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白き竜の少年 リメイク前

作者:刃牙
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全てが終わって

戦いが終わり、船に戻ったハルマ達だったがここで更なる問題が発覚してしまい、船内は騒然としていた

任務の報酬である。今回の任務は夜桜の奪還とアサヒの護衛。後者は成功したと言えるだろう。問題は夜桜の奪還である

「だから任務は失敗だ。俺が夜桜をもらったんだから」

そう。ハルマが夜桜を託された事からこの騒動は起きたのだ

「何があったらそうなるの⁉︎」

「穢土転生とかいう術で蘇った夜桜の前の所有者に貰ったんだ」

「「穢土転生⁉︎」」

ハルマの言葉にオビトとリンの二人が反応した。と同時に一斉に皆の視線が二人に集中する

「知っているの?先生達」

カナが質問をぶつけるとオビトは答えをはぐらかそうと曖昧な返答をする

「いや。昔、聞いた事あるようなないような」

穢土転生というのは禁術に指定されている。考案者は2代目火影 千手扉間だ。この術は生きた者を生贄に死者をこの世に現世させる。その非道さはこの場にいる皆分かっているだろう。だからか、オビトは穢土転生についての詳細を口にするのをためらい、結果としてはぐらかそうとしていた

「別に聞かないさ。あの術の事なんて」

それを汲み取ったのかは分からないが、ハルマは興味なさげにこの話題を打ち切り、レツが最初の話題に話をもっていく

「つー訳で任務半分失敗だな!姫さんの護衛は果たしたけど!」

「でも夜桜は奪還したんだし、成功でいいんじゃない」

カナの言葉にマキトは興奮した様子で怒鳴るように話す

「えーい!夜桜を貰っておいて‼︎そんな事許す筈なかろう‼︎」

そしてアサヒに同意を求めるように見つめる。今までの彼女なら曖昧に言葉を濁し、マキトの言う通りになっただろうが、この一連の出来事を通して少しは変わったのだろう。満面の笑みを浮かべながらマキトが言うのとは正反対の言葉を告げる

「大丈夫ですよ。全額払います♪」

「え〜⁉︎アサヒ様‼︎夜桜を奪っているのに良いのですか⁉︎」

「持っているように言ったのは私ですから♪」

アサヒが今までと違う様子を見て固まっているマキトに三者三様の感想を抱く三人の下忍達

「姫さん話が分かるね〜‼︎」

ノリの良さを絶賛するレツに

「流石新生姫様。ちょっと性格が変わってるわ」

今までと少し。いや、かなり変わっているように思えるアサヒに感心した様子のカナ

「元々片鱗はあったけどな。思い切りの良い所とか。敵地に乗り込むところとか」

そしてさして驚いた様子も見せず、アサヒに元々そういう一面があった事を指摘するハルマ

ただ、三人ともそのアサヒを好意的に受け止めているのは同じようだ





何故リンが怒っているのか、それを理解している下忍達は正座をし、小さくなっていた

アサヒの一声で慰労会が開かれ、今回の任務に参加した者達の楽しそうな声が聞こえる中、ハルマ達はリンに別室で説教を受けていた

レツとカナはワンマンプレーなどについて軽く叱られて終わり、後はハルマだけだ

「そしてハルマ君。夜桜の奪還を出来たのはいいけど」

「相手を消耗させる為とはいえ、高等忍術を何度も受けるなんて。死んでしまってもおかしくないのよ?もうそんな事しちゃダメよ。分かった?」

今、冷静に考えればもう少しやりようがあったんじゃないかとハルマ自身も思うが、あの時はそれしか思いつかなかったのも事実だった。しかし、リンの泣きそうな。本気で心配してくれているのだと分かるその表情を見ると反論する気にはなれず、むしろ申し訳ない気持ちで一杯になる

「・・・・・・すいませんでした」

「うん!任務の達成も大事だけどしっかり三人で生き残る事も考えてね。その為のチームなんだから。でもしっかりとアサヒ姫を守り、夜桜を奪還出来た・・・・のかな?まあ、任務は成功だよ。よく頑張りました!」

第6班 Aランク任務 成功 
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