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ドリトル先生と春の花達

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第八幕その三

「遊べて真剣に詠えて」
「ああした言葉があるのっていいわ」
「そして先生もだね」
「これから英文で詩を作るんだね」
 最後にオシツオサレツが二つの頭で言いました。
「先生が一番親しんでいる言葉で」
「そうするんだね」
「そうだよ、久し振りに作るけれどね」 
 先生も言います、英文の詩について。
「楽しみだよ」
「そうだね、それじゃあね」
「作ってみようね」
「それでどんな詩なのかな」
「和歌みたいなもの?やっぱり」
「うん、五七五七七ではないけれどね」
 この三十一の言葉で詠うものではないというのです。
「英文で三十一の文字で詩にすとなると」
「ちょっと無理があるわね」
「もっと言えばちょっと以上に」
「アルファベットで単語だし」
「ちょっとね」
「そう、漢詩とも違ってね」
 それともというのです。
「英語は単語と単語を合わせて文章となるね」
「だから文字ではなく単語だね」
「単語をどう使っていくかだから」
「三十一の文字で作るものじゃない」
「そこはだね」
「違うよ、けれど和歌を詠う心でね」
 季節、そして人の想いの両方をです。
「作ってみるよ」
「和歌の心で英文を」
「イギリスの生まれの先生が」
「何か凄いことだね」
「滅多に出来ることじゃないわ」
「いや、それが出来るのがね」
 動物の皆は驚いていますが王子はにこにことして言うのでした。
「先生だね」
「そう言ってくれるんだね」
「実際にそう思うからね」
 言ったというのです。
「僕にはそうしたことは無理だね」
「いや、誰でも出来るんじゃないかな」
「そこまでイギリスにも日本にも入っていないよ」
 理解しているのではないのです、先生は理解する以前にその学問や国、文化に入っていくのです。
「先生程は」
「だからなんだ」
「僕には出来ないね」
「いや、僕が出来ることはね」
「僕もかな」
「誰も出来るよ」
 先生は王子ににこりと笑ってお話しました。
「それこそね」
「先生に出来ることは?」
「そうだよ、誰でも出来るよ」
「そうかな」
「僕は天才でもないし誰よりも鈍くて勘も悪いけれどね」
 先生はご自身をそうした人だと思っているのです。
「やってみたらね」
「出来るんだ」
「例え何度失敗してもいいしね」
 そうしたことになってもというのです。
「学問は」
「その失敗から学ぶんだね」
「僕なんてどれだけ失敗したか」
 子供の頃からです、先生は詩や文章、そして実験や研究において数えきれないだけの失敗をしてきたというのです。
「わからないよ、今だってね」
「失敗ばかりなんだ」
「そうだよ、けれどね」
「出来ないんじゃないんだね」
「出来るよ」 
 必ずというのです。
「何度もやればね」
「出来るんだ」
「そう、何も出来ないというのはね」
 この言葉はといいますと。 
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