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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0275話『村雨を呼ぶ提督』

 
前書き
更新します。 

 




提督から伝えたい事があるからと呼ばれはしたものの、何を伝えられるのだろうと思いながらも執務室へと向かっていく。
まさか、この村雨になにかイヤらしいことを注文してきたり!
あ、でもそれはないかー……。
うちの提督は榛名さんが一番だし、その榛名さんも見張っているようなものだからねー。
いつも思うけど提督と榛名さんっていつも一緒にいて窮屈じゃないのかしら……?
気になる異性と一緒にってなったら私はきっとすぐに耐えられないという自信があるわ。
いっつも謎の雰囲気を醸し出してるって姉妹のみんなに言われる村雨だけどさすがにそこまで肝は据わっていないしね。
そう考えると、とっても提督と榛名さんてお互いにラブなのねー。
と、どうでもいいことを考えているうちに執務室に到着ッと!
それじゃなにかわからないけど覚悟を決めて入らないとね!
一度扉をノックして、

「村雨、入りまーす!」

返事はなかったけど入らせてもらった。
別に怪しい事をしているわけじゃないし、呼ばれたんだからいいわよねっという気持ちで挑んでいく村雨ってどこかかっこよくない?
でも入った途端に、何かが起こるわけでもなくいつもの提督が椅子に座って私の事を待っていてくれた。

「来たか、村雨」
「はい。それでこの村雨になにかご用でしょうか?」
「うん。まぁ、そんなに緊張する内容じゃないから楽にしてもいいよ。なにか淹れようか」

そんな感じで提督はお茶か何かを用意しようと立ち上がったので私も部屋にあるソファーに座らせてもらった。
このソファーっていつも誰かが座っていて気持ちよさそうだったから一度座ってみたかったのよね。
少しして提督は紅茶を淹れてきたのか私の前に置く。
……さすが暇なときは金剛さん達とよく一緒にいるだけあるわね……。
紅茶からいい匂いがしてくるわ。

「簡単なものだけど、飲んでくれ」
「わかりましたー」

提督に許可をもらったので一口飲んでみる。うん!

「美味しいです! さすが金剛さん達に習っているだけありますね!」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。結構練習したからな」
《提督、結構金剛お姉さまに習っていましたよね》
「ああ。なんでも金剛型の嗜みとかなんとか……その割には比叡の腕は壊滅的だけど……」
《あ、あははー……》

あ、榛名さんが笑って誤魔化そうとしている。
まぁ、比叡さんの口に入れるもの関係の腕は私も知っているけど相当危険だからね。
あの磯風とどっこいどっこいかさらにやばいかの二択くらいだしね。

「それじゃ紅茶を飲みながら聞いていてくれ。まだ本当かどうかは分からないんだけどとある有力筋からの情報では新春から白露型駆逐艦の誰かが改二になるという話だ」
「ブフォッ!?」

飲んでいた紅茶を思わず器官に詰まらせてしまった……。

「あぁ……大丈夫か?」

提督は優しく私の背中をさすってくれるけど、情報がいきなり過ぎである!

「ゲホッゲホッ!……もう、提督! いきなりすぎますよ!」
「ごめんごめん。驚かしたいわけじゃなかったんだけど一応伝えておこうと思ってな」
「はぁ……そうですか。まぁ確かに驚きましたけど……それって村雨だったりするんですか?」
「多分な。大本営の方ではすでに準備に取り掛かっているという情報があるからな。それにもし違っていても白露型の誰かには来ることはもう決まっているらしいから期待はしておいて損はないと思う」
「ふーん? でも本当ならとてもいいじゃない!」

そうよ。
最近は朝潮型のみんなに改二の数に差を付けられてしまっていて不満はないけど残念がっていたからちょうどいいかもしれない。

「それだったら村雨ってどんな風に改二になるのかしら?」
「まだ分からないけど、江風みたいになるんじゃないか……?」
「江風はマントを羽織っているわよね。村雨もそうなのかしらねー……」

やばっ! 考えだしたらについやけ顔になってしまう。
本当に改二になったらどうなるんだろう!
わぁー、とっても楽しみね!

「まぁ、そろそろ大本営から正式に告知とかが来るだろうからそれまでゆったりしているんだな。情報が来た時には練度上げを頑張ってもらう予定だから」
「まっかせてよ。今の村雨の練度は71。だからすぐに最近の基準練度である77に上げるのは楽よね?」
「そうだな。今から上げていってもいいんだけど……やっぱり私ってめんどくさがり屋だから」
「それはないわね」
「きっぱりと言うんだな……」

そこはきっぱりと言っておかないといけないわ。
なんでったって、去年から怒涛の勢いでみんなの練度を上げている光景を何度も見せられてきたんだからどこがめんどくさがりなんだかって言いたいところね。
それを伝えてみると提督は案の定今気づいたような顔をしていた。

「確かに……そう考えると相当頑張っていたんだなー」
「そうね。だからそんなに自分を貶しちゃダメよ? せっかく頑張ってきたんだから」
《村雨さんのいう通りだと思いますよ、提督》
「あはは……。反省しておくよ」
「わかればよろしい」

提督はそれで自分を振り返っているのか少し遠い目をしていたのが印象的だった。
とにかく!
白露型の改二は楽しみにしておこうかしらね。
もし本当に村雨だったら提督にいいところたくさん見せるんだから!


 
 

 
後書き
コンプティークで情報が出ましたね。
白露型の改二、楽しみです。




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