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星河の覇皇

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第六十六部第一章 新兵器その十四

「もう三百億いるとか」
「もっと、それも遥かに多いかも知れないですね」
「我々の人口は」
「どうにも」
「まずは正確な人口の把握だ」
 それからだというのだ。
「我がマウリアのな」
「二千億ではないですね」
「このことは間違いないですね」
「アウトカーストは除外されているところがあるので」
 ヒンズー教のだ。
「アウトカーストはどうも」
「カーストの外、実態は最下層にありますので」
「その統計もあやふやですね」
「彼等の場合は」
「そうだ、マウリアの人口統計は独特だ」
 他の国々のそれに比べてかなりだ。
「イスラム教やシーク教、キリスト教ならば普通に出来ているが」
「その大半のヒンズー教はですね」
「シュードラ階級までは出来ていますが」
 俗に奴隷とされているが実際は平民となる、ただカースト制度は厳密に分けると何千にもなるので中々シュードラでも様々だ。
「アウトカーストになると」
「ハリジャンになりますと」
 ガンジーが命名した、祝福された人々という意味だ。
「それがです」
「統計から外れていますね」
「それをですね」
「どうするかですね」
「人口統計においても」
「それが肝心ですね」
「どうもそこからアウトカーストは独自の社会にもなっているしな」
 マウリアの中のそれだ。
「マウリアも多層社会であり様々な社会が中にあるが」
「そこは連合と同じですね」
「あの国と同じになりますね」
「そうだ、同じだが」
 しかしというのだ。
「大きく違う、アウトカーストだけの社会になっていてだ」
「そこに人口統計が及んでいない」
「そして徴税も出来ていない」
「彼等だけの教育が行われ独自の社会、国家的なものとなっている」
「そのことはですね」
「法律、宗教的なモラルは及ぶが」
 そうしたものは及ぶ、そうした意味でマウリアの中にあるのだ。
「だが、人口に載っていないのではな」
「統計にも乗れずそして税収にもならない」
「そこが問題ですね」
「大いに」
「それを解決したい」
 マウリアの宿痾ともなっているそれをというのだ。
「それもマウリア全体でな」
「一体どれだけのアウトカーストがいるのか」
「そしてその税収もですね」
「気になりますね」
「そういったものが」
「そうだ、そしてマウリアの税収も変える」
 そのあり方もというのだ。
「裏のGNPが表の二倍か三倍もあるというがな」
「実際にそうですし」
「この裏のGNPが相当です」
 これもまたマウリアの特色である。
「それも入れる」
「そうしていきますね」
「裏のGNPも把握して」
「国家に正式に組み込んでいきますか」
「その用意は出来た」
 正確な人口統計と税収改革はというのだ。
「これまでは商品に税金をかけてこなかったが」
「消費税はですね」
「マウリアにはありませんでしたね」
「しかしそれを導入し」
「相続税等は減らしていきます」
 これがクリシュナータの政策だ、議会にも法案を提出してそして通過させている。後は実施するだけになっている。 
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