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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1918話

 ポートアイランド駅からそれ程離れていない場所にあるファミレス。
 ゆかり曰く、デザートが美味しいファミレスとして有名なそこに、俺、ゆかり、有里、山岸、友近の5人の姿はあった。
 それぞれが頼んだ料理がテーブルの上にあり、皆が飲み物を手にしている。

「じゃあ、苦行の1週間が終わったって事で……乾杯!」

 コーラの入っているコップを手に友近が乾杯の音頭を取る。
 俺達も揃って手にした飲み物を掲げ、声を揃える。

『乾杯!』

 ……まぁ、友近や順平、宮本の三馬鹿トリオにしてみれば、乾杯じゃなくて完敗って気もするけど。
 ああ、でも俺が勉強を教えたんだから完敗されたりすれば困るのは間違いないな。
 そんな事を考えつつ、俺は自分が頼んだエビグラタンを早速味わう。
 勿論本格的な店のグラタン程に美味い訳じゃないが、それでも十分美味いと言える味。

「デザートが有名だって話だったけど、グラタンとかも結構美味いな」
「本当だ。こっちのフライドチキンも衣がサクサクしてるし、肉も柔らかくて美味しい」

 有里の口からも、感嘆の声が漏れる。
 いやまぁ、デザートが美味い店って話だったが、他の料理が不味いって言ってた訳じゃないしな。
 にしても、こういうファミレスって基本的には冷凍されている料理を解凍して出してるだけの筈なんだが……その割には美味いんだよな。
 もしかして、この店も桐条グループの資本が入っていて、冷凍とかじゃなくて、しっかりここで調理しているのか?

「それで、テストの結果はどうだったんだ?」

 料理を食べながら、やっぱり最初に出るのはテストに関する事だった。
 まぁ、テストの打ち上げなんだから、その辺りの話が出るのは当然だろうが。

「あー……それを聞く? 聞いちゃう? まぁ、そうだな。そこまで悪い感じじゃなかったってのは、言ってもいいと思う」

 友近が少しだけ自信ありげにそう言ってくる。
 まぁ、1週間程度ではあっても、しっかりと勉強したのだ。
 友近がテスト勉強と言えばいつもどれくらい勉強しているのかは分からないが、それでも今回のテストのように勉強をするという事はなかった筈だ。
 それだけ勉強しながら、結果としてテストの成績が悪かったとなれば……それはどうしようもないだろう。

「俺はまぁ、それなりに上位は狙えると思う」

 世界史と日本史が若干難しかったが、それ以外の科目は殆どが問題ない。
 ケアレスミスの類がなければ、100点を取ってる科目も結構ある筈だ。
 ……一応見直しはしてるんだが、どうしてもケアレスミスの類はなくならないんだよな。

「私はいつもより少しいい感じかしら」

 何だかんだで、ゆかりも勉強会をした甲斐はあったというところか。
 有里や山岸もそれなりに大丈夫だという事で、結果としてこの場で一番成績が悪いのは、恐らく友近という事になる。

「くっそぉ……桐条先輩になってお詫びをすればいいんだ」

 こうして嘆くのは、桐条が勉強会に来た時は友近の担当をしていたからだろう。
 自分に勉強を教えてくれた桐条に、申し訳がないと。
 もっとも、桐条がそれを聞いてどう思うのかは話が別だが。
 下手をすれば補習だ! とか言い出さないとも限らない。
 桐条も色々と忙しい筈なんだが、補習とかをやるつもりになったら、本気でやりそうなのが怖いところだよな。

「まぁ、それなりに手応えがあったんなら、そこまで気にする必要はないだろ。恐らく桐条だって、高望みはしてないだろうし」

 勿論赤点を取るなんて真似をすれば、それこそ荒垣が以前言っていた『処刑』とやらが行われてもおかしくはないが……勉強会の時の友近の様子を見れば、取りあえずその心配は考えなくてもいいと思うんだよな。

「ほ、ほら。今日は打ち上げなんですから、嫌な事は忘れて楽しい時間にしましょうよ。ね?」

 落ち込みそうになった友近を励ますように、山岸がそう告げる。
 そんな山岸の言葉に、友近は少しだけでも元気を取り戻したのか、コーラの入ったコップを高く掲げ……一気に飲み干す。

「んぐ、んぐ、んぐ……ぷはぁっ! そうだよな。今日は今日の風が吹く、明日には明日の風が吹く、宵越しの金は持たねえ! これぞ江戸っ子ってもんだ」
「いや、色々と違うから。そもそも、あんたは江戸っ子じゃないでしょうに」

 友近の言葉に、殆ど反射的にゆかりが突っ込みを入れる。
 この辺り、既にゆかりの習性のようになっているような気がしないでもない。

「気持ちだよ、気持ち。江戸っ子って気持ちが大事なんだって。……それより、今日でようやくテストも終わったんだから、明日の日曜はこれ以上ないくらいにゆっくりと出来るな」

 自分にとってピンチな話題だと判断したのか、友近はそう言って話題を変える。
 友近が江戸っ子ねぇ……うん、ゆかりの言う通り、ちょっとどころじゃなく似合わないのは間違いない。
 もっとも、それを言うのであればこの中に江戸っ子に似合いそうな奴なんていないが。
 あ、でもここにはいないけど宮本とかは江戸っ子っぽい感じがするような、しないような……微妙な感じがしないでもない。
 ともあれ、別に江戸っ子について詳しい訳ではないし、そこまで拘りがある訳でもないので、話題の変更に乗ってやる。

「そうだな、明日か。……出来れば何日か休みが欲しかったんだけどな」
「あ、やっぱり? アルマーもそう思うよな。テスト明けなんだし、やっぱり休みはもう少し欲しいよな。出来れば10日くらい」
「あのね、テスト期間よりも長いじゃない。それにテスト期間中は午前中で学校が終わってたんだから、休みという意味なら十分だと思うけど?」
「テスト期間中に休めってのは、ちょっと無理だろ」
「そうかな? 僕は結構気楽に休めたけど?」

 有里の言葉に、友近は言葉を返せなくなる。
 まぁ、分からないではない。
 テスト期間中にしっかり休む事が出来るなんてのは、そうそう多くないだろうから。
 それこそ、テストをもう完全に諦め、後は野となれ山となれといった心境の奴とか、もしくは自分の成績に対して絶対の自信を持っている奴とか。
 そんな奴なら、テスト期間中でも完全にリラックスして休むような真似は出来るのだろうが……そのような者が、そう多くいる筈もない。
 いやまぁ、実は俺もそっちのタイプではあるんだが。

「で? アクセルは明日何をするんだ? やっぱり恋人同士でデートとか?」
「……あのね……」

 言い負かされた仕返しとでも言いたげな様子で、明日はゆかりとデートするのではないか? と、そう告げてくる友近。
 それを聞いたゆかりは、呆れたように何かを言い返そうとするも……

「そうだな、ゆかりと一緒にどこかに遊びに行くのもいいかもしれないな」
「うえぇっ!?」

 まさか、俺の口からそんな言葉が出るとは思っていなかったのだろう。
 ゆかりは、ただ唖然とした視線をこちらに向けてくる。
 そして、この場にいるもう1人の女の山岸は……少し恥ずかしそうにしながら、それでもどこか興味深そうに俺達の方を見ている。

「ね、ねぇ。有里君。どうなるのかな?」
「うーん、どうなんだろう。デートに誘ってるって事は、脈がない訳じゃないと思うんだけど」

 聞こえてる、聞こえてるぞ、そこの2人。
 そう言ってしまおうと思ったが、今はゆかりの相手をするのが先だ。

「ちょっ、ちょっとアクセル。あんた一体どういうつもりなの?」
「いや、どういうつもりも何も……ゆかりには色々と面倒を掛けたしな。その礼に何かしようかと思ったんだが。勿論、ゆかりが嫌なら無理にとは言わないけど」
「……えっと、じゃあ、折角だしアクセルの言葉に甘えさせて貰おうかしら」
「岳羽さん……赤くなってて、可愛い」
「……何か言ったかしら?」

 小さく呟いた山岸だったが、その声はゆかりにもしっかり聞こえていたのだろう。
 山岸が指摘した頬の赤さをそのままに、満面の笑みを浮かべながら山岸に視線を向けていた。
 ……そして、ゆかりの笑みを見た山岸は、何故かそれ以上口を開くような事がないまま、口を噤むのだった。





「イオ、突っ込んで!」

 ゆかりの言葉に、イオはハンドルアニマルに向かって真っ直ぐに突っ込んでいく。
 ライオンの身体を持っているだけあって、ハンドルアニマルはその攻撃を回避したが……その回避した先に、ゆかりが射った矢が次々に飛んでいき、身体に突き刺さる。

「カストール、仕留めろ!」

 そうして動きの止まったハンドルアニマルに突っ込んでいくのは、荒垣のカストール。
 馬と獅子……普通に考えれば、間違いなく獅子の方が強いだろう。
 だが、今回に限っては馬に軍配が上がった。
 真っ直ぐに突っ込んだカストールに吹き飛ばされたハンドルアニマルは、これまでのダメージもあって、息の根を止められ、他のシャドウと同じように崩れ去っていく。

「ふぅ……それにしても、今日の岳羽は随分と張り切ってるな」

 召喚したカストールが消えていくのを見ながら、荒垣が呟く。
 実際、その言葉を否定出来る者は、今のゆかりを見る限りはそう多くないだろう。
 それだけ今日のゆかりの行動は、気力に満ちていたのだから。
 そうなった原因は、やはり今日行われた打ち上げだろう。
 あの打ち上げで、ゆかりはそれこそ大量に食べた。
 デザートが美味いと有名なファミレスだけあり、実際に食べたデザートは美味かった。
 美味かったんだが……それ故に、腹が一杯になっても食べ続けたのだ。
 結果として、幸福な時間と引き替えに予想外の出費と、こちらも予想外のカロリーを得てしまった訳だ。
 ……ショートケーキとか、そういう基本的なケーキも美味かった以上、しょうがないとは思うんだが。
 ともあれ、そうして得たカロリーを消費すべく、現在ゆかりは頑張っているのだろう。
 もっとも、それで後悔しているかと言えば、後悔はしていないのだろうが。
 あのファミレスで出されたケーキは、それこそ下手なケーキ屋で売っているケーキよりも美味かったのだから、当然だろう。

「ま、女には色々とあるんだろ。夏まで時間がないし……うおっ!」

 そう呟いた瞬間、ゆかりが俺から少し離れた場所に向かってイオを召喚するとガルを撃ってきた。

「アクセル、何か言ったかしら?」
「いやいや、何でもない。早く夏にならないかなーと荒垣と話していただけだ。なぁ?」

 そう荒垣に声を掛けるも、荒垣は俺からそっと視線を逸らす。
 まるで関わり合いになりたくないと、そう言っているかのように。
 いや、ようにじゃなくて、実際にそう態度で示しているのだろう。
 おのれ、この裏切り者め。
 そう思わないではないものの、今の状況でそんな事を口にすれば再びガルが飛んできかねない。
 いや、ガルだけならまだしも、もしかしたらイオがそのまま突っ込んでくる可能性すらあった。
 女に年齢と体重について口にするのは不味いと知っていたが……ゆかりの場合はちょっと過敏に反応しすぎだと思う。
 以前ゆかりの着替えを見た時の感じだと、とてもではないがダイエットが必要なようには思えなかった。
 勿論、それはあくまでも俺の目から見た限りの話であり、ゆかりとしては色々と気になる場所もあるのかもしれないが。
 TVか何かで、男が丁度いいと思うのは女にとっては太って見えるし、女にとってちょうどいいと思えるのは男にとって痩せすぎているように見える……とかやってたな。
 まさに、そんな感じだろう。
 ただ、それを言ってもゆかりは素直に頷いたりしなさそうだが。
 それに……カロリー消費以外にも、テストで溜まっていたストレスの発散というのもあるのだろう。
 勉強はしなければいけないのは間違いないが、だからといってストレスが全くない訳ではない。
 それどころか、順平に教える必要があるという事で、余計にストレスは溜まっていただろう。……順平の場合、とてもじゃないが物覚えがいいとは言えないだろうし。
 そういう意味では、こうしてゆかりが思う存分戦うというのは俺にとってもいい事ではあると思う。
 ただ……出来れば、そろそろ次の門番シャドウと遭遇したいところなんだけどな。
 ここ最近はテスト勉強とテストでタルタロスに来てなかった為に、タルタロスの探索という点ではかなり時間を無駄にした形だ。
 ……いっその事、テスト勉強とかテスト中もタルタロスに来ればよかったか?
 影時間というのは、体感的には3時間、もしくは4時間といったところだ。
 影時間は電気とかも使えないんだし、基本的に勉強は出来ない。
 だとすれば、普通にタルタロスに挑んでも問題はないんじゃないだろうか。
 そう思ったのは、きっと俺の気のせいではない……と、思う。
 新たなシャドウを探しているゆかりを見ながら、そんな風に思うのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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