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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1896話

「おいおいおい、いいのかよアルマー。あいつらって、ポートアイランド駅の裏によく行ってるって話だぜ? 知り合いに強い奴がいるとか言ってたしよ」

 女達が消えると、友近が慌てたように俺に向かってそう言ってくる。
 友近は別に喧嘩が強い訳でもないし、その辺りを心配してもおかしくはない。おかしくはないんだが……

「そもそも、お前が扉を鳴らしたりしなければ、向こうに見つかる事もなかったと思うんだがな」
「ぐっ、そ、それは……」
「それに、向こうに目を付けられたのは、あくまでも俺だけだ。もし何かあっても、手を出されるのは俺だけだろ。……多分」

 最後の小さく呟かれた、多分という言葉に友近が顔を引き攣らせる。
 まぁ、正直に俺に喧嘩を売ってくるかどうかは分からないし、もしそんな事になっても俺は負けるつもりはない。
 そんな時、向こうがどうにか俺にちょっかいを出そうとすれば……当然のように、俺には勝てない以上、俺と一緒にいた友近に手を出すという事は十分に考えられる。
 もっとも、ポートアイランド駅の裏に集まっている不良の中で、俺に喧嘩を売ってくるような奴がそうそういるとも思えないが。
 ……寧ろ、あの3人はポートアイランド駅の裏に顔を出すって割には、俺の名前くらいは知っていてもおかしくないんだが。
 何だかんだと、俺はあそこでは有名人なのだから。
 それこそ、向こうから喧嘩を売ってくるとは思えない程に。
 ただ、あそこもかなり人が多いからな。
 何だかんだで俺があそこで有名になったのは、こっちに来たばかりだった頃の、冬だ。
 つまり、俺と直接喧嘩したのは、冬にも関わらず、あそこにいた連中だけ。
 こうして暖かくなってきたから、ようやくあそこに集まる奴も多い訳で……そういうのは、俺の事を噂で知っていても、実際には知らないって奴も少なくはないだろう。
 そういう奴が噂だけ聞いて、俺を気にくわないと判断して絡んでくる可能性は……まぁ、皆無ではない。

「あの……」

 取りあえず向こうに動かれるよりも前に、俺が自分からポートアイランド駅の裏側に顔を出してみた方がいいか。
 そんな風に考えていると、1人の女が俺に声を掛けているのに気が付く。
 誰だ? と考えるまでもなく、それはさっきの3人に絡まれていた女だろう。

「その、助けてくれてありがとうございまいた」
「別に、俺はお前を助けたつもりはないけどな。さっきもあの女達に言ったが、自分で納得してその位置にいるんだろ? なら、別に俺が助けるような手間は掛けない」
「そんな、私は……」

 そう言いつつ、結局それ以上は何も言えなくなったのか、女は去っていく。

「おい、良かったのか?」
「何がだ?」
「……はぁ、まぁ、いいや。アルマーがそう言うんなら、俺からは特に何も言う事はねえよ」

 友近が呆れたように言ってくるが……まぁ、友近には友近で、色々と思うところがあったのだろう。

「それより、さっさと教室に戻るぞ。もうそろそろ休み時間は終わる筈だ」
「え? げ、不味い! アルマー、さっさと行くぞ!」

 そう言う友近に頷きを返し、俺達は教室に戻るのだった。





「おい、お前。アクセル・アルマーだな。ちょっと顔を貸せよ」

 そう言われたのは、ポートアイランド駅の側にあるコンビニに入ろうとした時だった。
 学校が終わり、友近は順平や有里と何やら用事があるという事で、今日は特にやる事もない俺は、長鳴神社にでも遊びに行こうかと、何か適当な食べ物を買おうとしたのだが……
 そんな時に声を掛けられたのだ。
 声を掛けてきた奴に視線を向けると、そこにいたのはニット帽を被って髭を生やした男を始めとして合計五人の男達。
 ……随分と対応が早いな。
 この男達が誰に頼まれて俺を探していたのかというのは、考えるまでもない。
 もっとも、こうして周囲を見回しても、あの女達がいるようには見えないが。
 どうやら、何気にその辺りの危険察知能力は高いらしい。
 てっきり、堂々と俺の前に出てきて自分達を馬鹿にした仕返しをする、といった風に言ってくるかと思ったんだが。
 まぁ、こういう奴はいいカモなのは間違いない。
 別に金に困ってる訳じゃないが、それでも金はあればある程にいいからな。
 ……もっとも、こういう奴が金持ちな訳はないと思うが。

「ああ、顔を貸すくらいは構わないが、面白い内容なんだろうな? 下らない内容だったら、相応の報いを与えるぞ」
「ぎゃはははは! 相応の報いって、お前何様のつもりだよ! お前はこれから俺達に殴られて泣き喚くだけなんだからな!」

 男の中の1人が、面白いギャグを聞いたと言わんばかりに笑い声を周囲に漏らす。
 面白いギャグが。幾月の駄洒落よりは面白ければいいんだが。

「お前達が何を思って俺に喧嘩を売るような真似をしようと思ったのか……その大体の理由は想像出来るが、損な取引をしたな」
「へぇ、自信満々じゃねえか。いいだろう。なら、その自信が根拠のあるものかどうか、しっかりと見せて貰うとしようか。ほら、こっちに来い。ここから少し離れた場所に、人の来ない空き地がある」

 ニット帽を被った男が、俺を見ながら笑みを浮かべつつ、そう告げる。
 この男達の様子を見る限りでは、どうやらこのニット帽がボスらしい。
 そんな男は、俺をじっと見ていた。
 それこそ、隙を探すかのように。
 このニット帽にしてみれば、俺は色々な意味で怪しい奴といったところか、
 ……まぁ、外見だけで見れば、とてもじゃないが強そうには見えないしな。
 だが、それでいながら俺はニット帽の男を怖がっている様子はない。
 最初から俺を口だけの弱い奴と決めつけている他の奴に比べると、それなりに用心深いらしい。
 ともあれ、こうして男が何人も固まっており、ましてやその大半が見た目から不良と分かると、周囲を歩いている者達もじっとこっちを見てくる。
 今はまだ俺の知り合いは誰もいないが、このままここにいる時間が長くなれば、俺を見て誰なのか気が付く奴が出てきかねない。
 ただでさえ、俺は何気に月光館学園ではそれなりに顔を知られている。
 特に、今朝はゆかりと桐条の2人と一緒に登校した事で、かなり噂されたし。
 そう考えると、あの三人の女達は俺の事を全く知らなかったのは……正直、どうなんだろうな。
 それとも、知ってて知らない振りをしたとか?
 まぁ、どのみち何が出来る訳でもないし、それはそれでいいか。
 そんな風に考えながら、俺は男達と共にコンビニから少し離れた場所にある空き地に移動する。
 こうも都合よく空き地とかがあるのかと思ったが、実際にこうして空き地があるのを思えば、何らかの理由があるのだろう。
 月光館学園からそれ程離れていない場所なので、店とかあってもそれなりに流行りそうな場所に思うんだが。
 ともあれ、ニット帽の男は俺を案内するように先頭を、そして他の取り巻き達は俺が逃げないようにと周囲を囲みながら移動する。
 俺が特に騒いだりする様子がなかった為だろう。学校帰りの他の学生達から集中して見られるような事はなかった。
 そうして空き地に到着すると……ニット帽の男が俺と向かい合う。
 その取り巻きの男達も、ここまで来ればもう俺が逃げられないと判断したのだろう。俺の側から離れ、ニット帽の男の周囲に立つ。

「まさか、殆ど抵抗もしないままについてくるとは思わなかったな。まぁ、こっちとしては助かったけどよ」
「別に逃げる必要はないだろ? お前達程度の相手から逃げるなんて真似をしなきゃいけない程、弱いつもりはないし」
「んだとこらぁっ!? ナギさん、舐めてんじゃねえぞ、こらぁ!?」

 ニット帽の男と話していると、その取り巻きの男がそう叫ぶ。
 どうやらナギってのがニット帽の名前らしい。まぁ、あだ名というか、通り名というか……そんな感じなんだろうが。
 にしても、ナギか。まさか名字がスプリングフィールドとかそういうんじゃないだろうな?
 ふと、ネギま世界での出来事を思い出しながら、そんな事を考える。

「お前達みたいな汚い奴を舐める訳がないだろ? 食中毒になってしまうし」

 混沌精霊である以上、食中毒とかそういうのにはならないんだろうが……それでも、こんな連中を舐めたいとは思わない。

「っ!? ざっけんなこらぁっ!」

 その言葉に怒ったのか、取り巻きの男は一気に前に出てこっちを殴りつけようとして近づいてくる。
 だが、喧嘩慣れはしているのかもしれないが、所詮はその程度でしかない。
 また、パンチも腕だけで放つパンチで威力も速度も問題外と呼ぶに相応しい。
 1歩後ろに下がるだけで、取り巻きの男の放ったパンチは、あっさりと空を切る。
 その一撃を回避した後、勢いを付けていた為だろう。一瞬バランスを崩した男の足を軽く刈り取り、地面に転がす。
 男の服装が土に塗れたのを見ながら、そのまま軽く蹴る。
 鳩尾を蹴られた男は、それだけで意識を失い、地面に寝転がる事になった。

「で? 次は誰だ? 1人ずつだと面倒臭いから、出来れば全員纏めて掛かってきて欲しいんだがな」

 俺のような、見かけだけでは到底強そうには思えない奴に馬鹿にされたのが許せなかったのだろう。他の取り巻き連中も、一斉に襲い掛かってくる。

「あ、おい。ちょっと待て!」

 ニット帽だけがそう言って止めようとしているが、ボス格の男の言葉も聞こえない程に怒っているのか、全く気にした様子がない。
 だが、ただでさえ実力で圧倒的に俺に劣っている連中が、頭に血が上った状態で俺をどうにか出来る筈もない。
 結局のところ全員が地面に倒れる事になるのに、そう時間は掛からなかった。

「……化け物か、てめえ」

 ニット帽が、俺を見てそんな風に呟く。
 まぁ、このニット帽も不良としてはある程度の強さを持ってるんだろうが……それはあくまでも喧嘩レベルだ。
 極端な話、今こうして地面に倒れている取り巻きの男達全員が一斉に攻撃を仕掛ければ、ニット帽が勝つというのは不可能だろう。
 もっとも、それはあくまでも真っ正直に戦えばの話だ。
 頭を使って1人か2人ずつしか戦えないような場所におびき寄せるとかが出切れば、また話は違うだろうが。
 ともあれ、普通の人間であれば相手が1人や2人ならともかく、3人、4人となると勝つのはまず難しい。
 それをあっさりと覆した俺は、ニット帽にとっては、言葉通り化け物といった風に見えてもおかしくはないのだろう。

「よく分かったな」

 適当に誤魔化そうと思ったが、何となくそう言ってみたくなってそう告げる。
 まぁ、混沌精霊としての俺の姿を見せれば、間違いなく化け物と呼ぶのは間違いないんだし、そう考えればニット帽の言葉もおかしな話ではない……と思う。
 だが、当然今の俺の姿でそんな事を言っても、向こうはそれを本気にする筈もない。
 いや、寧ろ俺の言葉で改めてこっちを敵として認識したらしく、鋭い視線を向け、構える。
 拳を握り、胸の前で自然と構えるその姿は……恐らくボクシングか何かの経験者といったところか。
 習った格闘技を喧嘩に使うのはどうかと思うが、不良がボクシングをやるってのは、よくあるパターンだしな。
 ともあれ、ニット帽は一切油断する様子は見せず、左右に頭を振りながら近づいてくる。
 にしても、ボクシングか。せめて真田くらいの強さでもあればともかく、この程度の腕前じゃな。
 構えを見た時点で、ニット帽がどれだけの腕を持つのかというのは大体理解出来た。
 本人は自信があるのだろうが、真田には到底及ばないだろう技量。
 ……たまにはこういう奴に付き合うのもいいか。
 こいつらがどんな条件で俺に絡んできたのかは分からないが、その思い上がりをへし折るという意味ではこれ以上の事はないだろう。
 俺の隙を窺っているニット帽に向かい、1歩踏み出す。
 それを見たニット帽が一瞬ビクリと動きを止めたが、それでもすぐに再び頭を振り続け、こちらの狙いを定めさせないようにしたというのは、褒められるべき事だろう。
 だが、そのまま俺が1歩、2歩、3歩と無造作に向こうに近づいていくのを感じると、向こうも我慢出来なくなったのか、やがて拳を繰り出してくる。
 格闘技の中でもトップクラスの速度を持つ攻撃、ジャブ。
 ボクシングの基本とも言われる攻撃だったが、基本だけに極めるのは難しい攻撃だ。
 その鋭いジャブが俺の顔目がけて飛んでくる。
 ニット帽にしてみれば、自分の一撃で俺の機先を制するつもりだったのだろう。
 だが、生憎と……幾らトップクラスの速度を持つ攻撃であっても、俺の目にはしっかりと見えていた。
 そうして見えていた攻撃を回避し……そして、横を通り抜けざまに鳩尾に向かって拳を埋める。
 それだけで、ニット帽は意識を失い、地面に崩れ落ちるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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