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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0259話『クリスマスのサンタさん作戦』

 
前書き
更新します。 

 




『……こちら金剛。磯風たちに届けたネ』
「了解した。速やかに移動してくれ」
『分かったネー!』

金剛の他にも色々な艦娘達から報告が入ってくる。
今、私達は何をしているかというと時間は深夜の中、クリスマスイブという事で駆逐艦や海防艦に潜水艦のみんなにクリスマスプレゼントを届けているところだ。
時間は少し夜のクリスマスパーティーまで遡ることになる……。






「このケーキ、うまー!」
「う、潮……あんまり食べ過ぎないようにしないと……!」
「メリー、クリスマスー……わーい……」

と、各自でいくつものクリスマスケーキやターキーなどを食べて楽しんでいるみんなの姿があった。
この日のために発注しておいて正解だったな。
さすがに全員分のクリスマスケーキとなると間宮さんや鳳翔さんだけじゃ賄えないからな。
皆が騒いでいる中、背中を叩かれる。
振り向けば長門や他の大型艦のみんながいた。

「……提督よ。今晩の予定は大丈夫か……?」
「……ああ、抜かりはない。もう全員分のプレゼントは用意してある」
「……そうか。それではみんなが寝静まった頃に作戦の開始だな」
「……ああ。それまではみんなもそれぞれ楽しんでくれ」
「……わかった」

私達は小さい言葉でそうやり取りを交わしてまた解散をする。
そこに駆逐艦のみんなが「長門さんと何を話していたの……?」と聞いてくるけど適当に誤魔化しておいた。
今夜は忙しくなるぞ!






……というわけで私達はわざわざこの時のために作戦司令部まで設置して各自でプレゼントの配布を行っていた。

『阿武隈です! 第七駆逐隊のみんなはオッケーです!』
『由良です。白露型のみんなも大丈夫です。少しだけ気づかれそうでしたけどなんとかプレゼントを置いてきました』
『羽黒です。神風型のみなさんも万事大丈夫でした』

と、みんなから次々と報告が入ってくる中、

「これでしたらもう平気ですかね……?」
「そうだな、大淀。だけどまだ油断はできないのがうちの子達なんだよな」
「そうですね。全員に配り終えるまでは油断は禁物でしたね」

大淀とそんな会話をしていると、何やら切迫しているような報告が入ってくる。

『こちら山城! 満潮に気づかれそうです!』
「状況は!?」
『不幸だわ……まだ寝ぼけているみたいで目を擦っていますけどどうしましょうか……?』
「まだ誤魔化せるか……?」
『やってみます……』

その後にしばらくして、

『な、なんとかやり過ごせました。また眠りについたみたいです……』
「そ、そうか……それならよかった。そのまま続行してくれ」
『了解です……ああ、姉様助けて……』

山城はそんな助けの声を発したけどなんとか遂行しているようで安心して良いのか……?まぁ大丈夫だろう。
と、安堵しているとまたしても報告が入ってくる。

『こ、こちら足柄! 朝霜が追ってきているわどうぞー!』
「なんとか逃げてくれ……妙高、代わりに朝霜の場所にプレゼントを届けてくれ」
『了解しました』
「それと誰か足柄の近くにいるものは救援を。川内なら尚更いいな。朝霜はこの際意識を奪う覚悟で行ってくれ。明石はこの晩だけの記憶を奪う薬の用意を……」
『了解だよ! 背後から一瞬で意識を奪うね!』
『了解しましたー! 明石、向かいます!』

と、なんとかやり過ごせそうだな。
それで席に着席しながら、

《ですが、明石さんはそんな薬を開発していたんですね》
「ああ。なんでも前に分離役を作った副産物で開発できたとか……」
《な、なるほど……》

榛名が少し汗を流しているところを見るとやっぱりあんまり反応はよろしくないように見えるな。まぁ仕方がない。

「この調子だと後は潜水艦担当の龍鳳に海外艦担当のビスマルクとイタリアくらいか。報告がないのは……」
「そのようですね」

だけどそこで作戦司令部に優雅にビスマルクが入ってきた。

「ビスマルク? どうしたんだ?」
「いえ、こちらも終了したから報告にしに来たのよ」
「そ、そうか。レーベにマックスも大丈夫だったのか……?」
「ええ。二人ともぐっすりだったわ」
「それならいいんだが……」

と、思っていると龍鳳からも連絡が入ってきた。

『こちら龍鳳です。みんなはとてもいい子ですからぐっすりですよ。寝顔が可愛い……』
「あんまりゆっくりしていないで速やかにな……?」
『はーい』

龍鳳はいつもの調子で返事をしていた。
うーん、ゆったりしているから少し不安だ。
そして、イタリアからも連絡が入った。

『提督……。イタリア、完了しました。リベッチオだけですから安心でしたね』
「そうか。わかった」
『五十鈴よ。海防艦のみんなもオッケーよ』
「了解。それじゃこれでみんなに配り終わったかな……? まだ配り終えていない子はいないか……?」

確認のために全員に聞こえるようにそう話す。
すると全員から『万事オッケーです』と返ってきたので、

「それじゃ任務終了だ。ねぎらいの料理を鳳翔さんが用意してくれているから全員集合してくれ」
『『『わかりましたー!』』』



それで全員が居酒屋鳳翔まで集まってきた。
そして私はみんなに聞こえるように、

「それじゃみんな。プレゼント配布の作業、お疲れさま! 今年はなんとか無事にみんなにプレゼントを配り終えてよかったと思う」
「朝霜が少し危なかったわねー……」
「足柄ったらもう息もキレキレでしたからね」
「まったく情けない……」
「なによー! こっちだって大変だったんだからねー!?」

と妙高達にからかわれている足柄の姿があったり、

「この調子だと数名は気づいているかもしれないな……」
「そうね、長門。結構騒がしかったから」

と、心配の声を上げる長門達やらがいたけど、

「まぁ気づいている物に関してはこの際諦めるとして……それじゃみんなにもプレゼントが買っておいたから各自、自分の名前が貼ってあるものを持って行ってくれ」
「「「やったー!」」」

みんなもそれで喜んでくれているので良かったと思う。

《それでは提督。少ししたら私達も眠りに入りましょうか》
「そうだな。さすがにもう時間も時間だからな」

その後に少しだけ騒いだ後に私達は解散をしたんだけど、その翌朝に、

「……あれ? 誰だ? 私のところにプレゼントを置いたのは……?」
《榛名も気づきませんでした……》

所在不明のプレゼントが私の枕元に二つ分置いてあったとさ……。


 
 

 
後書き
最後にホンモノが現れたのでしょうか……?
真実を知るものはいない。





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