| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十四話 養父と養子


取りあえず、のってきたので投稿。
今晩は仕事で夜勤なので、投稿無いかもしれません。

********************************************
第七十四話 養父と養子

帝国暦480年6月1日

■オーディン 軍病院特別病棟   テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 本日、父様と病院へケーフェンヒラー爺様に会いに来ています。
爺様の調べている、ジークマイスターとミヒャールゼンのスパイ組織は既に40年以上前ですからね、
既に死んでいる組織なはずです。

最早歴史の世界ですね。
しかしそのスパイ組織細胞の浸透方法は現在でも使っている可能性が有りますから、
役に立つ研究だと思いますよ。

さらに今日は、フレーゲル問題を少々相談したいんですよね。
士官学校行かなきゃ成らないんだけど、フレーゲルが居るから行きたくねーーーーーー!!

さらに、自殺未遂後に誰も家族が、お見舞いにすら来ない。
気の毒な、プレスブルク大尉の事もお見舞い&爺様にお願いをしに来たんですよね。
こっちは楽しみなんですけどね。

爺様生きてるか!とは言えないですよね、言いたいですけどね。
「ケーフェンヒラー具合はどうじゃ?」
まずは父様が聞くのが当たり前。

「はっお陰様で良い状態でございます」
ニヤニヤですね、2人ともにスッカリ悪戯仲間みたいですね。
「ケーフェンヒラー元気そうで何よりですね」

「ハハ、この様に生きております」
「所で研究はどうですか?」
「中々尻尾が出ませんな」

「じゃろうな、40年も前の事じゃし、知って居っても名誉で隠すじゃろう」
「陛下と殿下がお許し頂いた、資料自由閲覧でかなり推測できてきましたが」
「今更墓場から故人の名誉に泥を塗る訳にも行かないと言うわけですね」

「まあそうじゃな」
「フェザーンかイゼルローンにジークマイスターとミヒャールゼンの間を、
渡す何者かが居たわけですね」
「その通りです、その人物が何者なのかが特定できません」

「最早故人であろうが、その後を継ぐ者が居るかもしれんな」
「現在の者は諜報部などが探していますよね」
「そうじゃな」

「まあ、臣の研究は歴史のようなモノですから」
「そうですよね」
「まあそうじゃな」

3人で顔を見合わせて笑います。無論人払いしているので3人以外誰もいませんよ。
「所で陛下、この話だけをしに来たのではないのでしょう」
ニヤリとしますね、流石です。
「うむ卿に頼みたいことがあってな」

「臣に頼みとは陛下ご命令頂ければ宜しいのですが」
「実はな、卿の家の事じゃ」
「臣の家でございますか」

「卿の家は、跡継ぎが居らん、このままではケーフェンヒラー男爵家が断絶してしまうじゃろう」
はって感じですね、元々奥さんに逃げられたのが原因なんだから、
家なんか潰しても良いと思ってるんですよね。

「陛下。臣は家名など惜しくはありません」
「いやな、卿に良い養子を紹介したくてな」
「養子でございますか」

ふむ要らないって言ってるですな。
ここいらでネタばらし!

「ケーフェンヒラー、実はプレスブルク大尉って知ってますよね」
「あの、若者ですかな?」
知ってるけど、はぐらかしして。

「あの若者がどう言う意味か知らないですが、エコニアで一緒だった中尉です」
「あのプレスブルクがどうしたのですかな?」

「家族に死ねと言われて自決未遂を起こして今入院しているんです。
けど誰も家族がお見舞いにも来ないんですよ、
生みの親にも実家の恥さらしだとなじられているんですよ」

「あの若造がな」
シンミリしてますね。
「其れでじゃ、あの者を儂の近習にしようと思ってな、
しかし、あの者がこのままでは気の毒でな」

「それに彼は真面目すぎて、直ぐ人に騙されそうですから、
ケーフェンヒラーに仕込んでも貰おうと、お父様と話し合ったんですよ」
「なるほど、確かにあの若造は騙されやすいですかな」

エコニア事件が起こらなかったけど、
きっと原作以外にも騙されていたんだろな。

「それでじゃ、此は卿が嫌ならば断って構わんのじゃ」
「出来たら、養子にして教育してあげて欲しいのです」
「なるほど、しかしあの若者は納得しているのですか?」

「全然未だ言ってないんですよ」
「そうじゃ此から言いに行く所じゃ」
「それに、資料集めとかにも人出はいるでしょう」

「フフ、陛下、殿下負けましたわ、判りました、あの若造を教育してやりましょうぞ」
「頼むぞケーフェンヒラー」
「こき使って下さい」

3人で笑い始めますよ。
おっともう一つ大事な事を相談しないと。

「ケーフェンヒラー、少々相談が有るんだけど」
「なんでございますかな?」
「いやね、ブラウンシュヴァイク公の甥フレーゲル男爵が、
ストーカみたいにしつこいんですよ。
士官学校在校中なんですが、
前から士官学校視察時はエスコートさせてくれって言ってくるんです」
 
「視察に行かないと言う事は出来ないわけですな」
「その通りよ、取りあえず義理の兄の縁者だしね」
「そうなりますと、我慢するしかないですな」

「そうだよね、凄く憂鬱なのですよ」
「うむ。オットーへ伝えるか?」
「いえ、今ブラウンシュヴァイク公を敵に回すわけには行きませんからね」

「となりますと、やはり殿下が一時我慢するしかありませんな」
「ですね、仕方がありませんね」
「ケーフェンヒラー、ありがとう」

「御意」
早速プレスブルク大尉の元へ行かなきゃね。

「プレスブルグ、元気かの」
慌ててますね、そりゃそうですよね。
陛下がお見舞いですから。

「皇帝陛下、皇女殿下に、おかれましてはご機嫌麗しく」
ベットから慌てて下へ降りようとしてますね。
「よいよい、そのままで居るのじゃ」

パニクってます。
「御意」

「プレスブルグ、卿に今日は良い話を持って参った」
「はっ」
「プレスブルグの姓を捨てる気はあるか?」

考えているのか、頭が真っ白なのか?
・・・・・・・・・

「陛下それは、如何なことでしょうか?」
「うむ、卿は家族に捨てられた訳じゃな」
辛そうですね。
「御意」

「そこで、儂が卿に新たな家名に連なるようにしようとおもうてな」
「陛下・・・」
泣き始めたよ。

「プレスブルグ、卿に紹介するのは、卿もよく知っている人物じゃ」
「プレスブルグや、此から会いに行くぞよ」
「御意」

看護婦が車椅子でプレスブルグ大尉を運んでくれます。
特別病室へ入室して、顔を見たプレスブルグ大尉の顔と言ったら、
唖然としていますよ、爺様はニヤリとしてます。

「陛下、殿下お早いお着きですな」
「ケーフェンヒラーよ、そちの子を連れて参ったぞ」
プレスブルグ大尉は、唖然としまくってます。

「プレスブルグよ、卿の新たな父じゃ挨拶せい」
「・・・・・・・・」
「どうした若いの」

「陛下、此は何かの冗談でございましょうか?」
「プレスブルグよ、予が冗談を言うと思うか?」
「滅相もございません」

慌てまくりです。
「実はの、ケーフェンヒラーは係累がおらんのじゃ。
昔さる伯爵家から殺されかけてな。
それで伯爵に負けるかと生き続けたのじゃ。
しかし伯爵はもう故人じゃ、此方へ帰国したが家族が居らんのが気になっての。
卿が家族から疎外されて居るのであればと思い、儂が頼んだのじゃ」

話を聞いて爺様の事をマジマジと見て考えてるようですね。
「プレスブルグ、嫌であれば断っても構わんぞ」
「皇帝陛下のご英断、断ることなどございません」

「そうか、そうか、ケーフェンヒラー頼むぞ」
「陛下、お任せ下さい、確り育てますぞ」
「うむ。プレスブルグ、いや今よりケーフェンヒラーと名乗るよいぞ、
ヴェルナー・フォン・ケーフェンヒラー良い名じゃな」
初めて知ったよ彼の名前。
「御意」

「ハハハ、陛下此で儂にも息子が出来たわけですな」
「そうじゃ、息子じゃ、大事にいたせよ」
「無論でございます」

「ケーフェンヒラー大尉、卿は爺の子じゃ確りと孝行するのじゃ」
「御意」
緊張してますね、爺様と父様は笑いそうです。

「さて若いの今日から儂の子じゃ、確り鍛えてやるぞ」
ニヤニヤしてます。
父様の前では、緊張して居るな。

「はっ少将閣下よろしくお願いいたします」
「これ、父であろう、父と呼んでやれ」
「御意、父上よろしくお願いいたします」

「よいよい。此で卿等は親子じゃ」
「よかったわね、2人とも、おめでとう」
「「陛下、殿下ありがとうございました」」

「良いか、まずはけがを治すのじゃ」
「「御意」」
「頑張って下さいね」
「「御意」」

こうしてお節介を終えました。
此で大尉も少しは用心深さが付けばいいですけどね。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧