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ヘタリア大帝国

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9部分:TURN1 殿軍その九


TURN1 殿軍その九

「では今は」
「そうだ。敵の主力を叩こう」
「今敵は五個艦隊です」
 八個のうちだ。三個艦隊を撃破したからだ。
「ここで我々とです」
「第四艦隊を投入するか」
「はい、時は来ました」
 日本は第二艦隊を第一艦隊と合流させながら答えた。
「決戦の時代かと」
「幸い我が軍は今のところ一隻の損害も受けてはいない」
 一方的な戦いだった。今の状況は。
「いい感じだ」
「今回の戦いは勝てますね」
「そうだな。では第三艦隊もだな」
 樋口が率いるその艦隊についても言う司令だった。
「動かそう」
「?そういえば」
 ここで日本はふと思った。それでだ。
 モニターの別の画面、戦局を映しているそれを見た。見ればだ。
 敵の五個艦隊が彼等の二個艦隊の前にいる。そしてだ。
 第四艦隊は彼等の動きに合わせて前に少し出てきていた。彼等から右斜め後方にいた。しかしだ。
 第三艦隊は何故かだ。彼等のすぐ後方にいた。それを見てだ。
 日本は眉を顰めさせてだ。こう言うのだった。
「おかしいですね」
「そうですね。何か」
 モニターに小澤も出て来た。彼女も言うのだった。
「動きがおかしいです」
「これまでの攻撃にも参加してないしね」
 南雲も出て来た。
「何でだろうね」
「おいおい、三個艦隊で攻めるんだろ?」
 田中もモニター越しに言ってくる。
「何でそれで第三艦隊だけ来なかったんだ?」
「しかも私達のすぐ後方にいてです」
「敵には向かわないね」
 小澤と南雲も言う。
「一体どういう考えなのでしょうか」
「かなりおかしくないかい?」
「敵の艦隊が来ました」
 そしてだった。ここでだ。 
 中帝国軍の残る五個艦隊。その主力も来た。それを見てだ。
 司令は日本達にだ。こう命じたのだった。
「では第三艦隊と共にだ」
「はい、総攻撃ですね」
「一斉射撃を仕掛ける」
 今度の攻撃はそれだというのだ。
「そしてそのうえでだ」
「第四艦隊もですね」
「右から回り込み攻撃を仕掛けてからだ」
 彼等が攻撃を仕掛けてだ。それからだというのだ。
「側面から攻撃を仕掛けさせよう」
「そしてそれによって戦局を一気に」
 決める、日本も言った。
「そうしましょう」
「では今から照準を合わせる」
 司令は敵軍の動きを見ながら指示を出した。
「いいな、三個艦隊で一斉射撃だ」
「はい、それでは」
 日本が応える。そうしてだった。
 第一、第二艦隊で敵艦隊に照準を合わせてだった。そのうえで。
 司令が射撃命令を出そうとした。しかしだった。
 突如として後方からだ。光が来てだ。
 第一艦隊、司令の旗艦とその周りを撃った。旗艦は後方からの突然の攻撃を避けきれず複数のビームを浴び忽ち大破炎上した。
「し、司令!後方から攻撃です!」
「我が第三艦隊からです!」
「馬鹿な、味方からだと!」
 艦橋も炎に包まれ多くの将兵が倒れている。司令自身頭から血を流している。
「馬鹿な、何故だ」
「いやあ、すいませんなあ」 
 モニターにだ。ここでだ。
 出っ歯に細くいやらしい目をした不細工な男が出て来た。その男が言うのだった。
 
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