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とある3年4組の卑怯者

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75 激闘

 
前書き
 女子バレーボール、4組と5組の試合、橿田のスパイクで負傷したまる子の代わりに出たたまえは旧友に怒りをぶつける。そして試合は逆転したりされたりの大激戦となった!! 

 
 女子バレーの最後を締め括る4組と5組の試合、15-13と4組がマッチポイントかつ2点リードしている状況だったが、一時的に5組が優勢の時があったため、誰も余裕の表情はしていなかった。そして負傷退場したまる子の代役として出場しているたまえと5組の橿田がお互いフロントセンターを守る番が回ってきた。二人にとってはこれで四度目のネット越しでの顔合わせとなった。
(たまちゃん・・・)
(ひろ子ちゃん・・・)
 お互い睨みあった。野村がサーブした。筒井がレシーブし、橿田がトス、寺東がスパイクした。内田はブロックできなかった。後ろにいた冬田がレシーブした。ボールは高々と上がり、野村がトス、そしてたまえがアタックした。5組の前衛のブロックを通過したが、筒井がレシーブした。そして寺東がジャンピングトスをする。それを橿田がアタックすると思われたが、それはフェイントで同時に佐川もジャンプしており、佐川がスパイクした。橿田をブロックするつもりで跳んだたまえもヨリも裏をかかれたと感じ、ボールは4組のコートに落ち、5組が14点目を入れた。次は久口がサーブした。冬田がレシーブ、野村がトスして、小島がスパイク、しかし、橿田がブロックし、落ちそうになったボールを野村がダイビングしてレシーブした。それを小島がトスして、たまえがスパイクする。筒井がボールをレシーブした。桃山がそれを再びレシーブする。東京タワーレシーブが来た。ボールは天井へと向かう。そして天井に当たったボールは4組のコートを襲う。内田がレシーブしようとしたが、失敗した。ジュースとなってしまった。
(よし、ここで美里(みり)ちゃんを呼ぼう・・・)
 橿田がタイムを取った。ピンチサーバーを投入した。

 5組 交代
 佐川→菖蒲岡(あやめおか)

 菖蒲岡美里(あやめおかみり)がコートに入った。リリィはコートの外にいながらこの女子に何かしらの威圧感を覚えた。
「すごい威圧感があるわね・・・」
「そりゃそうよ。お父さんが合気道の師範(せんせい)で菖蒲岡さんもそのお兄さんも教わっているのよ」
 みぎわが説明した。
「アイキドウ・・・、日本の武道の一つね・・・」
 リリィはその合気道の技術をバレーでどう活かすのか気になった。

 菖蒲岡が深呼吸しながらボールを投げ、サーブした。その時、素早く息を吐いているように見えた。そのサーブは強烈だった。そのサーブがたまえと内田の間を襲った。たまえがレシーブした。ボールは高々と上がった。しかし、やや後方に向かう。内田がそれをコートの方へレシーブした。小島がスパイクした。しかし、それを菖蒲岡がレシーブした。それを寺東がジャンピングトスした。ボールは高々と上がった。桃山と筒井が共にジャンプした。筒井がスパイクした。右手を差し出した。
(ひ、左手でくるかも・・・!!)
 たまえは筒井が右手を出したのがフェイントで本当は左手で打つと思った。しかし、筒井は右のままで打った。野村、小島、ヨリの前衛三人はブロックを試みた。しかし、ボールは三人のブロックを通過した。冬田がレシーブした。しかし、手首でレシーブできず、肘近くにボールを当ててしまい、ボールを上げる事ができなかった。4組は1セット目を落とした。先にマッチポイントに達しながらも痛恨の逆転負けだった。
(まるちゃん、ごめん、勝てなかったよ・・・)
 たまえはまる子に勝てなくて申し訳ないと思った。
「たまちゃん」
 リリィがたまえを呼んだ。
「ごめんなさい、実はあの橿田さんから何かあったか聞いたの」
「そうだったの!?」
「うん、橿田さんはたまちゃんに避けられて寂しいんだって・・・」
「でも私はひろ子ちゃんは私よりも新しくできた友達と一緒の方が楽しく見えて・・・、私はもう要らないと思ってるんじゃないかと思ってたんだ・・・」
「そう・・・本当の事を言った方がいいわよ。誤解をといてもらわないとダメよ。この試合が終わってからでいいから・・・」
 たまえはだからリリィはまる子の代わりに自分を投入したのだと勘づいた。
「よし、次は私達の番よっ、行こうっ、笹山さん!」
「うん!!」
 笹山と城ヶ崎はコートに向かった。そして2セット目に出る六名は円陣を組んだ。みぎわが陣頭を執った。
「もう負けられないわよ!」
 全員「おう!」と掛け声をだした。そして2セット目が始まった。

 藤木は笹山が出る事を知ると、応援する気になった。
「笹山さん、頑張れー!!」
 笹山は上を見上げると、藤木ら男子がいることに気付いた。
(藤木君・・・。そうだ、私も頑張らないと!!)
 笹山は藤木が必死でキーパーとして活躍していた事を思い出し、自分も勝つために、最高のプレーを見せようと思った。2セット目が始まった。

 4組
 FL(フロントレフト):とし子 FC(フロントセンター):野口 FR(フロントライト):かよ子
 BL(バックレフト):笹山 BC(バックセンター):みぎわ BL(バックライト):城ヶ崎

 5組
 FL(フロントレフト)山本(やまもと) FC(フロントセンター)松原(まつばら) FR(フロントライト)二上(ふたがみ)
 BL(バックレフト)駒田(こまだ) BC(バックセンター)八木(やぎ) BL(バックライト):菖蒲岡

 サーブ権は4組だった。みぎわがサーブした。菖蒲岡がレシーブする。八木がトスを上げて松原がスパイクした。野口がブロックし、二上がレシーブを上げた。松原が再びスパイクした。笹山がレシーブを敷損ねた。5組が先制した。
「笹山さん、落ち込むな!!」
 藤木が笹山を必死で励ました。
「藤木君、笹山さんを凄い応援するね」
 山根が藤木に少し引いていた。
「まあ、ほっとくがいいさ」
 永沢は藤木など相手にするなというような言い方をした。笹山はそれでも藤木の応援は彼女にとって力になった。
 
 次は菖蒲岡のサーブを城ヶ崎が逸らしてしまった。しかし、4組に反撃のチャンスが訪れた。次はとし子のスパイクが決まり、その次は城ヶ崎がスパイクを決めて同点にした。次は菖蒲岡のスパイクが勢いよく決まって3-2。しかし、今度は野口がスパイクをして再び同点に追いついた。次は山本のアタックがコート外に出た。そして城ヶ崎のサーブを二上が後ろへレシーブして、菖蒲岡も間に合わずに4組に5点目が入った。次はかよ子がレシーブした。ボールはネットに当たってしまった。サーブ権を5組に取られた。
「みんな、ここで取り返して!」
 橿田が叫んだ。たまえも触発されたのか、かよ子に叫ぶ。
「かよちゃん、気にしないで!!」
 かよ子は心を落ち着かせた。次は松原がサーブした。それを野口が上手くレシーブし、みぎわがトスを上げる。城ヶ崎と笹山が共に駆け寄り、跳んだ。
「笹山さんっ!」
「うん!」
 城ヶ崎に呼ばれて笹山がフェイントをかけたスパイクをした。菖蒲岡と八木のブロックを破った。松原のレシーブが間に合わず、4組が6点目を入れた。
「いいぞ!笹山さん!」
 藤木は笹山を褒め称えた。なお周囲の男子は藤木の行動に苦笑したり、引いていた。次はとし子がサーブした。山本がレシーブ、駒田がトス、そして八木がスパイクした。城ヶ崎とかよ子がブロックで返した。駒田がボールを追うが、見送った。ボール・アウトになった。その駒田のサーブを笹山がレシーブした。かよ子がトスして、野口に繋いだ。野口のスパイクは駒田と山本の間を襲った。そして7点目を入れた。次はかよ子がトスをミスしてネット上に当ててしまった。しかし、次はとし子が、その次は笹山がアタックを決めて、9-6と点差を3点に開いた。しかし、5組も追い上げた。菖蒲岡のスパイクをとし子がレシーブできず、次もまた菖蒲岡のスパイクをみぎわと城ヶ崎でブロックをするもボールの勢いでみぎわが吹き飛ばされ、笹山のレシーブも間に合わず、1点差に迫られた。
(さすが菖蒲岡さん、合気道で鍛えた気合ってのがあるわね・・・)
 みぎわは菖蒲岡に脱帽した。しかし、次は駒田がサーブをネットに当てたため、4組にサーブ権が戻った。みぎわがサーブした。菖蒲岡がレシーブし、トスを経由せず、二上がスパイクした。笹山が必死でレシーブした。とし子がトスし、野口がスパイクするが、松原にブロックされたが城ヶ崎がレシーブで防ぎ、みぎわがトスを上げる。その時野口がとし子に言う。
「土橋さん・・・、打ちな・・・」
 とし子はえっと思ったが、野口の言う通りにして野口の立つ位置まで走ってジャンプし、スパイクした。駒田がレシーブをし損ねた。11-8と4組が優勢だった。そして次も笹山のスパイクが決まり、その次は山本がスパイクをミスしてコート外にボールが落ち、13-8とリードが5点に開いた。しかし、次は菖蒲岡が打つと見せかけて八木がスパイクして9点目を取った。次はかよ子のスパイクが二上にブロックされるが野口がレシーブで掬い上げた。ボールが後方へ向かったが、とし子がレシーブで前方へ持ってきた。そのレシーブは勢いよく5組のコートに入って山本がレシーブするが、後方へ行ってしまい、4組の得点となった。
(次は笹山さんのサーブだ!!)
 藤木は笹山は次はバックセンターに回るので感づいた。笹山がサーブした。駒田が前進しながらレシーブした。二上がトスして菖蒲岡に回す。菖蒲岡の強烈なスパイクがとし子を襲う。とし子はレシーブしきれず後方へ転倒した。そして次が八木がサーブする。みぎわがレシーブして城ヶ崎がトス、かよ子がアタックするも、山本のブロックで跳ね返される。しかし、城ヶ崎がレシーブで落下を防ぎ、かよ子が再びスパイクを試みた。トスだと思われたのか意表を突く結果となり、ボールは山本と松原のブロックを抜け、5組のコートに落ちた。4組がマッチポイントとなった。そこでみぎわがタイムを取った。
「リリィさん、サーブいいかしら?」
「え?うん、いいわ」
 リリィがピンチサーバーに投入された。

 4組 交代
 城ヶ崎→リリィ
 
(リリィがサーブするって!?)
 藤木は落ち着いていられなかった。そしてリリィに声援を送る。
「リリィ、頑張れー!!」
 リリィがコートに入ると、相手の立ち位置を確認した。
(あの菖蒲岡さんって人の所に初弾(サーブ)すると、簡単に受理(レシーブ)されるかもしれない・・・。なら・・・)
 リリィがサーブした。そのサーブは5組のライトを襲った。二上がレシーブしようと飛びつく。しかし、失敗した。ボールを手首ではなく腕に当ててしまったため、それが小さく弾いて落ちた。
 2セット目は16-10で4組が勝利した。これで両者1勝1敗となった。女子達は皆ハイタッチし合った。そして応援していた男子達も喜び合った。次は取り返すと誓う5組。そしてこの勢いで連勝すると誓う4組。お互い3セット目に臨んだ。 
 

 
後書き
次回:「死闘」
 女子バレー、4組対5組の3セット目。お互いが勝利を渇望していく中、橿田はたまえとの二度目の直接対決を望む。勝利を挙げるのは4組か5組か・・・。
 
 一度消えた恋が蘇る時、物語は始まる・・・!! 
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