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ドリトル先生と春の花達

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第九幕その九

「いつも桜がある」
「それで意識されてるのね」
「そうだね、僕も日本にいて」
 先生にしてもです。
「桜が段々ね」
「心の中に入ってきていて」
「それでなのね」
「日本にいる」
「そうなってきたの」
「桜の中に」
「そうなってきたよ、桜があったら」
 春、この季節にです。
「やっぱり前に出してしまうね」
「じゃあ先生も日本人になってきてる?」
「日本に入って」
「桜が好きになって」
「それで」
「そうなのかもね、これがサラならね」
 先生の妹さんのこの人の場合は。
「また違うことを言うだろうね」
「サラさんは薔薇?」
「ガーデニングも好きだし」
「そうしたお花かしら」
「そうかもね」
「そうだね、サラならそちらになるし」
 薔薇とかお庭のお花でというのです。
「お庭にあるだけだよ」
「いつも前に出すんじゃなくて」
「お花はお庭にあるもの」
「そこから出ることはない」
「そうした感じなの」
「振り向けばある、かな」
 サラのお花はというのです。
「そうなるかな」
「成程ね」
「サラさんのお花はそうなの」
「日本人の桜とは違って」
「お庭にあって観ればあるのね」
「いつもあるんじゃなくて」
「うん、いいか悪いかじゃなくて」
 そうしたお話でなくと、というのです。
「サラはそうかな」
「というか日本人が桜意識し過ぎ?」
「あまりにもね」
「春の一時期しか咲かないお花なのに」
「物凄く意識してね」
「何でも出して」
「撮影でも前に出して」
「そう、ここまで一つのそれも咲く時期が短いお花を意識するなんて」
 どうにもというのです。
「日本人はね」
「かなりだよね」
「桜を意識してね」
「何でも桜で」
「他のお花もあるのね」
「二月は梅、三月や桃や菊、五月は皐や菫、六月は紫陽花や菖蒲とあるけれど」
 それでもというのです。
「桜はまた別格だね」
「本当にそうね」
「何といっても」
「ふと道を見れば蒲公英もあって」
「蒲公英も愛されているけれど」
 春、四月にはこちらのお花もあります。
「けれどね」
「桜は別格で」
「もう何処にも植えてあって」
「観るのを楽しむ」
「お花見っていったら桜だし」
「お菓子にもなって」
「あまりにも愛情が深いね」 
 日本人の桜への想いはというのです。 
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