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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1904話

「おい、アルマー。お前どうしたんだよ? 順平と喧嘩してた筈だろ?」

 俺が順平との関係を改善した翌日、教室で順平から検査で大変だったという話を聞いていると、それを見ていた友近が驚きも露わにこっちに近づいてきて、そう尋ねてくる。
 まぁ、無理もない。
 クラスでも殆どの奴が、何がどうなったのか分からないといった視線をこちらに向けていたのだから。
 恐らく友近は、そんな周囲の連中に理由を聞くように言われて、こうしてやって来たんだろう。

「まぁ、色々とあったんだよ。……なぁ?」
「あー……俺ッチの我が儘で皆にも迷惑を掛けたし、クラスの雰囲気を悪くしてしまった。ごめん!」

 立ち上がった順平が、深々と頭を下げる。
 ……なるほど。やっぱりというか、当然ながら、順平の態度でクラスの雰囲気が悪くなっていたのには気が付いていたんだな。
 いやまぁ、誰でも分かる程にクラスの雰囲気が悪かったんだから、それが分からないなんて事はないか。
 そしてクラスの連中の視線は、当然のように俺に向けられる。
 まぁ、順平の被害を一番受けていたのは俺なんだから、それも当然か。

「俺は別に構わないな。ただ、順平には大きな、大きな貸しが1つ出来たって事だし」
「うげ、マジかよ」

 俺の言葉に嫌そうな表情を浮かべる順平。
 そんな順平を見ながら、俺は笑みを浮かべつつ、口を開く。

「さて、どうやって貸しを返して貰うか……うん、色々と楽しみだな。そうは思わないか?」
「思う訳ねえだろ!」

 叫ぶ順平。
 そして、何故か順平の言葉に思い切り頷く様子を見せるクラスの面々。
 ……そこまで一致団結することはないと思うんだが。

「ほらな、ほらな。皆アクセルに借りを作ればどうなるか分かってるんだよ」

 得意げな様子で順平が言うが……

「けど、お前が俺に対して大きな借りがあるのは、間違いのない事実だろ?」

 そう言われれば、順平も頷く事しか出来ない。
 何故かゆかりまでもが、順平にご愁傷様といった視線を向けているが……まぁ、順平の自業自得だと思って貰おう。
 ともあれ、この一件はこれで落ち着いたという事になり、クラスの雰囲気も以前と同様のものとなる。
 そんな中で、ふと順平が口を開く。

「そう言えば、俺は今日から剣道部に入る事にしたんだよ」
「は? 順平、それマジで言ってんの?」

 驚きの声を上げたのは、友近。
 まぁ、友近にしてみれば、順平は自分の遊び友達で、部活とかを熱心にやるような奴じゃないって印象だろうしな。
 そして、実際それは間違っていない。
 ただ友近にとって完全に誤算だったのは、そこに影時間、ペルソナ、シャドウ、タルタロスといった代物が関わってきている事だろう。
 それらについて知らないからこそ、友近は順平がそう言ってるのを理解出来なかったのだ。

「本当か?」

 そして、もう1人。
 順平が剣道部に入ると聞いて、黙っていられない人物がいる。
 それは、順平の友人にして剣道部に所属している宮本だ。
 この場合、本来なら寧ろ友近よりも先に驚いてもおかしくなかったと思うのだが……この辺り、色々とあるんだろう。
 ともあれ、宮本の言葉に順平は頷く。

「ああ。防具とかも一応用意したし」

 防具を用意、か。
 それは恐らく、桐条が出した資金だろう。
 剣道の防具一式は、結構な値段がすると聞いた事がある。
 以前ホワイトスターで近衛や桜咲、神楽坂と会って、超包子で一緒に食事をした時だったが?
 その雑談の中で何気なく話した内容だから、本当かどうかは知らないが。
 それに、もしかしたら防具は部活で管理しているという可能性もあるし。
 ともあれ、影時間の対処のために順平に戦い方の訓練をさせるという意味で、剣道部に入れるというのは俺が提案した事でもある。
 ともあれ、順平が剣道をやりたいから剣道部に入るのではなく、影時間にシャドウとの戦いで必須だと判断したから剣道部に入る。
 だとすれば、必要経費として桐条グループが防具を用意するのは当然の事なのだろう。
 順平の頷く声に、宮本は嬉しそうに笑みを浮かべる。
 ……何故かジャージ姿の宮本は、それでも注意されないんだよな。
 だからこそ、宮本は宮本として非常に目立ってるんだが。
 もっとも、考えてみれば順平だって帽子を被っていても注意された事がない。
 教師の中には鎧を着てるようなのまでいるし……その辺り、月光館学園はかなり自由な校風なのだろう。

「そうか。……アルマーはどうするんだ? 順平が剣道部に入ったって事は……」
「ちょっと待ったぁっ!」

 俺にも剣道部に入らないか? と尋ねる宮本の言葉に待ったを掛けたのは友近だ。

「順平だけじゃなくて、アルマーまで剣道部に引き入れられたら、俺はどうすればいいんだよ!」
「いや、俺はお前が何を言ってるのかが分からない」
「だから、放課後に誰と遊べばいいのかって聞いてるんだよ!」

 そう告げる友近の表情は、非常に真剣なものだ。
 いや、別に俺と順平以外に友人がいない訳でもあるまいに。
 何だかんだと、人当たりのいい友近だけに、俺達以外にも当然友人はいる。
 放課後に街中で遊んでいるので、そちらでも友人がいるのは間違いない。
 だが、それでも友近にとって俺や順平のように気楽につきあえる友人というのは多い方がいいのだろう。
 そんな友近の言葉に何かを感じた訳ではないが、俺は宮本に言葉に声を掛ける。

「そうだな。俺が剣道部に入る事はないけど、たまになら練習につきあってもいいぞ」
「練習につきあう? アルマーは剣道の経験があるのか?」
「いや、大まかなルールくらいは知ってるけど、純粋に剣道そのものをやった事はないな」

 その言葉に、宮本の表情が微妙なものになる。

「こう言っちゃなんだが、うちの剣道部は結構強いんだぜ。それこそ、全国大会に出るのは珍しくないくらいに。人数も多いし、幾ら真田先輩にボクシングで勝てる実力があるからって、そう簡単に剣道が出来る訳じゃないと思うんだが」
「なるほど。普通ならそうかもしれないな。けど、残念ながら……という表現が相応しいかどうかは分からないが、俺はボクシングも剣道と同じように大まかなルールくらいしか知らないぞ?」

 それは、紛れもない事実だ。
 剣道もボクシングも、俺は大体のルールしか知らない。
 例えば、剣道は面、胴、小手、突きで1本となり、2本先取だとか。
 そういう大まかなルールはともかく、細かなルールについては全く何も知らないのだ。
 だが、ボクシングでも同じような状況であったが、それでも俺は真田に勝つ事が出来た。
 ……まぁ、言っちゃ悪いが、スポーツというのはある程度能力の近い奴と戦うのが普通だ。
 それこそ、ボクシングでは体重によって幾つも細かく分けられているように。
 そんな中に、混沌精霊の俺が入っていくという時点で、とてもじゃないがフェアとは言えない筈だ。
 そういう意味では、剣道も同じなのだが……順平が具体的にどれくらい強くなるのか興味があるしな。
 そういう意味では、剣道部にとってもそこまでそんな取引ではない……と、思う。
 勿論、それが気にくわない剣道部の面子もいるだろうが。
 月光館学園の剣道部が強豪なら、当然そこにはプライドの高い選手もいる筈だ。
 そういうのにしてみれば、剣道部に入った訳でもない部外者が顔を出すというのは、やっぱり面白くない出来事だろうし。

「うーん……まぁ、顔を出すとかそういうのはいいと思うけど、うちは結構厳しいぜ? それでもいいのか?」
「ああ。順平がそれ以上動けなくなっているのを、しっかりと見させて貰うよ」
「っておい! それが目的かよ!」

 反射的に突っ込む順平だったが、そのタイミングのいい突っ込みはクラスの中に笑いをもたらす。
 そうしてクラスの中が和やかになってきたところで、教室に有里が入ってきた。
 そう言えば、順平はいたのに有里はいなかったんだな。
 何かあったのか? ……普通に考えれば、寝坊しただけだろうが。
 基本的に面倒臭がりで、『どうでもいい』が口癖の有里だ。
 出来るだけ多くの時間を眠る事に費やしたいのだろう。

「おはよう、有里君。今日も素敵ね」
「おはようございます、有里様。その眠そうな顔も素敵ですわ」
「有里、おはよ!」
「ああ、その気怠げな目がズギュンとくる」
「その目で私を雌豚と罵って」

 ……おい、誰だ最後のは。
 妙な趣味の奴が1人、混ざってなかったか?
 声は小さかったから、多分俺以外に聞こえている奴はいないんだろうが。
 ともあれ、相変わらず有里はクラスでも人気が高い。
 だが、有里はキャーキャーとクラスの女達に黄色い悲鳴を上げられながらも、特に気にした様子もなく、軽く手を振ったり、頷いたりして答えているだけだ。
 そうして俺達の近くにやってくると、俺と順平が一緒にいるのを見て、小さく笑みを浮かべる。
 それがまた、クラスの中に黄色い悲鳴を生み出す原因となるのだが……うん、まぁ、何だかもうこの光景にも慣れたな。

「はいはい、声が廊下にも響いてるわよ。静かにして席に着きなさい。出席を取るわよ」

 有里が入ってくるのに遅れて、数分。
 鳥海が教室に姿を現すと、そんな風に言いながら教壇の前に向かう。
 そうなれば当然他の生徒達も自分の席に戻り、HRの時間となる。

「さて、最近は夜中に出歩いている人もいるらしいけど、見つかったら補導されたりするから、くれぐれもそんな真似をしないように。特に、喧嘩騒ぎとかそういうのはもっての外よ。君達も来年は受験なんだから、内申書の件とかをしっかりと考えて行動するように」

 ……職員室でその辺りの問題が話されたのか?
 まぁ、ポートアイランド駅の裏とか、思い切り不良の溜まり場だしな。
 そういう場所に行ってる奴がいるかもしれないとなれば、やはり教師としては注意しておく必要があるのだろう。

「それと、来週の月曜からは定期試験です。皆、しっかりと勉強をしておくように。もし赤点を取れば、部活の方にも影響が出てくるから、その辺の自覚がある人はくれぐれも……く・れ・ぐ・れ・も、気をつけてね」

 そう告げる鳥海の視線が向けられているのは、宮本だ。
 あの様子を見ると、多分成績が悪いんだろうな。
 宮本の場合は、典型的な体育会系の男だ。
 良い意味でも、悪い意味でも。
 だからこそ、成績の方は推して知るべしというところなんだろう。
 宮本もそれを理解しているのか、うっ、と息を詰まらせている。
 にしても、テストが近いとなると順平が張り切っている部活はどうなるんだ?
 大抵こういう場合は、テストの何日前からかは部活が休みになる筈だと思うし。
 勿論学校によっては違うのかもしれないが。
 ともあれ、そんな風にHRが終わって授業に入る。
 そして休み時間……

「ううっ、俺はどうすればいいんだ……」

 朝のHRでの一件が効いているのか、宮本が思いきり頭を抱えていた。
 どうやら俺が予想していた通り……いや、下手をすれば予想していた以上に宮本の成績は悪いらしい。
 俺の場合は同じような勉強を以前にもした事があるから、勉強はそこまで苦手という訳ではない。
 世界史や日本史といったところには色々と細かい違いがあるので、その辺りの齟齬を何とかする必要はあるが……それ以外に関して言えば、ほぼ問題ないというのが自分の判断だ。
 実際、多少世界が違っても数学の公式が違ったり、物理法則が違ったりする訳でもないのだから。
 ……その辺りを絶対と言えないのが、様々な世界を旅している俺にとって怖いところだが。

「それで、宮本の成績は具体的にどれくらいなんだ?」

 尋ねる俺に、宮本は頭を抱えたまま口を開く。

「前回のテストでは、何とか赤点は免れた」

 免れたという事は、赤点になるかならないか、ギリギリの点数といったところか。
 前回のテストは、1年の3学期のテストだからそう難しい筈じゃないと思うんだがな。
 基本的に3学期のテストというのは、勉強する期間そのものが短いこともあって、テスト範囲は広くなく、どちらかと言えば難易度は易しい筈だ。
 それで赤点ギリギリという事は……正直なところ、今回のテストは相当危ないのは間違いない。

「うう、アルマー……どうにかならないか?」
「何故俺に聞くんだ? どうせなら順平や友近に……」

 そう言いながら視線を向けると、向けられた2人はそっと視線を逸らす。
 こうして見る限り、どうやらこの2人も成績という意味では決してよくないらしい。

「アクセル君、そこの三馬鹿トリオに関わっていると、アクセル君まで頭が悪くなるわよ」

 そう言ってきたのは、教室に入ってきた見知らぬ女……色黒なのが特徴的な女。
 いや、見知らぬじゃないな。何度か宮本と話しているのを見た事がある女だ。
 その女が、気安い様子で俺達の……いや、宮本の方に近づいてくるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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