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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第六十八話 戦艦を貰おう


遂に戦艦ゲット。
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第六十八話 戦艦を貰おう

帝国暦480年4月10日

■オーディン 皇帝直属工廠

 この日オーディンは新造戦艦の門出を祝うように快晴であった。
先年テレーゼのアイデアから起工された新型旗艦級戦艦が竣工したのである。
地下ドックでライトで照らされるその姿を見て、参列者達は驚きの声を上げた。

今までのヴィルヘルミナに代表される旗艦戦艦級と一線を画す艦形である。
ヴィルヘルミナは長方形の箱にエンジンブロックを取り付けたような形であったが、
新造艦はシャープで鋭い流線型の艦首を持ち船体後部が艦首に対して2倍ほどの幅を持ち、
その後部がワルキューレ格納庫と成っている。

今までの戦艦では、ワルキューレ格納庫は下部船体側面に有り。
発進時にワルキューレを火線に曝しやすかった。
その為重装備状態のワルキューレが誘爆し戦艦自体が失われることが多々あった。

テレーゼがOVAのアムリッツァ星域会戦などで惚けなく誘爆で失われる戦艦を見ていたことが、
改良のヒントとして設計図にも生かされていた。
原作であれば後方式格納庫は、カール・グフタス・ケンプ艦隊旗艦のヨーツンハイムから始まるモノだが、其れを先取りしたした形になっている。

本来の戦艦であればエンジンが艦体後部に有り。
左右にエンジンブロックをポット式に懸架しているが、
新造艦は艦体後部を格納庫としている為、
主機関を主艦体よりポット式に左右に懸架するようにしている。

OVAで言えば、ベイオウルフやトリスタンの艦体を原型に設計されている。
ただし機関を大型化して上下二段式に装備しエンジンブロック自体を大型化し前後上下に延長を行い。
格納庫自体を完全に側面からは隠すようにしている。

艦首はリューベックの艦首の傾斜装甲を取り入れ。
艦首下部にはトリスタンのような顎状突起の中に中性子ビーム砲が収められている他、
レールキャノンや荷電粒子ビーム砲やレーザー砲などが備えられている。
これらの兵装は全て隠見式に成っている。

艦体構造自体は標準戦艦の延長線上であるが重装備と重装甲が施されている。
またセンサー類も高性能のモノが艦体下部に集約して装備されている。
防御スクリーン展開システムも高出力のものが備えられている。

巡航速度、加速力、航続力も高速戦艦以上であり、機動性も巡航艦を越えている。
ただし通常であれば486年前後に建造される戦艦の技術のため、
7年ものフライングで未だ未成熟な技術も多くメンテナンスが通常型戦艦の3倍以上かかる為、
運用が限られてしまう。

またブリュンヒルトの対ビームコーティングが技術的には完成してない為装備していない。
費用も通常戦艦の4倍程度掛かっている。
塗装も従来型の灰色からテレーゼの頼みから濃い蒼色に成っている。

■オーディン 皇帝直属工廠    テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム

 いやはや、完成しましたよ我が旗艦が遂に目の前に現れています。
転生して以来早9年自分の旗艦を持つこととに成ろうととは思いもよりませんでしたよ。
もっとも、自分で艦艇指揮する訳じゃないんですけどね。

あくまで御召艦兼ローエングラム領警備艦隊総旗艦ですから。
メルカッツ提督の旗艦はOVAのネルトリンゲンでして、
映画版のように改装されてないんですよね。

何れ本艦の改良型を下賜する予定ですけどね。
ワルキューレに変わり雷撃艇格納庫を装備させて建造予定ですよ。

いやしかしでっかい。
ワクワクしますね。
ラインハルトがブリュンヒルト貰って喜んだのが判る気がしますよ。

何と言っても、
ベイオウルフやトリスタンにリューベックの艦首足したものですから鋭い艦首は美しいです。
しかも機動性抜群だけど金が掛かるというジレンマも有るけど、
大半が軍事宇宙港で停泊ですから、【そんなの関係ねい!】といえるかも知れませんが、
私としては、ローエングラム領警備艦隊旗艦としてジャンジャン、
メルカッツ提督に使って貰うつもりですよ。

その為に艦橋は三段式の指揮所にして貰ってますから、
上の段が御召艦時の私のシート。
中の段が通常使用時の提督シートにしてあります。
下の段が運行要員というのは他艦と同じ。

色はZガンダムのアレキサンドリア級のティターンズカラーを少々薄くした感じですね。
漆黒の宇宙空間ではこの色が目立たないはずですから、
ブリュンヒルトみたいに真っ白なんて嫌ですよ。

集中砲火の的じゃないですかあんな色。
ビームコートの色が有るとは言え。
私なら上から目立たない色を塗りますけどね。

この艦自体本来ならば前線指揮しないから、
白でも良いですが腹黒皇女としては白はラインハルト色なんですよね。
かといって黒はビッテンフェルトの色ですから取ったら可哀想ですよ。

その結果蒼色に決まりました。
最初は艦名ラプンツェルに由来する緑も考えたんですが。
同盟カラーと被るので没になりました。

ラプンツェルって言えばグリム童話ですが、
ノヂシャ、チシャ、所謂レタスっていう意味なんですよ。
ラインハルトの嫌いな野菜の名前を付けましたよ。

何れブリュンヒルトクラスの艦が出来たら、
その艦名はアマテラスかクリエムヒルトにしますけどね。
或いは、ヴェルザンディですかね。

今日は父様、御臨席と言う事で、工廠の幹部連中や工員達が緊張の趣で整列してますね。
帝国軍三長官も来てます。
そして艦を預かる事もある。メルカッツ提督も来てます、無論艦長も来てますよ。
そろそろセレモニーです。

「皇帝陛下の御臨席、違え希なる栄華とし子々孫々まで肝に銘じまする」
工廠長。緊張気味で変な感じになってますね。
「皇女殿下。命名式及び進宙のシャンペン割をお願いいたします」

さあ出番です。
思いっきりおめかししてきてますよ、母様の趣味丸出しですが。
艦首に向かっている紅白のリボンにシャンペンが括り付けられています。

まず壇上で命名式です。
艦名を書いた表彰状のような丸く丸まった紙が乗ったお盆を、
侍従が父様から受け取り、静々と進んできます。

其れを父様の侍従武官ケッセリング中将が私に渡してくれます。
「皇女殿下此方をお持ちになって下さい、合図と共に開いてお読み下さい」
「判りましたわ。ケッセリング」

軍楽隊が、OVAで聞き慣れた帝国軍軍歌を生演奏し始めます。
やっぱり良いですね、ジーンと来ますよ。
合図が来ました。

「殿下お願い致します」
縦に丸まった紙を真っ直ぐに持って命名です。
しかし、この紙持ちにくいですね。

「本艦をラプンツェルと命名する、
銀河帝国第三皇女テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム」

其れと共に全員から拍手が起こりました。
その拍手の中ケッセリングからシャンペンを渡されました。
「皇女殿下此方をお持ちになって下さい、合図と共に手をお離し下さい」

シャンペンを受け取り一呼吸後。
「殿下お願い致します」
手を離すとシャンペンが活きよい良く艦首へと進んでいきます。
そしてパシャンと割れ鮮やかな泡が舞いました。

壇上から降りて、父様の所へ行きお礼を述べます。
「お父様。この度は私の為に戦艦下賜、誠にありがとうございます」
父様もにこやかに返してくれます。
「うむテレーゼ気に入るとよいの」
「はい」

帝国軍三長官のうち、エーレンベルグ元帥はよく知っているのでにこやかに見ていてくれます。
シュタインホフ元帥は相変わらずのぼけーっとした感じです。
ベヒトルスハイム元帥は鋭く艦を見てます、やはり気になるようですね。

セレモニーとして。艦長、副長、運用長が父様と私の前に進み出ました。
実は艦長人事は超悩みました。
艦長で有名どころは、ザイドリッツなのですが。
彼はまだ士官学校生ですからね。

他に艦長ってシュタインメッツとかしか考え付かなかったんですよね。
あとはロイの弄んだ女の親とかしか考えつかなかったんですが、
原作の10年前ならワーレンの旗艦サラマンドルの艦長ドゥンケル大佐が居るはずだと、

軍務省士官データーバンクから探したら、
少佐で軽巡航艦の艦長してましたから早速頼んでスカウトしました。
何故って聞かれたら困りましたが、
戦歴や経歴が良いからと誤魔化すつもりでしたけど意外にあっさり決まりました。

裏では色々調べたみたいですけどね、安全だと太鼓判を押されたわけですね。
取りあえずは中佐に昇進させて辞令を出して貰いました。

それで副長は、何とフォルカー・フォン・ビューローを引っ張ることに成功しました。
イゼルローン要塞駐留艦隊配属で大尉でしたが少佐にして副長にして貰いました。

その為運用長はビューロー繋がりで、ハンス・エドアルド・ベルゲングリューンを引っ張りましたよ。
同じく。イゼルローン要塞駐留艦隊配属で大尉でしたが少佐にして運用長にして貰いました。

当初の予定ではエヴァちゃんのお父さんのアルフレート・ミュールマイスター少佐を副長か運用長に充てるつもりでしたが、
戦闘で負傷して捕虜収容所で悪化した腕が完治して無くて、
今回は間に合わないんですよね。

だからウォルフを殴らないでキックで決めたのかと納得した次第です。
ワーレンみたいに義手にすれば良いんですが。
切る必要のない腕を切るのも酷なので完治させる事にしたのですよ。

緊張の趣で艦長達が挨拶をします。
普通なら艦長と皇帝が会うなんて有りませんし、
片膝付いて顔を下にして顔合わせませんし、
ましてや挨拶なんかしませんからね。

「皇帝陛下、皇女殿下におかれまして、小官を艦長に任命して頂き恐れ多いことと存じます、
全身全霊をもって身命を懸け、皇帝陛下、皇女殿下の御為にお仕えする事を此処に誓います」

父様が「うむドゥンケル、ビューロー、ベルゲングリューン頼んだぞ」
3人とも感動に体を震わせながら「「「御意」」」と言いました。

私は「ドゥンケル中佐、ビューロー少佐、ベルゲングリューン少佐お願いしますね」言いましたよ、
無論愛らしくですけどね。

メルカッツ提督も呼ばれて、父様から「メルカッツ頼んだぞ」と言われて。
「御意」っていうけど皆同じですね。

私はメルカッツ提督に「メルカッツ提督お願いしますね」
「御意」だもんね、もう少し砕けて欲しいと思うのは酷でしょうか?

一時間ほどで式典も終わり帰宅となりました。
貰ったけど暫くは運行テストで乗れないんですよ残念。
ジャンジャン、ドゥンケル、ビューロー、ベルゲングリューンには慣れて貰わないとですからね。

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第六十九話はラプンツェルの運用を任された連中の話の予定です。
 
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