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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1936話

 放課後、俺の姿は学校から少し離れた場所にある公園にあった。
 ポートアイランド駅とかそっち方面ではなく、それとは反対側の、比較的静かな場所にある公園。
 手紙に書かれていたのは、そこで今日の放課後に待っているというもの。
 正直なところ、返事は決まっている。
 ここに来れば、相手に対して無駄に期待させてしまうのではないか……そんな思いもあったのだが、告白してくるのであれば、しっかりとそれを聞いてから断るのが礼儀だろう。
 勿論、俺を呼び出す為だけにこのような真似をした……というのであれば、その時はそのような真似をした相手に、相応の報復をする事になるだろうが。
 ……にしても、見つからないとでも思ってるのかね。
 小さく溜息を吐き、少し公園の入り口の近くにある方を一瞬だけ見る。
 そこには、幾つかの気配があった。
 勿論それは、俺に対して敵対的な気配……という訳ではないし、手紙を送ってきた相手の気配という訳でもない。
 俺にとっては、覚えのある気配の人物。
 それこそ、毎日のように一緒に行動している相手なのだから、それに気が付くなという方が無理だろう。
 正直なところ、ついてくるなと言った方がいいような気がしないでもないんだが……
 そんな風に思っていると、やがて1人の女が姿を現す。

「その、アルマー君。待たせちゃったかな?」

 その女は、俺には見覚えのない女だった。
 制服を見る限り、月光館学園の生徒なのは間違いないんだろうが……ただ、月光館学園は生徒数も多い。
 当然、俺にとっても知らない相手というのはいてもおかしくはなかった。
 だが、それでも……だからこそ、不思議に思う。
 会った事がない相手に、何故あのような手紙を出すのか?
 ……一目惚れとか、そっち系の話か?
 一目惚れというのが本当にあるのかないのか、時々話題になる時があるが、俺は別にどっちでもいいというのが正直なところだ。
 別にあってもなくてもいい。
 そんな風に思いながら、口開く。

「気にするな。俺もさっき来たところだ。……それで、俺に話があるって事だったが?」

 そう言いながら、女の様子を確認する。
 女に、俺に対する敵意とか……ましてや、殺意の類がないのは俺にも理解出来た。
 だがそれでも、目の前の女から具体的な言葉を聞かされない限り、完全に信用するというのは無理だろう。
 顔立ちは……それなりに整っていると言ってもいいだろう。
 性格の方は、こうして一言二言だけだが言葉を交わしてみた限りでは、そこまで悪いようには思えなかった。
 本当の性格という意味では、当然のようにすぐに分かる訳ではないのだろうが。

「うん。その……アルマー君、好きです。私と付き合って下さい!」

 そう言い、潤んだ瞳をこっちに向けてくる女。
 さて、困ったな。
 正直なところ、どうすればいいのやら、
 そもそも、向こうは俺のことを知ってるようだが、俺はこの女が誰なのか全く理解出来ていない。
 そんな状況で俺が本気で付き合うと、この女はそう思ってるのだろうか。
 ……いやまぁ、平均以上の美人だし、こうして見る限り性格も悪そうには見えない。
 女に飢えている年頃の男であれば、それこそこの告白に対して即座に頷いたかもしれないが……

「悪いな、俺は付き合ってる奴がいるんだ」
「……やっぱり、岳羽さん?」

 恐る恐る……といった様子で、ゆかりの名前を出してくる女。
 基本的に俺とゆかりは一緒に行動する事が多いし、付き合っていると思っている者が多いのは事実だ。
 この女もそういう風に考えているのだろうが……俺はそれに、首を横に振る。

「いや、ゆかりとは……そうだな、友人だな」

 正確には戦友なんだが、まさかこの場でそんな事を言える筈もない。
 もし言っても、恐らく信じる事はないだろう。
 あ、でもゲームとか、忙しいバイトの戦友的な意味で納得する可能性は……ある、か?

「そう。……その、じゃあ誰と付き合ってるの? もしかして、桐条先輩?」

 その判断も、間違ったものではない。
 俺と一緒にいるのはゆかりだが、次点となると桐条なのだから。
 だが、当然それにも首を横に振る。

「いや、ここにはいない。俗に言う遠距離恋愛って奴だよ」

 それは決して間違っていない。
 実際、レモン達が住んでいるのは遠く離れた場所……それこそ、現状ではこちらから連絡を付けることが出来ない程に離れた場所なのだから。
 そう思えば、遠距離恋愛で間違いはない筈だった。

「そう……なんだ。あー、そっか。アルマー君には付き合ってる人がいるのか。……うん、突然こんな事を言ってごめんなさいね。……じゃ!」

 そう言いながら、女は去っていく。
 それを、俺は特に何をするでもなく見送っていた。
 実際、さっきの女に何が出来るのかと言われても、俺には何か出来る訳でもないしな。
 ここで俺が何かを言えば、それは寧ろあの女を傷つける行為となるだろうし。
 去った女を見送り、俺は公園の少し離れた場所……見知っている気配のある場所に向かって歩き出す。

「ちょっ! おい、アクセル、こっちに気が付いてるじゃないか!?」

 順平の声が聞こえてきたが、寧ろ何で俺に気が付かれていないと思ったんだろうな。

「気配を消すなんて真似をしないで、本当に俺に見つからないとでも思ったのか? 剣道部はどうしたんだよ?」
「気配って……アルマー、お前何者だよ」

 順平の代わりにという訳ではないが、そう答えたのは友近。
 まぁ、影時間とかに関わっていなければ、気配とかそういうのを気にしろって方が無理か。

「男ってのは、謎の1つもあった方がいいらしいぞ?」
「アルマーの場合、謎は1つや2つじゃきかない気がするんだけどな」

 少し呆れた様子で呟く友近。
 まぁ、それは否定出来ないところなのは、間違いないか。

「剣道部は今日は休みだ。正確には、レギュラーだけが他校に練習試合に行ってるから、それ以外の部員は休みなんだよ。俺ッチも自主練しようかと思ったけど……ちょっと気になる事があったから」

 順平の言う気になる事がなんなのかってのは、それこそ今更考えるまでもないだろう。
 自主練よりも他人の恋路が気になるか。
 まぁ、順平にしてみれば、剣道部に入ったのは別にレギュラーになりたいからとか、そういう訳じゃない。
 純粋に、影時間での戦いでもっと強くなりたかった為だ。
 そう思えば、自主練を1日くらい休んでも、そこまで問題じゃないのか?

「けど……っと」

 何かを言おうとした友近だったが、その言葉が途中で切れる。
 友近の言葉を遮ったのは、雨だった。
 今日は今朝から曇り空で、いつ降ってもおかしくはなかったのだが……それでも今まで持っただけよかったといったところか。
 さっきの告白シーンで雨が降ってくれば、色々と台無しだったし。

「そう言えば、結局あの女の名前も分からないな」
「え? ちょっ、マジかよ! あの子、2年でも結構評判の子なんだぜ?」

 何故か驚きの様子を見せる友近だったが、実際俺があの女と直接関わった事は殆どないのだから、それはしょうがないだろう。

「ふーん。……じゃ、雨も降ってきたし、どこかで雨宿りでもしない? ファミレスにでも行く? ここからだとちょっと遠いけど」

 何故か不機嫌だったゆかりの機嫌が良くなった事に疑問を抱くも、取りあえずここで迂闊な事を言えば、折角落ち着いたゆかりの感情を再び刺激してしまうと、そう考えたからだ。
 ゆかり、怒ると……いや、正確にはヘソを曲げると、立ち直らせるのに意外と時間が掛かるんだよな。

「そうだな。じゃあ、ファミレスにでも行くか。少し走らないと、濡れるぞ」

 この公園は、ポートアイランド駅から反対側の方にある場所だ。
 そしてファミレスとかがあるのは、当然のようにポートアイランドの方になる。
 そのファミレスのある方に、雨が本降りになる前に行くというのは……普段から身体を動かしている俺、ゆかり、順平の3人ならともかく、普通の高校生でしかない友近にとっては、かなり厳しいものだった。

「はぁ、はぁ、はぁ……ちょ、ちょっとお前達早すぎないか!?」

 友近がファミレスに到着し、俺達が座っている席にやって来た時には、既に雨は本降りとなっており、その身体はかなり濡れていた。
 息を切らせながら不満そうな友近だったが……殆ど濡れた様子もなくリラックスしている俺達の姿を見れば、不満そうなのも仕方がないか。もっとも……

「そう言われてもな。まさか、友近に付き合って雨に濡れるのは勘弁だったし。……いっそ、順平みたいに友近も剣道部に入ってみたらどうだ? 体力はつくと思うけど」
「勘弁してくれよ。何だって放課後にまで部活をやらなきゃいけないんだ? 叶先生とゆっくり出来る時間がなくなるじゃないか」

 友近が叶に熱を上げているのは知ってたが、アタックは成功してたのか?
 てっきり、相手にもされてないと思っていたんだが。
 視線を向けると、そんな友近の言葉に驚いた様子を見せているのは、俺以外の2人も同様だった。

「え? ちょっと、冗談でしょ、それ?」

 最初に口を開いたのは、当然のようにゆかり。
 ……いや、この場合は当然という表現が相応しいのか?
 まぁ、女ということで恋愛に興味津々であると考えると、不思議でもないんだが。
 ただ、俺が知ってる限りだと、ゆかりは母親の影響もあって、決して恋愛に関して積極的って訳じゃなかった筈だ。
 もっとも……それはあくまでも『自分の恋愛』であって『他人の恋愛』は別なのかもしれないが。
 ましてや、美人と評判の女教師と生徒の恋愛となれば、興味を引くなという方が無理なのだろう。
 ちなみに、本当にちなみにだが、女教師と書いて『じょきょうし』と読むか、『おんなきょうし』と読むかで、色々と性癖とかが分かるらしい。
 俺の場合は『おんなきょうし』の方なんだが。
 ともあれ、そんな俺達の視線を向けられた友近は、にんまりとしながらホットドッグを注文しつつ笑みを浮かべる。

「さて、それは個人のプライバシーに関わる事だし、俺の口からは何とも言えないな。想像だけしてくれ」
「ここまで来て、誤魔化すのかよ?」

 くーっ、と羨ましそうにする順平。
 別に順平も年上好きという訳ではないのだろうが、やっぱり友人の恋愛が上手くいってるというのは、羨ましいものがあるのだろう。
 宮本も……あのマネージャーと結構いい雰囲気だという話だし、そう考えれば何気に女っ気がないのは順平だけなのか?
 桐条と同じ寮に住んでいて、普段はゆかりと一緒に行動する事も多いと、何気に女っ気がないって訳じゃないと思うんだが。
 もっとも、ゆかりにしろ桐条にしろ、順平をそういう目で見ているのかと言えば、否なんだよな。
 桐条にとって、順平はあくまでも後輩、もしくは戦友といったところであって、男として認識はされているのだろうが、そう見られているのかと言えば微妙なところだろう。
 ゆかりも、今はそこまで嫌悪感を持っていないが、以前順平が俺への対抗心に満ちていた時の事はまだ忘れていないらしい。
 月光館学園を代表する美人が2人いるのに、そんな2人に恋愛対象として見られていないのは……ちょっと哀れな気がする。
 そう言えば、図書委員に年上の美人がいるって話を聞いた事があったけど……いや、順平が図書室になんか行ったりする筈がないか。

「お待たせしました。ハンバーグステーキセットとフライドチキン、ケーキセットになります」

 そう言いながら、ウェイトレスはハンバーグステーキと焼きたてのパン、コーンスープを俺の前に置き、フライドチキンを順平の前に、チーズケーキと紅茶をゆかりの前に置く。
 月光館学園から比較的近くにあるこのファミレスは、当然のように学生をターゲットにした店となっている。
 その分値段は若干安めで……代わりに、料理の味もそれなりといった店だ。
 ただ、食えない程に不味いって訳じゃないし、俺も食うのは好きだが、舌に合わなければテーブルをひっくり返すといった真似をする訳でもない。
 取りあえず出てくる料理はそれなりの味だし、特に不満はない。

「うわ、お前達結構リッチだな」

 羨ましそうに、友近が俺の方を見てくる。
 実際、俺達は金に困っている訳ではない。
 少なくても、俺とゆかりはいらないマジックアイテムの類を桐条グループに売る事によって得た金でそれなりの収入になっている。
 順平の場合は……影時間に桐条の指揮下で働いている事により、給料を貰っているのだろう。
 言うなれば、バイトの傭兵といったところか?
 そんな俺達に比べると、友近は当然のようにそこまで金はなく……

「ホットドッグとなります」

 ウェイトレスが、友近の前にホットドッグをそっと置くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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