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エアツェルング・フォン・ザイン

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そのなな

「あなたこれからどうするの?」
「どう、とは?」
「これからの身の振り方よ」
一夜開けた今日、いきなりお先真っ暗なんだが…
「そうだな…取り敢えず人里にいくよ」
「どうしてかしら?」
「人里なら職も家もあるんじゃねーの?」
取り敢えずけーねに挨拶かな…
「あら?出ていくの?」
「当たり前だろ?アリスに迷惑かける訳には行かないんだよ」
「むぅ…」
えぇ…なんでぇ…
「玉藻をモフモフ出来ないじゃない」
あ、そう…
「わかったよ、じゃぁこの近くに家を…」
「ここに住めばいいじゃない」
「はいぃ?」
これなんてギャルゲー?
「その方が色々楽じゃない」
いや、まぁ、そうだけどさぁ…
「それって色々不味くない?」
「あら?あなたに妹が出来るだけよ」
端から見たら逆だがな…
「わーったよ…じゃぁちょっと人里まで連れてって」
「何か買うの?」
「いやいや、職探さないと」
ヒモになる気はねぇんだよ。
「私達は基本的に何も食べなくても死にはしないわよ?」
「え?」
嘘だろ?
「魔女は魔力で活動するしその魔力も空間から吸収出来るわ。
妖精は自然その物だからあらゆる物からエネルギーを吸収出来る。
使い魔は主人の魔力を食べて活動するのよ」
へー…
「でも昨日は食べてたじゃん」
「ああ、アレはあなたが来たからよ」
さいですか。
「でもやること無いからな」
「そう、わかったわ…でも人里に行く前に大事な事があるわ」
大事な事?
「なにそれ?」
「戦闘よ」
え?
「幻想郷は非友好的な妖怪も多いのだから戦えないとダメよ」
ふぅむ…戦闘ね…
「俺は十分戦えるが?」
「ゲームの話でしょ?その体とは言え実際に動けるかは別問題よ」
ん?ああ、そうか、幻想郷にVRゲームなんて無いのか…
てか今って何時よ?
「俺がやってたのはゲームの中に入る事が出来るヤツだよ。
それで精神年齢がヤバい事になってんの」
「ああ、アレはそういう事だったのね…でも…」
とアリスは俺の頭から爪先を見て…
「その身長じゃぁ…ねぇ…」
む、確かにこの体で動いた事は無かったな…
「まぁ、なんとかなるさ」
心意技なら体格は多少無視できる。
ていうか、余程の相手じゃない限り勝てそう…
「全くもう…」
「それに玉藻もいるしな」
「クゥン?」
玉藻の狐火はすごいからなー。
「そうね…玉藻程の大妖怪が居ればなんとかなるわね…」
俺も戦えるっての…
あ、所で…
「今っていつ?」
「朝の9時よ」
「そうじゃなくて…今何期?」
「117期よ」
「西暦は?」
「正暦2002年よ」
紅魔郷が118期2003年だから…
原作開始前か…
「まぁ…なんとかなるか…」
さてと…
「いつ頃出れる?」
「直ぐにでも出られるわ」
「じゃぁ行こう」
そして俺とアリスと玉藻は人里へ向かった。
数分後…
「だぁぁぁぁぁぁ!面倒くせぇ!」
俺はALOアバターのまま、ストレージから二丁拳銃スカーレット・シスターズを取りだし、ぶっぱなしていた。
ダァン!ダァン!
さっきから全弾当たっているしワンショット・キルだが妖怪の群はなかなか減らない。
「あら、なかなかやるじゃない」
上空からアリスの声が聞こえた。
「手伝えよ!」
「嫌よ、面白そうと言って妖怪のテリトリーに入ったのはあなたじゃない」
まぁそう言う事だ…ルート選択にそこはかとなく作為を感じたがまぁ仕方がない。
「玉藻!援護!」
「今無理です…ふにゅぅ…」
玉藻はアリスに抱かれて気持ち良さそうにしている。
そんなやり取りの合間にも妖怪が数体迫ってくる。
「だぁ!もう!失せろ!」
俺は面倒臭くなって最終手段を使った。
「ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレードォォォォ!」
まばゆい光と共に現れた漆黒の大剣が現れた。
それを腰だめに構え…
一気に振り抜いた。
ぞり…!
漆黒の刃に触れた妖怪はまるで空間ごと削られたように切断された。
星騎士の忠誠剣(ブレイザー・シャイニング・オア・ダークネス・ブレード)
俺が星騎士時代に編み出した心意技…
心意によって大剣を顕現させる技だ。
物質創造と絶対理論という心意の奥義とも言える物を二つも使っている。
まぁキリトのエリュシデータとダークリパルサー(星王の二刀)、アスナのランベントライト(星王妃の細剣)には負けるがな…
名前に関しては…ネタのつもり『だった』んだが…
「やっぱり…できるんだな…」
役目を終えた星騎士の忠誠剣は光となった。
「あら、なかなか出来るじゃないの」
アリスが下りてきた。
「まぁな…」
「じゃ、行くわよ」
と言ってアリスは飛び立った。
「おい、陸路じゃないのかよ」
「あなたの実力も見れたからいいわ」
ちくしょ、やっぱそうかよ。
「へーへー…アリス様の仰せのとーりに」
そんな風にふざけていたらやがて町が見えた。
「アレが人里か…かなりデカイな」
「当たり前じゃない、あそこには幻想郷のほぼ全ての人間があつまってるのよ」
成る程ね…妖怪が存在できるだけの人間は居るのか…
「入ったら取り敢えず人里の守護者の所にいくわよ」
慧音の事かな?
「わかった」
人里の少し手前で降り立つ。
「飛んで行かないのか?」
「人里では飛ばないのが暗黙の了解なのよ、急ぎの場合は別よ」
「ふーん」
そして俺達は人里の門をくぐった。
 
 

 
後書き
スカーレット・シスターズ ザインが前世のゲーム(GGO)で使っていた二丁拳銃。
ベースはデザートイーグルで、ダンジョンで見つけた特殊な金属「スカーレット・メタル」を使って作られている。
なお本体が白スライドが蒼のスカーレット・デビルと本体が緋スライドが金のGrip&Breakdownの二丁からなる。 
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