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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第八話

「いっくん、何してるの?あとその子はだぁれ?」


「んな!?」


振り向くと、束ねーちゃんが居た。







「た、束ねーちゃん、な、なんでここに?」


「ね?だから言ったじゃん、ますたーはドジだなぁ」


ウッそ…だろ…一番わかってくれそうだが、一番厄介な相手に見られた。


「え~と、ですね…え~その、なんと言いましょうか」


「いっくん、質問に答えて、どうしてその女の子から、いっくんの守護霊と同じ気配がするのかなぁ?」


クソッ、霊感もってるから誤魔化しきれないか…


「ほら、早くしなよますたー、遅いと嫌われるよ?早いのもアレだけど」


「やかましい‼こんな時に下ネタをぶっこむな‼」


ホント、こんな時にナニ言ってんだこの猫は!


「遅い?早い?確かにいっくんて足遅そうだもんね」


……うわぁ、純粋だなぁこの子…


「おぉう…ピュアっピュアな言葉が俺の汚さを浮き立たせるなぁ」


「ますたーのスケベ」


「話を振ったお前が言うな‼」


「でもソレの意味を理解できる四歳児って…プフッ」


こんのネコぉ…


「うるさい‼こちとら正真正銘 体は子供、頭脳は大人の20歳ソウルだぞ!」


「何を言ってるの?いっくんは正真正銘四歳の子供でしょ?それとも『生まれ変わった』とでも言うのかな?」


あははは~……墓穴ほった…どうしよう。


「ひゅ、ひゅー、ひゅー」フイッ


「そうだよ、ますたーには前世の記憶が有るよ」


「………」


「………」


「………」


「ちぇぇぇぇぇん!お前は!いったい!なんて事を!暴露してるんだァァァァァァ!」


言ったァァァァァァー! 僕が必死に隠そうとしていた真実を!包み隠さず言ったァァァァァァー!


「ふぅ~ん、その子"ちぇん"って言うんだ、で、"ちぇん"ちゃんの事も含めて、その前世の記憶って言うのを聞かせてもらおうか、いっくん。
いや、一夏おにぃちゃんの方が良いかなぁ?」


なんか、ものっそいイイ笑顔でこっちを見ている。


『目が笑ってない笑顔』って初めて見たぜ。







「さて、何処から話そうか…まず、俺は魔法が存在する世界から来た」


『ますたーの嘘つき』


『こっちの方が都合が良いんだよ』


「それってRPGみたいな世界?」

「あ~、いや、そうじゃなくて、何て言うか、『魔法という名の科学』って感じだね」


「?魔法の反対が科学でしょ?」


「え~と、俺達が居た世界はたぶん、この世界と分岐した世界だ。
分岐点は西暦2000年のある日。
俺達の世界ではその日、アメリカで核テロが起ころうとしたんだ。
だがたった一人の警官が超能力でそれを未然に防いだ。
そこから俺達の世界では魔法の研究がすすめられたんだ。
つまり俺達の魔法は普遍化された超能力なんだ」


「2000年が分岐なら、君はその世界の西暦何年から来たの?」


「2096年。第三次世界大戦から四半世紀以上たち、魔法の発見から百年近くがたった時代から来たんだ」


「え!?そんなに未来から来たの?未来ってどんな感じ?未来都市みたいなの?それともファンタジーな街?人類って宇宙に進出した?」


「いや、今とあんまり変わらないよ。
家電が多少進歩したくらい。
理由は何処の国家も魔法の研究に力を割いてたから。
あといくら研究が進んでいても、俺達の時代では魔法が使えるのは1000人に1人くらいだったよ」


「何故だい?魔法なんて言う凄い力が有れば宇宙なんて直ぐそこでしょ?」


「………束ねーちゃん、いや、束さん、俺もそう思うよ。
他にも同じ事を考えてる人はたくさんいたと思う」


「じゃぁなんで?」


「俺達の世界の魔法は、物理法則には逆らえない、万能じゃないんだ。
無から有は作れず、一を二にする事はできない。
そして何よりも、どの国家も魔法を兵器として考え、研究していたんだ」


そう、例えば。


「ある魔法は人間の体内の液体を気化し紅き花を咲かせる。
ある魔法は気体を強制的にプラズマ化し灼熱を作る。
ある魔法は全ての物質から熱を奪い絶対零度を作りだす。
ある魔法は重金属プラズマを爆心地から放射し幾千の敵兵を殺す。
ある魔法は海面を数キロにわたって陥没させ、敵艦隊を海中に引きずり込む。
ある魔法はアステロイドベルトの隕石を引き寄せ地上を破壊する。
ある魔法は有りとあらゆる物質を変換率100%でエネルギーに変換しその熱で全てを焼き、その爆風で全てを凪ぎ払う。
また、ある魔法はこの世の全てを塵に帰す。
確かに『暖気フィールド』『防音障壁』みたいな普段の生活でも使える物はある。
でもインデックス…魔法大全に乗っている魔法の半分以上は人を害する為の物なんだ」


「じゃぁ、第三次世界大戦って…」


「うん、束さんが思ってる通りだよ。
まぁ、さっき言ったような、高等魔法や、戦略級魔法っていう類いの魔法は普通の魔法師じゃぁ使えないから、そこまでの蹂躙は起こらなかったらしい。
でもさっき言ったような魔法を使える魔法師が一人でも居れば戦況は一変する」


「たった一人で…そんな、何万人も殺せるなんて、そんなの……」


「そんなの、人じゃないって?俺だって人に使った事はないけど使えるんだけどなぁ」


「え、いや、その」

束ねーちゃんがたじろいだ。


「落ち着いて、責めはしないよ。
確かにたった一人で、たった一回の魔法でそんなにたくさん、人を殺せるのは異常と言ってもいい。
でもね、彼らも、世界に十三人しか居ない、十三使徒と言われた彼らや、その他にも大規模領域魔法を使えた彼らも、そして俺も人間なんだよ」


「そ、そうだね、ごめんなさい」


「別にいいさ、俺達の世界でも、魔法を使えない人は、いや、魔法が使えても、一般の魔法師達はそう思って居ただろうからね」


「…………………」


「…………………」


「しんみりしちゃったね、次は橙の説明にしよう」


「うん、それを聞きたかったんだよ」


「ますたー、話長い。眠くなる」


「お前の説明なんだら起きとけ」


「あい」


「まず、橙は守護霊じゃなくて使い魔、もしくは式神と呼ばれる物だ」


「使い魔?式神?守護霊じゃないなら憑かれてるんじゃないの?」


「え~、長くなるからはしょって説明すると、魔法はいろんな分け方があるんだ。
今回は『古式魔法』『現代魔法』の二つに分けるよ」


「現代?古式?どんな分け方なの?」


「さっき言った警官が超能力で核テロを防いだ事件のあと、つまり魔法と言うものが認知されたあとに現代科学に従って開発されたのが現代魔法。
古式魔法っていうのはその事件以前からある魔法で、俗に『まじない』『のろい』『忍術』『祓魔術』と呼ばれる物の事さ。
現代魔法は基本的に事象に干渉する事に長けている。
一方で古式魔法は精神や霊的存在に干渉する事に長けている。
それぞれ例外はあるけどね。
橙みたいなのは古式魔法だね」


「その古式魔法で式神にしたの?どうやって?」


「家に居たら動物霊がなついたから鈴を着けたのさ」


「鈴?」


「忠誠術式。対象の精神に干渉して逆らえなくする魔法だよ」


「え?………………それは……」


「引かないでよ、橙には『術者に危害を加えない』ってやつしか掛けてないよ。
なー橙」


「ますたーは私を逆らえなくして夜な夜なあんなことやそんなことを…」


「え…………うわぁ………」


「待てやコラ、こんなガキの体でどないせいっつーの。
性欲の『せ』の字もねぇよ。
つーか、俺が元の体でもてめぇみたいなガキに欲情するかバァーカ」


「チッ」


「橙?橙さん?今舌打ちしなかった!?
なに?術者の人望下げるのは危害じゃないの!?」


「ますたーがヒキニートゲーマーみたいなこと言ってる」


「『 』の兄の方ってか?そいつぁ光栄だなぁ」


「ますたーは魔法を使える、つまり出し抜かれる方」


「黙れ、俺がその気になれば一人で透視、透かしやり放題だ」


「負けフラグ乙」


「てめぇ……」



プッと、吹き出すような笑い声が聞こえた。



「あははははは!君達、本当に仲が良いんだね」


「そりゃぁ」


「ますたーとはもう四年になるし」


「そう…一方的じゃなくて君は彼を慕っているんだね」


「そうだよ」


「あ、そうだ、俺の事は今まで通り、『いっくん』でいいよ、俺は『束さん』って呼ぶから。
さっきから俺の名前を呼ばないのって、なんて呼べばいいのか解らなかったからでしょ?
確かに、俺は中身は二十歳でも体は只の四歳児なんだ、対等に行こうよ、ね?『束さん』」


「うん、そうだね、わかったよ、『いっくん』」


「じゃぁ、そろそろ着替えないといけないから行くよ。
今日、話した内容は誰にも言わないでね」


「ちーちゃんにも?」


「うん、まだ早いかな」


「わかったよ。その代わり、また今度一緒に話そうよ」


「わかった、じゃ、行くから」


「バイバイ、いっくん、ちぇーちゃん」


「じゃぁね、束さん」


「束、バイバイ」


なんとか、協力者を作れたな。






物語が、動き出す。
 
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