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とある3年4組の卑怯者

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67 完敗

 
前書き
ここまでの試合結果
男子サッカー
2組 0-5 4組
 4組の勝利

女子バレー
2組-5組 2勝1敗で5組の勝利
1セット目 2組 10-16 5組
2セット目 5組 11-16 2組
3セット目 2組 9-16 5組 

 
 バレーボール、4組と1組の試合が始まった。

 1セット目

 4組
 FL(フロントレフト):リリィ FC(フロントセンター):牧村 FR(フロントライト):城ヶ崎
 BL(バックレフト):とし子 BC(バックセンター):みぎわ BL(バックライト):ヨリ

 1組
 FL(フロントレフト)浦野(うらの) FC(フロントセンター)長田(おさだ) FR(フロントライト)桜木(さくらぎ)
 BL(バックレフト)分田(わけた) BC(バックセンター)平住(ひらすみ) BL(バックライト)法山(ほうやま)

 牧村と桜木がじゃんけんをし、牧村が勝ち、サーブ権を選択した。審判は2組の先生が行った。みぎわがサーブする。それを法山がレシーブし、浦野がトス、長田がスパイクした。牧村と城ヶ崎がブロックして転倒し、ボールは後方へと弧を描いた。ヨリが救い上げ、とし子がトス、リリィがアタックを仕掛けた。長田と桜木がブロックを仕掛けたが、ボールは1組のコートに落ちた。4組が先制した。
 時計回りにポジションをチェンジし、ヨリがサーブした。桜木がスパイクサーブし、法山がトス、そして浦野がアタックした。とし子とリリィがブロックをするも、フェイントをかけられ、同点にされた。サーブ権を取られた。桜木がサーブする。城ヶ崎がレシーブしようとしたが、その時、リリィが叫んだ。
「避けて!」
「え!?」
 城ヶ崎は訳が分からずとりあえず横っ飛びで避けた。結果、ボール・アウトで4組に得点が入った。
「すごいね、リリィ。サーブをこっちのものにしたよ!」
 観戦しているまる子が驚いた。
「うん、すごいね」
 たまえも同調した。
 リリィが始めて後衛に回った。サーブは牧村で、この後、分田のアタックが決まり、同点とされるも、リリィのサーブを平住がレシーブし損ね勝ち越し、その後、城ヶ崎やリリィのスパイクが決まり、5-2と4組がリードした。
 ヨリが2回目のサーブを行った。しかし、法山がそれを見送り、ボール・アウトにした。桜木がサーブする。牧村がレシーブし、それを城ヶ崎がトス、とし子がアタックした、しかし、浦野がそれを何とかスパイクサーブで救い上げ、後ろの長田が前にトス、分田がアタック、しかし、みぎわととし子がブロックで返して、浦野が救い上げたが、ネットの下を通ってしまい、4組の得点となった。ここまでは6-3と4組が優勢に見えた。
 その時、平住がタイムを取り、六人は輪になって集合した。
(もしかして、今までと違う行為(プレー)を見せるかも・・・)
 リリィは心の中で胸騒ぎがした。1組が所定の位置に戻り、試合を再開した。牧村がサーブすると、長田がレシーブでボールを上げ、桜木が法山にトス、そして法山がアタックした。リリィの位置にボールが落ちる。が、リリィは飛び込んでレシーブした。しかし、ボールの勢いが強くて当てるだけで精一杯でボールを外に出してしまった。

1組が追い上げた。浦野の強烈なサーブにリリィもとし子も対応できず、次は城ヶ崎のフェイントが法山に掬い上げられ、そのボールを桜木がアタックするふりをして長田のアタックが決まり、同点にされた。さらに今度は牧村のアタックがが前衛3人がブロックして通さず、それが4組のコートに入り、逆転されてしまった。
「ちょっと、しっかりしてよ!!」
 前田が我慢できずに怒鳴った。
「ほら、あんたたちもボーっとしている場合じゃないでしょ!!」
 前田は控えの皆にも声援を促した。
「そうよね・・・。頑張れー!!」
 笹山達も出場中の六人を応援した。1組の猛攻が続く。法山のサーブをみぎわが上手くレシーブできず、後ろのヨリも外に撥ねたボールを拾えず、次は分田、そして平住が決め、次は法山がトスをするふりをしてまさかのツーアタックで桜木がアタックを仕掛けた。11-6と1組が大量リードした。
 次は1組の後衛の浦野が城ヶ崎のスパイクをレシーブしようとして後ろに逸らしてしまい、4組に点が入った。
 次はリリィがアタックを決めて8点目を入れたが、その次はまた1組の猛攻を受けて4点を追加されてしまい、マッチポイントにされてしまった。
「ちょっと!もう後がないじゃないのよ!!」
 前田は怒鳴った。結局元の前田に戻ってしまったと応援している皆は感じてしまった。
 分田がサーブを放つ。しかし、勢いは強烈だったが、弾道が低かったため、ネットの上部に当たってしまい、4組には九死に一生を得た。みぎわがサーブの準備を行った。
(もうサーブミスすらできないわね!!)
 みぎわは追い詰められた気持ちでいた。そしてサーブする。平住がレシーブし、それを長田がレシーブで4組のコートに打ち込んだ。4組側は驚いた。みぎわが慌ててトスで受け止めた。しかし、ボールを後ろへやってしまった。

 1セット目は16-9で1組が先勝した。

「ごめんなさい、あんなみっともないことして」
 みぎわは皆に謝った。
「落ち込まないでよっ、取り返せばいいんだからっ!」
 城ヶ崎がみぎわを励ました。
「ふん、あんたら(たる)んでんのよ!!」
 前田が愚痴を言った。
「前田さん、怒らないって約束したでしょ!?」
 リリィが前田に抗議した。
「うるさいわねえ!こんな負け方じゃ怒らずにいられないでしょう!今度はアタシが出る!」
「でも前田さん、次出番じゃないよ?」
 まる子が出場メンバーが予定と矛盾が生じているので疑った。
「高宮さん、私と代わってよ!」
「え!?」
 前田に要求されて高宮は動揺した。
「ちょっとっ、勝手に決めないでよっ!」
 城ヶ崎が抗議した。
「なによ、ケチ!!」
「ケチとは何よっ!!」
 前田と城ヶ崎が睨みあった。
「いいわよ、私、前田さんに代わるわ」
「高宮さん、いいの?」
 内田が心配した。
「うん・・・」
 こうして強引に前田が高宮に代わって2セット目に出場した。

 2セット目

 4組
 FL(フロントレフト):小長谷 FC(フロントセンター):まる子 FR(フロントライト):冬田
 BL(バックレフト):前田 BC(バックセンター):笹山 BL(バックライト):野村

 1組
 FL(フロントレフト)富塚(とみづか) FC(フロントセンター)坂市(さかいち) FR(フロントライト)笠山(かさやま)
 BL(バックレフト)鳥島(とりしま) BC(バックセンター)北田(きただ) BL(バックライト)美園(みその)

 サーブ権は1組だった。北田がサーブした。笹山の方へボールが向かう。笹山がレシーブし、まる子がトスして、小長谷に回す。しかし、小長谷のスパイクはブロックされ、前田がボールに飛びついた。
「さくらさん、アタックして!」
「う、うん!」
 前田に催促されてまる子がアタックした。しかし、これもブロックされ、4組のコートに落ちてしまった。
「ちょっと、笹山さん、反応が遅いよ!!」
「え?ごめん・・・」
 前田は笹山に怒鳴った。
 次は美園がサーブした。冬田がレシーブし、野村が小長谷にトスしたつもりだが、それを前田が無理やりスパイクした。点は取ったが、その際、小長谷と交錯した。
「ちょっと、邪魔しないでよ!」
「アンタじゃ簡単にブロックされるからよ!」
「何よ、それ!?」
「ちょっと、落ち着いてよ・・・」
 まる子と笹山が仲裁した。4組のサーブとなり、冬田がサーブした。美園がレシーブし、北田がトスした。その時、鳥島と富塚が共にジャンプした。笹山と前田がブロックしようとするも富塚がフェイントし、2点目を献上してしまった。
「小長谷さん、アンタもボヤボヤしないでよ!」
 小長谷は何も反論できなかった。坂市の強烈なサーブが小長谷とまる子の間を襲う。その時、前田が急にバックしてきて、まる子と小長谷が驚いた。
「ま、前田さん!?」
 前田は左手をボールに差し出したが、手を握る前に差し出したために、指を強打し、しかもまる子とぶつかって倒れた。ボールは小長谷がトスし、笹山がアタックを決めたが、富塚がレシーブし、鳥島がアタックした。前田が慌ててレシーブするも左足が上手く動かせず、3点目を取られた。前田にアクシデントが起きたのを皆が気付いた。
「前田さん!」
「いたた・・・!」
 前田はサーブを受けるときに左手の中指を突き指し、その上まる子と交錯した際に左足を捻挫していた。
 みぎわがタイムを取ってコートに来た。
「前田さん、大丈夫なの?」
「こ、このくらいどうってことな・・・、あう!!」
 前田は左足に痛みを感じて抑えた。
「前田さん、無理しないで。保健室に行った方がいいわよ!」
「何言ってんのよ!アタシがいないとアンタ達勝てないじゃないのよ!」
「強がるんじゃないわよ!笹山さんの言う通りよ!リリィさん、穂波さん、前田さんを保健室に連れてって!」
 みぎわはたまえとリリィを呼び、前田を保健室に連れて行った。前田の抜けた穴は本来出場予定の高宮が埋めた。しかし、1組の強力な連携に反撃すらできず、相手のボール・アウトで点を貰ったり、冬田や小長谷のアタックが決まることもあったが、結局16-5で大敗し、1組の勝利が決まったため、3セット目を行う事はなかった。
「負けちゃったわねえ」
 冬田が肩を落とした。
「やっぱりケン太の言う通り、1組はスポーツ得意な人だらけで強いね」
 まる子はケン太から1組には男女問わずスポーツが得意な児童が多いことを聞いていたのだ。
「また次の試合で頑張りましょうよっ!」
 城ヶ崎が皆を奮起させた。
「そうだね、それじゃ、次の試合は2ゲーム後だから男子の応援しようよ!」
 まる子の提案で皆は男子の応援に行った。
 
(たまちゃんは出なかったか・・・)
 橿田は1組と4組の試合を観戦しており、たまえの出番がなかったことを残念がっていた。
「ひろ子ちゃん、そろそろ練習しようよ!1組凄い強いし!」
「うん、そうね、けい子ちゃん」
 橿田は1組戦に備えて練習を始めた。

 男子サッカーでは本郷の活躍に藤木達は驚愕していた。
(本郷君凄いな・・・。あのシュートを止められたらなあ・・・)
 1組は3組に勝利していた。
「流石本郷君、サッカー部に入っているだけの事はあるね」
「はは、ありがとう・・・」
 鹿沼が対戦相手でありながら本郷のプレーを賞賛していた。
「よし、俺たちの番だ!行くぞ!」
 大野が呼び掛けた。藤木は後半戦からの出場になるが、次の5組との試合、2組戦同様ノーゴールで行くことを誓った。
 4組と5組の試合が始まった。 
 

 
後書き
次回:「無失点(ノーゴール)
 男子サッカー、4組対5組の試合が始まった。藤木は後半戦からの出場、ノーゴールを保てるのか。そして女子達も応援に現れ・・・。

 一度消えた恋が蘇る時、物語は始まる・・・!! 
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