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ヘタリア大帝国

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168部分:TURN16 南京沖会戦その十

168部分:TURN16 南京沖会戦その十



TURN16 南京沖会戦その十

 だがそれでもビームは来た。それを受けてだった。
 日本軍はダメージを受けた。撃沈される艦艇も出た。
「駆逐艦白雪撃沈です!」
「給養員と衛生員に戦死者が出ました!」
 こうした報告もあがった。
「教養の新米兵士と看護長が戦死です!」
「他の面々は無事ですが補給の兵長も瀕死の重傷です」
「今その兵長が死にました!」
「他にも機関の三十歳の伍長が吹き飛びました!」
「損害は軽くないね」
 白雪の所属する艦隊を率いているのは南雲だった。その南雲が苦い顔で言う。
「白雪もいい船だったんだけれどね」
「はい、ですが沈みました」
「他の乗組員は何とか脱出中です」
「すぐに退艦させて後方に行かせるんだよ」
 南雲はすぐに指示を出した。
「いいね、そうするんだよ」
「わかりました、では彼等はです」
「すぐにそうさせます」
「さて、残った艦艇でね」
 どうするか。南雲はこのことを言った。
「反撃に移るよ。ミサイルは撃てるね」
「はい、何時でも攻撃可能です」
「後は提督の指示だけです」
「よし、旦那も言ってきたよ」
 南雲の乗艦金剛のモニターにだ。指示を出す東郷が映った。それを見てだった。
 南雲もすぐに指示を出した。ミサイルを放たせた。
 今度は日本帝国軍が先に仕掛けられた。それで再び中帝国軍を撃った。それでだ。
 そこから再び突撃してだ。水雷攻撃に移った。日本帝国軍は確かに損害を出した。だがそれでもだった。
 中帝国軍も気付けばだ。その損害は。
「うっ、随分とやられたあるな」
「そうある。ビームを凌いでもだったある」
 中国の兄妹が今の自軍を見てモニター越しに話す。
「三割はやられたあるよ」
「またここまでやられたある」
「やっぱりあれね」
 ランファも困った顔で二人に応える。
「機雷原を突破されたせいね」
「そうあるな。あれで流れを掴まれたあるよ」
「全く。してやられたある」
「まだ数は我が軍の方が上だけれど」
 ランファは指揮官の席から立ったうえで言う。その眉を曇らせながら。
「どうしたものかしら」
「こうなったら正面から数を頼りに攻めるあるよ」
 中国妹だった。彼女が提案した話である。
「まだ。何とかいけるある」
「そうね。それじゃあ」
 ランファも中国妹の言葉に頷いた。そうしてだった。
 中帝国軍は一旦集結して日本帝国軍を正面から押し潰そうとする。しかしだった。
 山本はその彼等の動きを見て楽しげに微笑んだ。そのうえでだ。
 田中の旗艦のモニターに出てだ。こう言ったのだった。
「ではじゃ」
「今からあんたのやり方を見せるってのかよ」
「そうじゃ。まず小魚を使う」
 山本の艦隊にあるだ。それをだというのだ。
「それで敵の司令官の艦隊を叩く」
「敵の司令官はランファ提督だにゃ」
 アストロ猫が山本に言ってきた。
「丁度敵軍の先頭にいるにゃ」
「そうじゃ。だからこそじゃ」
「爺さん、あんた何するつもりだよ」
「戦争に勝つ方法の一つは知っとるじゃろ?」
「戦争の?」
「御前さん風に言えば喧嘩じゃな」
 こうも言う山本だった。その右目を悪戯っぽく瞑ってみせつつ。
「喧嘩で相手の数が多いとどうする?」
「そんなの決まってるだろ。頭を潰すんだよ」
 田中は山本の問いにすぐに返した。
「そうすりゃ終わりだよ」
「そういうことじゃ。それではそのやり方を教えてやる」
「そんなに上手にいけばいいけれどな」
「そういかせるのが喧嘩じゃよ」
 山本はまた右手を瞑って見せて言った。
「では見ておるのじゃ」
「ああ、わかったぜ」
 田中もこう返してだ。そのうえで山本のやり方を見た。見ればだ。
 山本は小魚を出して敵軍の先頭にいるランファの艦隊を攻撃した。その攻撃を受けてランファの艦隊は当然ながら損害を出した。特にランファの旗艦が。
「司令!中破です!」
「動きが鈍ります!」
「くっ、まだよ!」
 部下達の報告を受けてもだ。ランファは怯まなかった。そのうえでだ。
TURN16 南京沖会戦その十

 だがそれでもビームは来た。それを受けてだった。
 日本軍はダメージを受けた。撃沈される艦艇も出た。
「駆逐艦白雪撃沈です!」
「給養員と衛生員に戦死者が出ました!」
 こうした報告もあがった。
「教養の新米兵士と看護長が戦死です!」
「他の面々は無事ですが補給の兵長も瀕死の重傷です」
「今その兵長が死にました!」
「他にも機関の三十歳の伍長が吹き飛びました!」
「損害は軽くないね」
 白雪の所属する艦隊を率いているのは南雲だった。その南雲が苦い顔で言う。
「白雪もいい船だったんだけれどね」
「はい、ですが沈みました」
「他の乗組員は何とか脱出中です」
「すぐに退艦させて後方に行かせるんだよ」
 南雲はすぐに指示を出した。
「いいね、そうするんだよ」
「わかりました、では彼等はです」
「すぐにそうさせます」
「さて、残った艦艇でね」
 どうするか。南雲はこのことを言った。
「反撃に移るよ。ミサイルは撃てるね」
「はい、何時でも攻撃可能です」
「後は提督の指示だけです」
「よし、旦那も言ってきたよ」
 南雲の乗艦金剛のモニターにだ。指示を出す東郷が映った。それを見てだった。
 南雲もすぐに指示を出した。ミサイルを放たせた。
 今度は日本帝国軍が先に仕掛けられた。それで再び中帝国軍を撃った。それでだ。
 そこから再び突撃してだ。水雷攻撃に移った。日本帝国軍は確かに損害を出した。だがそれでもだった。
 中帝国軍も気付けばだ。その損害は。
「うっ、随分とやられたあるな」
「そうある。ビームを凌いでもだったある」
 中国の兄妹が今の自軍を見てモニター越しに話す。
「三割はやられたあるよ」
「またここまでやられたある」
「やっぱりあれね」
 ランファも困った顔で二人に応える。
「機雷原を突破されたせいね」
「そうあるな。あれで流れを掴まれたあるよ」
「全く。してやられたある」
「まだ数は我が軍の方が上だけれど」
 ランファは指揮官の席から立ったうえで言う。その眉を曇らせながら。
「どうしたものかしら」
「こうなったら正面から数を頼りに攻めるあるよ」
 中国妹だった。彼女が提案した話である。
「まだ。何とかいけるある」
「そうね。それじゃあ」
 ランファも中国妹の言葉に頷いた。そうしてだった。
 中帝国軍は一旦集結して日本帝国軍を正面から押し潰そうとする。しかしだった。
 山本はその彼等の動きを見て楽しげに微笑んだ。そのうえでだ。
 田中の旗艦のモニターに出てだ。こう言ったのだった。
「ではじゃ」
「今からあんたのやり方を見せるってのかよ」
「そうじゃ。まず小魚を使う」
 山本の艦隊にあるだ。それをだというのだ。
「それで敵の司令官の艦隊を叩く」
「敵の司令官はランファ提督だにゃ」
 アストロ猫が山本に言ってきた。
「丁度敵軍の先頭にいるにゃ」
「そうじゃ。だからこそじゃ」
「爺さん、あんた何するつもりだよ」
「戦争に勝つ方法の一つは知っとるじゃろ?」
「戦争の?」
「御前さん風に言えば喧嘩じゃな」
 こうも言う山本だった。その右目を悪戯っぽく瞑ってみせつつ。
「喧嘩で相手の数が多いとどうする?」
「そんなの決まってるだろ。頭を潰すんだよ」
 田中は山本の問いにすぐに返した。
「そうすりゃ終わりだよ」
「そういうことじゃ。それではそのやり方を教えてやる」
「そんなに上手にいけばいいけれどな」
「そういかせるのが喧嘩じゃよ」
 山本はまた右手を瞑って見せて言った。
「では見ておるのじゃ」
「ああ、わかったぜ」
 田中もこう返してだ。そのうえで山本のやり方を見た。見ればだ。
 山本は小魚を出して敵軍の先頭にいるランファの艦隊を攻撃した。その攻撃を受けてランファの艦隊は当然ながら損害を出した。特にランファの旗艦が。
「司令!中破です!」
「動きが鈍ります!」
「くっ、まだよ!」
 部下達の報告を受けてもだ。ランファは怯まなかった。そのうえでだ。
 
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