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楽園の御業を使う者

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CAST11

ドナドナドーナー…
葉山さんに連れられ真夜さんの所に連行される…
頭の中でドナドナが鳴ってる…
ピタリ…
あぁ…着いてしまった…
逃げたい…非常に逃げたい…
でも…追ってくるよな…
逃げなかったら流星群か…
流星群をどうにかするには…
闇を操る程度の能力で空間を光が通らない状態にするor魔法を使う程度の能力(霧雨魔理沙)で光に干渉…それでも真夜さんに勝てるかどうか…
葉山さんがドアを開ける。
中は応接室で、ソファーには真夜さんと四葉深夜が座っていた。
マジか…
「さぁ、お座りになって」
真夜さんが笑顔を浮かべ、俺に座れと言った。
「失礼します…」
俺が座ると葉山さんは真夜さんの後ろに付いた。
四葉深夜の後ろには桜井穂波が立っている。
「えーっと…」
「白夜君」
「は、はい」
「姉さんの事、感謝しているわ」
「そ、そうですか」
なんて言うと思ったかしら? なんて言わないよね?言わないよね?
「あら?私には荒い口調だったのに真夜には敬語なのね?」
をいぃ!助けてやったのにそれかよぉ!?
「あら?そうなの?」
「ええ、『とりあえず口開けろ』だったかしら?」
「そう…」
うっわぁ…桜井穂波がすげぇ睨んで来るよ…
「さて…前置きはここら辺にして…白夜君、貴方何者?」
直球来た…
「と、いいますと?」
「蓬莱人の血…貴方は自分の血をそう呼んだそうね?」
「え、えぇ…まぁ…」
「そしてその血を飲んだ姉さんは回復した…
ねぇ…貴方の正体は何?」
正体か…エリカ以外には俺が転生者だと話していない…
「黙秘権を行使します」
「ふぅん…答えないつもり?」
「はい」
真夜さんがじっと俺の目を見つめる…
「四葉の…姉さんの力を使えば無理矢理聞き出す事もできるわ」
そう来たか…なら…
「そうですか、ですが俺は貴女がそんな事しないと信じていますよ」
「どうしてかしら?」
すぅ…と息を吸い…
「俺は四葉家の人達が恩を仇で返すような人間ではないと信じているからですよ」
すると真夜さんはキョトンとした顔した後盛大に笑った。
ちくしょう、爆笑してる姿まで絵になってやがる…
「ふふっ…そう…」
「真夜、一本取られたわね」
「そうね…白夜君、貴方…気に入ったわ」
うぇ!?
「貴方…望みは有るかしら?叶えられる範囲なら、叶えてあげるわ」
ふぁ!?
「いきなりどういう風の吹き回しですか?」
「姉さんを救ってくれた恩と私に勝った報酬よ」
本当いきなりだな…
「そうですね……なら……」
俺の…いや、ダメだ、アレは子供同士だから話せたのだ…
「もしも、何かあったら俺の味方してください」
「それだけでいいの?」
「はい」
「わかったわ…四葉は貴方に何か有れば、最大限の支援をします」
「有り難うございます」
あぁ…そう言えば…
「一ついいですか?」
「なにかしら?」
「俺って何時までここにいるんですか?」
「そうねぇ…貴方にも学校があるでしょうし…
明日の昼過ぎまで居てもらってもいいかしら?」
「はい、わかりました」
「話は以上よ、せっかく達也さん達と友好を深めてたのに…
申し訳ないわ」
「いえ、ちょうど終わった所でしたので」
「葉山さん、彼を達也さんの所へ送って差し上げて」
「かしこまりました…白夜様、こちらに」
「あ、はい」
席を立ち、応接室から出る。
「はぁぁぁ…」
大きくため息を付く。
「白夜様、見事でした」
「?」
「真夜様のあそこまで嬉しそうなお顔は初めて見ました」
そうなんだ…
「そ、そうですか」
「貴方が害されれば、四葉は総力をもって報復するでしょう」
「え!?」
そんな大事か!?
「四葉は貴方に大きな借りがあります。
当然の義務でしょう」
そ、そうなんだ…
葉山さんと話ながら、さっき来た道を戻る。
武道場に到着した。
「では、私はここで失礼します」
「ありがとうございました」
「では…」
葉山さんは何処かへ歩いて行った。
武道場の扉を開ける。
「白夜!大丈夫だった!?」
と真っ先に文弥が反応した。
「ああ、大丈夫だ」
その言葉に達也も含め、全員が安堵した。
「話はついたのか?」
「お前、視てなかったのかよ?」
「そんな事できる筈無いだろ…」
ふぅん
「お前の母さん関して咎められる事はなかったぞ」
「そうか」
「お母様に何かあったのですか!?」
え?
「おい相棒、話してないのかよ?」
「今から話す所だったが」
「嘘だな、お前には俺が帰って来るのが見えてた筈だ」
お前の視力ならそれくらい余裕だろう?
「はぁ…たまには自分で説明しろ」
チッ…
「わぁーったよ…ったく…
深雪さん、アンタの母さんに関して心配は無い」
「どういう事ですか?」
「アンタの母さん…四葉深夜は俺が治療した」
「え?」
「だから、今日の朝方、四葉深夜を治療した。
さっき呼ばれたのはその件だ」
「本当に、お母様は治ったのですか?」
「ああ、応接室に行ってみるといい…達也」
「はぁ…行くのか?深雪?」
「はい!御兄様!」
深雪さんと達也は武道場から出ていった。
「「「…………」」」
沈黙が流れる。
「なぁ、どうする?」
「白夜」
「なんだよ?」
「どうやって深夜様を治療したの?」
「秘密だ」
「真夜様にも聞かれなかったの?」
「やり過ごした」
「「え?」」
「そしたら何故か気に入られた」
「「え?」」
「気にしてはいけない…イイネ?」
「「アッハイ」」
はぁ…本当、大事になっちゃったなぁ…
 
 

 
後書き
昨日は別のSS…私がハーメルンでメインとしていたSSの訂正等を行っていました。
昨日投稿出来なかった事を御詫びします。 
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