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BABYLON

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第二章

「そういうのはしないわ」
「退廃的じゃないってことね」
「そうよ、それでそうしたことは」
「あんたもよね」
「ホテルはお金がかかるから」
 正直高校生には利用するには辛い。
「お互いのお家でね」
「そうよね」
「そう、だからね」
 それならだった。
「道玄坂には行っても」
「ホテルには入らないわね」
「お金がないから」
 こう私に行った。
「そうしてるわ」
「そうよね」
「ええ、ただそのホテルについても」
「バビロン?」
「そうなる?」
 繁栄と退廃、崩壊の象徴のだ。
「それかしら」
「東京ってお酒飲める場所も風俗も多いし」
「どっちも高校生には無縁だけれどね」
「普通のね」
 友人はこう付け加えた、二人共そこまで素行は悪くない。
「そうしたことまで手を出してないし」
「そうよね、普通はね」
「けれどそういうのもあるから」
「歌舞伎町なんか特に凄いから」
 新宿だ、大きなカラオケボックスがビルで幾つもあるので私達もよく行くことは行く。カラオケは楽しんでいる。
「だからね」
「やっぱりバビロンなのかしら」
「そうじゃないかしら」
「あの作品的には」
「やっぱりね」
「道玄坂も歌舞伎町も」
「バビロンなのよ」
「じゃあ葛飾も」
 私はあえてここも話に出した。
「そうなるの?」
「寅さんや両さんも」
「バビロンかしら」
「イメージ違うわね」 
 友人は私にすぐに答えた。
「それは」
「そうよね」
「銀座とかは違うけれど」
「あそこはね」
「ええ、バビロンね」
「そう言っていいわね」
 あそこになるとだ、私は友人に頷いた。頷きつつ二人で渋谷にあるあるお店に向かっていた。魔術それも黒魔術をモチーフにしてアクセサリーを売っている洒落れたお店だ。女の子達に人気のお店だ。
 そのお店に向かいつつだ、私は友人にさらに言った。
「一概に東京バビロンと言えない?」
「道玄坂とか新宿とか銀座はそうで」
「葛飾とかはね」
 荒川や板橋、墨田に台東そして中野もだ。私達は二人共家は中野で学校は豊島にある。ただ中学までは別だった。
「バビロンじゃないわね」
「江戸ね」
「そっちよね」
 所謂お江戸だ。
「完全に」
「そうした場所はね」
「一概にバビロンじゃないけれど」
「本当にそうね」
「何というか」 
 そこはだった。
「違うところもあるね」
「そうかも」
 友人も私の言葉に頷いた、二人でそんな話をしながらそのうえでそのお店の前に来た、そのお店は外観がかなり凝っている。
 何かアダムスファミリーというか魔女の館というかそんな感じだ、黒を基調にした西洋のあえておどろおどろしさを出している。看板の文字も独特で黒猫が出てきそうだ。
 その店の中に入るとこれまで黒が基調でルーン文字や何やらが書かれた奇麗だったり可愛らしかったりするアクセサリーが売っている、そのアクセサリー達を見ていてだ。 
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