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星河の覇皇

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第六十六部第一章 新兵器その十二

「その場合はな」
「それだけの価値があるからこそ」
「渡してもいい」
「その辺りはですね」
「まさにギブアンドテイクですね」
「国際政治に相応しく」
「そうあるべきですね」
 官僚達も応える。
「ではその様に」
「連合と話をしていきますか」
「情報で足りなければさらなる見返りも用意して」
「交渉に挑みますか」
「そうするとしよう、サハラに対してもな」
 オムダーマン、ティムールにもというのだ。
「用意しておく、しかしあの国の技術はな」
 軍事技術、それはというのだ。
「魅力的ではあるが連合のそれの方がだ」
「いいですね」
「我々としましては」
「特に巨大戦艦ですね」
「ティアマト級巨大戦艦」
「いや、あの巨大戦艦は特にいいかも知れない」
 連合軍の象徴とさえなっているその巨大戦艦はというのだ。
「別にな」
「いいのですか」
「あの巨大戦艦は」
「まさに要塞ですが」
「動く要塞と言っていいですが」
「それでもだ、マウリアの戦術思想に合っているか」 
 これがクリシュナータの懸念材料だった、あの巨大戦艦に対する。
「詳しいことは制服組からの話だ」
「軍人からの言葉ですか」
「それを聞いてからですか」
「あの戦艦の話を聞きたい」
「購入するかどうかは」
「それで決めたい、ましてあの巨大戦艦は巨大に過ぎる」
 その巨大さについてもだ、クリシュナータは言及した。
「あの戦艦をマウリアに入れて維持するとなると」
「港も必要ですし」
「維持費もかかりますね」
「連合軍ならともかく」
「我々としましては」
 マウリア軍、ひいてはマウリアとしてはというのだ。
「負担が心配ですね」
「一個艦隊に一隻としましても」
「それでもですね」
「負担が気になりますね」
「そこがな、それとだ」
 クリシュナータはさらに話した。
「あの巨大戦艦を持つとして何隻必要かだ」
「一個艦隊に一隻ですね」
「我がマウリアは今は二百個艦隊ですが」
「今で二百隻の巨大戦艦が必要になりますね」
「簡単に計算して」
「一隻や二隻ではない」
 巨大戦艦を持つとしてその数はというのだ。
「そこも考えていくべきだ、兵器全体のことだがな」
「港や維持費のこと」
「戦術思想のことも」
「その全てをですね」
「考えていくべきですね」
「兵器を購入する際は」
「制服組も懸念しているという」
 実際にその兵器を動かす彼等もというのだ。
「そのことはな」
「我々に合った兵器ですね」
「それが大事ですね」
「マウリアに合った兵器」
「それが大事ですね」
「そういうことだな、しかし技術は必要だ」
 連合の軍事技術自体はというのだ。
「あらゆる手をして手に入れていこう」
「それを目指すことをですね」
「していくべきですね」
「是非な、しかしエウロパは今あらゆる分野で必死だな」
 クリシュナータはエウロパのことにも目を向けた。
「あの国もな」
「確かにそうですね」
「何かとですね」
「敗戦の後は実に」
「復興、そして発展に向けて」
「とかく必死ですね」
 マウリアの官僚達から見てもだった、エウロパは。 
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