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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

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Turn:31 人形使いの覚悟

 
前書き
心の内がつかえたままのミライ
そんな彼女の前にアヤカが立ちはだかる
チャンピオンシップでも好成績を収める強敵を相手に奮闘するミライ
アヤカは何を思ってこの大会に臨むのか 

 
迷宮の奥を目指し進むミライ
彼女の胸の内にはケントに言われた言葉が残っていた
「私は………」
小さく呟いたミライの視界の端にファイトエリアの入り口が見えた
角を曲がってそこへ入ると既に先客がいた
「あなたは………」
赤い髪の少女………雀ヶ森アヤカがそこにいた

Turn:31 人形使いの覚悟

互いにデッキをシャッフルするミライとアヤカ
「こうしてファイトするのは初めてね」
「チャンピオンシップでは一度も当たりませんでしたからね」
ミライと同じ、アヤカもチャンピオンシップ出身のファイター
そんな彼女がなぜこの舞台に居るのか、ケントに言われたことも含めて気になっていた
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」

「クロノ・ドラン・G」
「ナイトメアドール なたりー」
二人のファーストヴァンガードが惑星クレイ、ダークゾーンの月光のステージで向き合う
「ライド!ナイトメアドール れすりー」
「ライド!クロノエトス・ジャッカル!ドラン・Gは移動、その前にもう一枚ジャッカルをコール、まずはヴァンガードのジャッカルでアタック」
【刻獣使い ルガル・ウレ】トリガーなし
ジャッカルが杖を振るいれすりーの巨体に傷をつけた
【ナイトメアドール りーざ】トリガーなし
「ドランのブースト、リアガードのジャッカルでアタック」
リアガードのジャッカルの追撃でれすりーはステージの壁に叩きつけられた
客席がれすりーの巨体に押しつぶされ崩壊していく
「ライド!ナイトメアドール じにー」
じにーが拳を振り上げジャッカルめがけて振るう
【ナイトメアドール きゃさりん】トリガーなし
巨大な拳がジャッカルを押し潰した
【スチームブレス・ドラゴン】トリガーなし
「ライド!クロノビート・バッファロー!コール」
じにーのこうげきによって発生した煙の中からバッファローが現れる
更にルガル・ウレがコールされるとヴァンガードめがけて攻撃するが
「ガード」
ナイトメアドール しどにーがルガル・ウレの蛇を掴んで攻撃を止めた
「バッファローでアタック」
バッファローが勢いよくじにーに向かっていく
【クロノクロウ・モンキー】トリガーなし
じにーの巨体にバッファローがぶつかるとその巨体がよろめいた
【ナイトメアドール みらべる】クリティカルトリガー
「ジャッカルでアタック」
「ガード!」
振り下ろされたジャッカルの杖をしどにーが片手でつかんで受け止める
「終わることなき永久の悪夢に凍えて眠れ、ナイトメアドール きゃさりんにライド!」
スカートを翻しながら現れた巨大な人形
アヤカの切り札であるきゃさりんの登場に身構えるミライ
「スキル発動、山札からありすをソウルに、更に手札からありすをコール」
アタックがヒットしたらソウルのユニットと交代するありすのスキル
そしてありすのアタックが失敗した時ソウルのありすと入れ替わる能力を与えるきゃさりん
「なたりーのスキル、カウンターブラスト」
「(このターンで決めきれないことは………解っているようね)」

「ミライのダメージはまだ一枚、無理に連続攻撃を仕掛けても、このターンで勝負を決めることは出来ない、だからソウルを補充して、後のターンに備えている」
関係者控室でモニター越しに見守るクロノ
本来ならありすときゃさりんのコンボでコストをすべて使ってでも攻めに行くべき
だがミライのダメージが少ない現状では一気に勝負をつけるのは不可能
だからソウルを補充して後のターンに備えようとしている

「きゃさりんでアタック」
きゃさりんが腕を伸ばしバッファローに迫る
【ナイトメアドール じにー】トリガーなし
【ナイトメアドール みらべる】クリティカルトリガー
きゃさりんの手を阻もうとするバッファロー
だが力負けしてしまい地面に叩きつけられる
そしてその手が再び振り下ろされた
【スチームスカラー ジジ】トリガーなし
【クロノジェット・ドラゴン】トリガーなし
「ありすでアタック」
「ガード」
クロノボレー・ラビットが立ちはだかりありすの攻撃は失敗
これ以上攻撃をしてもインターセプトがいる以上失敗する可能性が高い
「効果は使わずにターンエンド」
このターンはコストを温存することを選んだ
「駆け抜けろ!共に進む新たな世界!ライド!クロノジェット・ドラゴン・G!」
ライドしたミライの姿を見たアヤカは目を細めた
「変わらないんですね、あなたは………」
「どういうこと?」
盤面にある自身のカードに手を伸ばすアヤカ
「私は、今のままではいけないと思ったんです、去年のあの敗退………」
昨年のチャンピオンシップ、予選と準決勝でクレストロードに2回破れてアヤカたちのチームは敗北している
「進化を続ける人たちに追いつきたい、私はそのためにこの場所へ来ました」
アヤカのその言葉を聞いてミライは笑みをこぼした
「そう、あなたもなんだ………」
「えっ?」
「ストライドジェネレーション!超刻獣 スプリット・ペガサス!」
嘶きを上げ降臨するスプリット・ペガサス
「ストライドスキル、クロノエトス・ジャッカルをタイムリープ、ディレイドブレイザー・ドラゴン、更にクロノ・ドラン・Gのスキルでクロノクロウ・モンキーをスペリオルコール、モンキーとディレイドのスキルも発動、タイムリープ!クロノファング・タイガー・G」
さらにスプリット・ペガサスの効果でファンロンを表にしたミライはルガル・ウレを山札に戻して二枚のクロノエトス・ジャッカルをコールした
「さっきの言葉、どういう意味ですか?」
「私もね、自分の周りの変化に追いつけなくて、悩んでた、でも、仲間と一歩踏み出して、こうして変わることが出来た」
丁度その時ミライのファイカに通知が届き画面を開く
ミツキがカイトとのファイトに勝利したところだった
「変わらないように見えて、結構変わったのよ、私」
そう言ってミライはその画面をアヤカに見せた
「私にも………できるでしょうか」
「きっとできるわよ、だって、あなたはもう一歩を踏み出しているじゃない」
ミライのその言葉にアヤカはハッとなる
そしてこの大会の出場を決めた時の仲間たちのことを思い出した
二人は何も言わず彼女の背中を押してくれた
「さ、そろそろ行くわよ、クロノファング・Gでヴァンガードにアタック」
「負けませんよ!ガード」
ファング・Gの攻撃をハサミで受け止めるみらべる
「ファング・Gのスキル、ブーストしたクロノエトスをバインドして、ありすを山札の下に」
ファング・Gの肩の装甲が開くと時空の穴が開きありすが吸い込まれていく
「しまった、最初からこれを狙って」
ナイトメアドールデッキはその性質上リアガードに強く依存してしまう
だからこそミライはその弱点を突くためにクロノファング・Gのスキルを狙った
「スプリット・ペガサスでアタック」
「ノーガード」
スプリット・ペガサスの砲門から一斉に攻撃が放たれる
【クロノジェット・ドラゴン・G】トリガーなし
【刻獣使い ルガル・ウレ】トリガーなし
【ドキドキ・ワーカー】クリティカルトリガー
きゃさりんにスプリット・ペガサスの攻撃が襲い掛かる
身を庇っていたきゃさりんにスプリット・ペガサスが突進してきた
【ダークサイド・ミラーマスター】トリガーなし
【ナイトメアドール りーざ】トリガーなし
「モンキーでアタック!」
跳躍したクロノクロウが爪を振り上げ向かってくる
手札のダークサイド・ミラーマスターを見るアヤカ
だが残り3枚のうち2枚はきゃさりんとじにー、今このタイミングで切るわけにはいかないカード
「なら、ジェネレーションガード!鎖鋸の大奇術 ファーニバル!スキルでナイトメアドール くらりすをソウルに」
ミライの攻撃が凌がれアヤカにターンが移る
「ストライドジェネレーション!深淵のナイトメアドール えれあのーる!スキル発動、Gゾーンのえれあのーるを表に、手札からりーざをソウルに、山札の上から10枚確認し、グレード3のワーカロイドをソウルかハーツに置く」
アヤカの手札にはじにーがある、その狙いはもちろん
「あった!ありすをソウルに!えれあのーるでヴァンガードにアタック!」
じにーをコールすればこのターンありすを出すこともできた
だがそれでは先ほどと同じ手でやられてしまう
そう考えたアヤカはこのターン、あえてユニットを温存する手立てを取った
【ナイトメアドール どりー】ヒールトリガー
【ナイトメアドール うぇんでぃ】クリティカルトリガー
【ナイトメアドール しどにー】ドロートリガー
アヤカの執念が呼んだトリプルトリガー
えれあのーるの放った衝撃波がクロノジェット・ドラゴン・Gを飲み込む
【刻獣使い ルガル・ウレ】トリガーなし
【クロノボレー・ラビット】クリティカルトリガー

「今の攻撃で決まってもおかしくなかったな」
ミライが前もってアヤカのリアガードを削っていなければさらに強力な攻撃が襲い掛かっていたことだろう
そうなった場合はおそらく

ドローしたヒストリーメーカー・ドラゴンを見つめ盤面を見るミライ
「(このターンで決めなきゃ、おそらく私に勝ち目はない、今のアヤカに勝つには………)」意を決してカードを手に取るミライ
「ストライドジェネレーション!超刻龍 ミステリーフリーズ・ドラゴン!」
新たなGユニットで勝負に出るミライ
「ストライドスキル!ドキドキ・ワーカーをコール!ディレイドブレイザー・ドラゴンをタイムリープ、クロノジェット・ドラゴン!更に手札からもう1枚ドキドキ・ワーカーをコール」
「(彼女の狙いはドキドキ・ワーカーのスキル、こちらのジェネレーションガードを警戒してパワーを高めてきた、けど)」
アヤカの手札にはダークサイド・ミラーマスターがあった
たとえミライがパワーを上げようと完全ガードがある以上怖くはない、そう思っていたが
「ミステリーフリーズ・ドラゴンのスキル発動!山札をシャッフルし、上から4枚バインド!」
【ディレイドブレイザー・ドラゴン】グレード2
【ドキドキ・ワーカー】グレード0
【スチームメイデン・メスキア】グレード1
【クロノファング・タイガー・G】グレード3
「いったい何を………」
「このユニットのアタックで、相手は同じグレードのカードでガードできない!」
「しまっ!」
グレード1のメスキアが出たことで完全ガードは封じられている
更にグレード0も封じられジェネレーションガードではシールドが足りない
「さらに!グレード3のカードがあるので、ミステリーフリーズ・ドラゴンのドライブ+1!」
クワトラプルドライブ………これでトリガーゲットの可能性も上がる
まさしく一撃必殺のGユニット
ドキドキ・ワーカーがミステリーフリーズ・ドラゴンの体に吸い寄せられていき攻撃の構えに入る
「この一撃に!すべてをかける!」
ミステリーフリーズ・ドラゴンが放った光線がきゃさりんに襲い掛かる
「ファーストチェック!」
【ヒストリーメーカー・ドラゴン】トリガーなし
「セカンドチェック!」
【スチームテイマー アルカ】トリガーなし
「サードチェック!」
【ラッキーポッド・ドラコキッド】ドロートリガー
本来ならここまで、だがもう1枚残ってる、そこでクリティカルトリガーを引ければ
「っ!」
だがアクシデント、ドロートリガーで引いたミライのカードは刻獣 ラッシュ・ボア
ここでクリティカルを引いたことで次引く確率が低くなってしまった
「まだよ、私は信じる!ファイナルチェック」
【クロノボレー・ラビット】クリティカルトリガー
光線の勢いに負けきゃさりんの体が崩壊していく
【ナイトメアドール・マスター ブレンダ】
【ナイトメアドール きゃさりん】

「ありがとうございました」
握手で互いの健闘を称えるミライとアヤカ
「さっきの言葉、私にもわかりました」
「さっきの?」
「はい、ミライさん、変わっていないように見えたけど、変わりました」
そう言って笑うアヤカにミライも笑顔になる
「なんだか、熱血って感じが出てました」
「あれ?なんか褒められてる気がしない………」 
 

 
後書き
次回予告
「そういえばミライさんに聞きたいんですけど」
「何?何か気になることでもあるの」
「ほら、前のチームは全員女性で、しかも年上ばかりだったじゃねいですか」
「あー、そういう話ね」

turn:32 信じる心

「ミツキは昔から見知った関係だし、タツマは………ちょっと」
「よく知らないけど苦労してるんですね」 
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