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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0273話『正月の胃休めに』

 
前書き
更新します。 

 




望月と初雪の二人はもう正月は終わったというのにいまだに炬燵で残っている餅を食べているという堕落した生活を送っている。

「しっかし……司令官も頑張るよね。なんか今月中に二隻も改二の子が出るって話で色々頑張ってるじゃん?」
「……どうせ初雪達にはあんまり関係ない事。きっとレイテ組に実装されると思うから」
「ま、そうだなー」

初雪のその発言に望月もそれでこたつむりとなって特に動こうとはしないでみかんを一口。
かなりだらけきっている事である。
そこに皐月と水無月が部屋に入ってきた。

「あれ? もっちーに初雪。いたんだ。っていうかかなりだらけてるねー。餅まで食べていて」
「そうだねさっちん。なんていうか二人ともそのままだとかなり太るよ……? 艦娘としてそれはどうなの……?」
「「うぐっ……」」

二人の正論に二人はうめき声を上げる。
考えてみれば当然だけど、これでも艦娘なのだからいつ出撃してもいいように準備はしておいて然るべきなのだ。
だけど、

「そうなんだけどさー。最近、もうこれといって真新しい任務はないじゃん? かといって残っている任務もだいたいは工廠系か司令官が敢えてやっていない任務くらいだしね」
「……そうだよー。だから初雪達はこうしてゆっくりできるんだ……」

そんな二人に皐月と水無月は揃って「しょうがないなー」と諦めながらも一緒に炬燵に入っていく。

「皐月と水無月、ご入場ーっと」
「ふふふ。炬燵の魔力にやられるがいい……」
「そんなこと言われてもボクは少ししたらまた遠征に行くんだけどねー」
「さっちんは大発要員で引っ張りだこだからねー。大変だ。あ、ミカン貰うね」

水無月は親友である皐月の身を案じながらももう慣れているのでそのままゆっくりしていた。
それに対して皐月はというと顔を少し嬉しそうにさせながらも、

「うん! だってもう少しで司令官とキズナを結べる練度まで達しそうだから頑張ってるんだー」
「さっちんは司令官の事が好きだよねー。まぁそれを言ったら先に練度がカンストするのは睦月姉に如月姉だと思うけどね。さっちんはあと少しで練度が98になるくらいだから」
「そうなんだよねー。遠征でも練度は上がっていくけど雀の涙程度な感じだから。ボクだって先制対潜が可能なんだからやろうと思えばすぐに練度なんてカンストできるんだよ!?」
「うんうん、そうだね」

皐月の訴えにそう流す水無月。慣れた手つきである。
と、なんだか皐月と水無月が話が少し騒がしくなってきたので望月が、

「二人ともー? もっとゆっくりしようよ。せっかく炬燵の中にいるんだからさー」
「……そうそう。静かが一番」

そんな感じで四人で炬燵でゆっくりしていたんだけどそこで提督が談話室には言ってきて、

「あ、やっぱり望月に初雪はここにいたか」
「んあ? どうしたの司令官……?」
「初雪達になにか用……?」
「ああ。どうせ二人は暇しているだろうからとの鳳翔さんの推薦で今日は『七草がゆの日』ということで料理作りを手伝ってほしいとの事だ」
「えー? だるいなー」
「右に同じ……」

そんな二人に提督はやれやれと言いながらも、

「そんな感じだと二人の今日のお夕飯は悲惨な事になるぞ? いいのか……?」
「そ、それは……嫌だけど……」
「でも、出るのは寒いし……」

なお強情な二人をよそに、

「はいはい! 司令官、水無月手伝いたい!」
「ボクも……手伝いたいところだけどそろそろ遠征に行かないといけないからね。残念……」
「そうか。二人はいい子だなー」

それで提督に頭を撫でられて嬉しそうに笑みを浮かべる二人を見て、少し悔しさが出てきたのか、

「……わかったよぅ。あたしもやるからさ……」
「初雪、たまにはやる子だよ……?」

と言ってのそのそと炬燵から出てくる二人。
そんな二人に提督は笑みを浮かべながらも、

「それじゃ頑張っていくとしようか。もう他の子も七草がゆのお手伝いをしているところだから」
「わーい! 早く行こう司令官!」
「うー……付き合いたいけどボクはもう行くね」

提督に抱きつく水無月を見て少し名残惜しそうに皐月は遠征艦隊の部屋へと向かっていった。
そんな感じで四人で鳳翔さんが七草がゆを作っている食堂へと顔を出していくと、

「あ、提督。望月さんと初雪さんを連れてきてくれたんですね」
「はい。少しだけ面倒くさがりましたけどなんとか連れてこれました」
「そうですか、ありがとうございます」

提督に感謝の言葉を述べながらも鳳翔さんは二人及び水無月に目を向けて、

「それじゃ三人とも。頑張って作りましょうね。今夜はみなさんで揃って七草がゆも食べようと思いますから」
「七草がゆかー。やっぱり苦いのかな……?」
「そんなことはありませんよ水無月さん。草にも味はありますし独特の味はするでしょうがお味噌汁みたいなものですから」
「そっかー」

鳳翔さんと楽しそうに話す水無月をよそに、

「それじゃ望月に初雪。二人ともしっかりと鳳翔さんのお手伝いをするんだぞ?」
「わかってるって!」
「たまには頑張るよ……」
「それでよし。それじゃ鳳翔さん、後はお願いしますね」
「わかりました」

それで提督は部屋を出て行った。
それから二人はだるそうな顔をしながらもしっかりとお手伝いをしてその晩にはみんなで七草がゆを含めた料理を食べて嬉しそうにしていたという。
ちなみに望月と初雪が手伝った事を言うとみんなは揃って驚いていたというオマケ付きである。これが普段の行いの結果だと分かっていても大層不満そうだったのは言うまでもない事であった。


 
 

 
後書き
話題は頑張って考えるものだ。
ちなみに七草がゆはそんなに食べたことがないんですよねー。



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