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星河の覇皇

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第六十六部第一章 新兵器その三十

「そちらの、民間技術全体が発達し遅れているがな」
「エウロパは、ですね」
「そこが遅れた」
「しかしそこをですね」
「惑星の開発、開拓技術を発展させれば」
「今の一千億から」
「さらにですね」
「そうだ、本土の人口も増やせる」
 移住が進められ人口抑制政策を撤廃出来るからだ。エウロパでは夫婦間の避妊が二人目が出来て以降に関して推奨されているのだ。
「そして新天地ともだ」
「将来ですね」
「新天地が拡大しても」
「それでも本土も発展し」
「独立される危険もなくなる」
「そうなりますね」
「後は一方的な利益を得る様な関係にしないことだ」
 かつての植民地統治の様にだ、本土が利益を吸い上げるだけの関係もというのだ。
「これをすればな」
「一方はいいですが、利益を得る方は」
「しかしですね」
「吸い取られる方はたまったものではない」
「不満を蓄積させますね」
「必然的に」
「だからだ、この関係もよくない」
 新天地の離反を促すというのだ。
「相互補完の関係がいいのだ」
「共存共栄」
「そうした関係ですか」
「そうした関係がいい」
「そうだというのですね」
「その通りだ。だからだ」
 クリシュナータは言うのだった。
「エウロパは新天地を手に入れても舵取りが肝要だ」
「そこを誤ると、ですね」
「あの国は新天地の離反を招きますね」
「折角手に入れたとしても」
「そうなってしましますね」
「その場合元の木阿弥だ」
 文字通りだ、そうなってしまうというのだ。
「だからだ、それでハッピーエンドではない」
「本土の発展、新天地との良好な関係」
「そうしたことを意識せねばならない」
「そうなのですね」
「そして連絡の親密化だ」
 その本土と新天地のというのだ。
「例え何十万光年離れていてもな」
「連絡は常にですね」
「取らねばならない」
「そして新天地での現地民、現地軍もですね」
「彼等もコントロールに置くことですね」
「それも常に」
「軍は常にコントロール下に置く」
 クリシュナータはこのことも言った。
「絶対にな」
「さもないとですね」
「その暴走が、ですね」
「新天地が勝手に発展する」
「そうなってしまうので」
「連合は中央政府が星系への進出を決める」
 即ち開拓、開発をだ。
「新たな領土は各国家が決めない」
「各国は各国の領土内での開発、開拓しか出来ない」
「新領土の拡大は中央政府の権限であり」
「国境の決定もですね」
 連合のそれだ。
「全てその権限は中央政府が持っている」
 各国軍も危急時には中央政府軍が指揮権を持てる」
 このことも定められていた、中央軍設立までは。 
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