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星河の覇皇

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第六十五部第三章 連合の元首その十三

「エウロパは純血です」
「ゲルマン、ラテン、スラブが混ざっていても」
「コーカロイドという点では同じです」
「純血のコーカロイドばかりです」 
 だからなのだ。
「連合から刺客を送ることは」
「かなり困難です」
「マウリアでダブルスパイを作りますか」
「エウロパ人を仕立てた」
「それは考えている」
 ダブルスパイ作成、それはというのだ。
「どのみち必要だしな」
「エウロパへの他の工作の為にも」
「情報収集の為にもですね」
「だから考えている」
 こう答えたのだった。
「それはな」
「左様ですか」
「そちらも」
「マウリアに拠点を置いてだ」
 そのうえでというのだ。
「エウロパへの工作を進めていきたい」
「まずは、ですね」
「そこからですか」
「マウリアでの拠点を築き」
「そこからエウロパに仕掛けていく」
「ではあの総統には」
「今は」
「何かをするにもだ」
 暗殺なり何なりを仕掛けるにしてもというのだ。
「数年先だな、短くとも」
「数年ですか」
「その数年が大きいですね」
「その間のエウロパは」
「蘇りますね」
「そうなるだろう、そしてだ」
 エウロパが復活するだけではなく、というのだ。キロモトはそのことについても先の先を見てそのうえで語っていた。
「その数年の間にだ」
「あの総統は備えを整えている」
「我々への工作のそれを」
「そうしていますね」
「こちらの動きを読んで」
「彼は馬鹿ではない」
 連合にとっては実に忌々しいことにだ。
「だからだ」
「暗殺もですね」
「読んでいて、ですね」
「我々への工作の備えを整えておく」
「そうしてきますか」
「確かに消したい」
 ギルフォード、彼をというのだ。
「有能過ぎるからな」
「無能ならよかったですね」
「彼が」
「全くだ、彼が無能ならだ」
 その場合はというと。
「全力で守りたい」
「無能な敵は有能な味方に勝る」
「昔からそう言われていますね」
「スターリンはドイツ軍最高の将軍と呼ばれた」
 それは何故かというと。
「その出鱈目な戦争への介入がドイツ軍を助けたからだ」
「敵である彼等を」
「そうだったからですね」
「そうだ、だからだ」
 まさにそれ故にというのだ。
「彼はドイツ軍最高の将軍と呼ばれたのだ」
「そしてヒトラーもですね」
「一方の彼も」
「あの人物も」
「ヒトラーは連合軍の勝因の一つだった」 
 そのスターリンと並ぶ独裁者の彼もというのだ。
「彼もまた出鱈目な介入を行った」
「戦争への」
「スターリンと同じだけ行っていましたね」
 過度にだ、出鱈目な介入を行っていたのだ。しかも逆らえばよくて更迭であるから将軍達も中々反論出来なかった。ヒトラーに対してもスターリンに対しても。 
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