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真剣で納豆な松永兄妹

作者:葛根
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第十四章 若獅子タッグマッチトーナメント本選



若獅子タッグマッチトーナメント本選開始。
世界各地でも大会の行方は注目されている。
スタジアムも超満員。

「本選では私、この七浜で執事をしています田尻耕《たじり やすし》が実況と審判を勤めさせて頂くことにあいなりました」
「解説は引き続き皆のアイドル川神百代だ」
「そして、西の雄、天神館の西方十勇士の石田がお送りする」

予選で落ちた有力者を解説補佐につけ、予選と同じく強さの壁を超えた4人が観客を守る。

「皆さんお待ちかね。トーナメントを戦う選ばれし16チームの入場です!」

1組目、優勝候補の源義経と椎名京、源氏紅蓮隊。
2組目、筋骨隆々こそが起源にして頂点を目指す400万パワーズ。
3組目、どちらも名家の黛由紀江と武蔵小杉のザ・プレミアムズ。
4組目、場違いな葉桜清楚がいる桜ブロッサム。
5組目、正体不明のコンビ、ミステリータッグ。
6組目、外人コンビなのに大江戸シスターズ。
7組目、巨乳コンビでパワー特化のデス・ミッショネルズ。
8組目、2-SコンビのKKインパルス。
9組目、同じく2-Sコンビのフラッシュエンペラーズ。
10組目、SM女王と機械の変な組み合わせのアーミー&ドッグ。
11組目、川神一子がいるチャレンジャーズ。
12組目、風間ファミリーのリーダーがいるファイヤーストーム。
13組目、九鬼のメイドと執事のワイルドタイガー。
14組目、どこで知り合ったのか地獄殺法コンビ
15組目、燕ちゃんと直江大和君の知性チーム

そして、

「残すところ最後の1組。実力もさることながら、イケメン2人が揃った葵冬馬と松永久秀の智略チームだ! 兄妹揃って本選出場の松永に注目が集まります」
「粘りと味の松永納豆をよろしく」
「邪魔にならないよう努力します」

俺と葵冬馬が一言挨拶しながら出場。
参加者の殆どが川神周辺の人間だ。
それもそのはずで、外国人の強者は無敵童貞軍チームが闇討ちしていったから残りは少ない上に、外国人同士が潰し合っていた。
つくづく、外国人には運のない大会だと思う。
運のない奴がいれば運のある奴もいる。
結果的に勝ち残る運の持ち主は風間ファミリーのリーダーであった。

「では、トーナメントの組み合わせにうつります。コンピューターがランダムで一斉に配置します」
「巨大モニターに注目だ。瞬時に決まるぞ」

司会者と川神百代がモニターに注目するよう言う。

「これがトーナメント表だ!」
「げ!」

参加者の何人から苦渋の声が聞こえた。
かくいう俺も声が出そうになった。
二回戦目で燕ちゃんとあたってしまうぞ。
しかし、

「これは仮の組み合わせになります。試合開始は1時間後、それより、30分前に正式な組み合わせを発表します。互いの合意があれば組み合わせの変更を受理いたします」

つまりは、トーナメント表の組み合わせを変更して良いという事だ。
現在の組み合わせは、
A側

地獄殺法コンビ VS ワイルドタイガー

400万パワーズ VS 智略チーム

知性チーム VS デス・ミッショネルズ

ザ・プレミアムズ VS 桜ブロッサム

反対のB側は、

源氏紅蓮隊 VS アーミー&ドッグ

ファイヤーストーム VS 大江戸シスターズ

チャレンジャーズ VS フラッシュエンペラーズ

ミステリータッグ VS KKインパルス

作戦次第で大物食い出来るよう配慮されていると思う。
俺の狙いは反対側に移ることだ。
燕ちゃんとのアイコンタクトで燕ちゃんはA側内で移るから兄ちゃんはB側に移れと伝えてきた。

――控え室。
わりと和気あいあいしていた。
そりゃ、川神学園の生徒が多いし、同じクラスメイトもいればそうなるだろう。

「おお! 冬馬もやはり残ったか!」
「ええ、久秀さんのおかげです。英雄に準も見事残りましたね」
「いやはや、2-Sのメンツがこうも揃うとはね。小雪と不死川もいるし。でもロリがいない」
「冬馬~」

榊原小雪さんは嬉しそうに葵冬馬に近づいて話をしていた。
控え室にたどり着く前に、打ち合わせはしてある。
組み合わせの交換はKKインパルスと行う予定だ。

「ユキに頼みがあります。私達と組み合わせを交換してくれませんか?」
「うん。冬馬の頼みなら良いよ~」

不死川心はトイレにでも言っているのか不在であった。
彼女には悪いが、ここは譲れないのだ。

「やけにあっさり決まったな」
「ええ、ユキが反対側にいてくれてよかったです」

こうして、あっさりと組み合わせが変更した。
変更されてた組み合わせはこうだ。

A側

知性チーム VS ワイルドタイガー

400万パワーズ VS KKインパルス

地獄殺法コンビ VS デス・ミッショネルズ

ザ・プレミアムズ VS 桜ブロッサム

反対のB側は、

源氏紅蓮隊 VS アーミー&ドッグ

ファイヤーストーム VS 大江戸シスターズ

ミステリータッグ VS フラッシュエンペラーズ

チャレンジャーズ VS 智略チーム

俺の初戦は川神一子と源忠勝のチームになった。
俺が川神一子と戦い、葵冬馬は源忠勝から逃げる。
手頃な相手と言っては失礼かもしれないが、初戦突破は確実だろう。

「冬馬、初戦の作戦はこうだ。まずお前が場外へ逃げる。源忠勝が追ってきたら足元にマシンガンをばらまいて牽制。その間に俺が一子を打倒」
「シンプルですね。空中に銃を撃つ作戦を使うまでもない、と?」
「正直言って、それほど頭を使う相手に見えないし、冬馬の相手は一般人よりも多少強い程度だ。一子は強いには強いが、俺の敵じゃない」
「そうですか。戦闘に関しては口出ししません。しかし、英雄達が勝ち上がってきたらやりづらいですね」

幼い時からの友達だから戦いたくない。
だが、俺は彼等が勝ち上がって来ることはないと思っている。
ミステリータッグの気は尋常ではない。
相当の実力者で、恐らく大会主催のスポンサーである九鬼の人間だと予測を立てている。

「九鬼の者としたら大会を内側から監視する目的でしょうね。そして、それだけの実力を持つ人物と言えば英雄の姉である九鬼揚羽さんである可能性が高いです。となると英雄達と戦ってその中で正体を明かすでしょう。そして、2回戦に進むことはないですね」

葵冬馬は俺の予測を聞いて俺の考えと同じ答えを出していた。



淘汰されていくのは弱者
配点:(生き残り) 
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