来たようだ。


「一夏、帰ったぞ……どうした?」


「箒ちゃん、いっくん、帰ったよ………どうしたの?いっくん?」


負け続けの俺はorz状態だ。


「いちかってねーぽーかーすっごくよわいんだよー!」


「お前がつよすぎるんだよぉ…」


と言うと二人の雰囲気が少し変わった、と言っても姉さんはあまり変わってないが。


「いっくん、ちょっとこっちに来ようか」


「束、任せるぞ」


え?なにこの空気?



















篠ノ之束・私室


部屋に入るなり壁ドンされた、わざわざしゃがんで、え?なに?


「いっくん、何してんの?いや、別に私の部屋からあの本を持っていったのは構わないよ。
いっくんには部屋の本を好きにしていいって言ったからね。
でもさ、箒ちゃんになに仕込んでんの?
て言うかあの机の上の紙はなに?
アレで何を要求したの?変態なの?」


「ち、違いますよ!そんなことするわけ無いじゃないですか!あの本を持っていったのは俺ですけど、その中からポーカーを選んだのは箒です!」


「本当に?」


「本当ですよ!」


「そう、ならいいけど」


「それに箒つよいですし」


「意外だね」


「いや、もう、ホントそうですよなんなんですかあいつのひきのよさありえないでしょぜんぶツーペアいじょうのやくとかマジでありえないしかもあいついちじかんはんのあいだにロイヤルストレートフラッシュさんかいストレートフラッシュよんかいフォー・オブ・アカインドごかいとかありえないロイヤルストレートフラッシュにいたってはろくじゅうよんまんぶんのいちなんですよ?わかりますかたばねさんならわかりますよねぇ!!」


「お、おぉう、く、悔しいのはよく判ったよ、いっくん」


あ、忘れてた。


「束さん、昨日考案した理論纏めときました、見ますか?」


「あ~アレね…他の案も考えてみたんだけどさ【~~~~~~~~~~~】。
要約するとこんな感じなんだけど、どうだい?」


「いや、そこって結局【ーーーーーーー】って事でしょ?
ならこっちの方が【::::::::::::::::】だから【===========】でいいと思うんですが。
て言うかいいんですか?学校でそんなこと考えてて?」


俺はふと思った事を聞いた。


「ふふふ、いっくん、私を誰だと思っているんだい?
そこら辺の有象無象とは違うのだよ」


ああ、そうだ彼女はかの天才篠ノ之束なんだった。


「それにもう少しでISの基礎理論は完成するじゃないか。
いっくんのお陰だよ、いっくんが居てくれたからこそ此処までこれたんだ」


「ISの基礎理論の殆どを考えたのは束さんだよ」


「ふふ、嬉しいことを言ってくれるじゃないか」


と言って抱きついて来た、束さんは抱き付き癖があるのだろうか?


ガララ!


大きな音を立てて部屋の引き戸が開けられた。


「おい、貴様、何をしているんだ?
いつまで経っても戻って来ないと思えば、こんな暗い部屋で、私の弟に抱きついて…」


サムライが居た、そしてその背後には般若ががががががががgagagagagag…


「おい、聞いているのか?束?まぁ、いい。
一夏、直ぐに終わるからな、待っていてくれ」


束さんの後ろ襟をムンズと掴んで、ものすごくイイ笑顔で姉さんはそう言った。


「え、ちょっ、まっ、待ってよちーちゃん、これには深い訳がっ、い、いっくぅん!助けて!いっくぅん!ああ!」


ピシャァン!と勢いよくドアが閉められた。


ガララ!と別の部屋の戸が開けられてまたピシャァン!と閉まった………


ああっ!ちーちゃん!やめて!お願いだから!ちぃー!ちゃぁぁぁぁーん!


うるさぁい!人の弟に貴様はぁ!


聞こえない聞こえない、俺には何も聞こえない………


よし、箒の所に行こう。









幼児移動中











「箒、待たせたな」


「さっきからなにかきこえるけどなにかあったの?」


「いや、何もなかったよ、まだポーカーする?」


「うん!」


ああ、やっぱり箒は可愛いなぁ!俺の癒しだよ。


この後のポーカーも箒の圧勝だったロイヤルストレートフラッシュのニ連続は絶対におかしいと思うんだ…


【俺の幼なじみがポーカーが強すぎる件について】ってタイトルでラノベ出せそうだよ… 
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