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ヘタリア大帝国

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148部分:TURN14 マジノ線攻略その十


TURN14 マジノ線攻略その十

「遂にこの時が来た」
「わかっています。では私の艦隊で今から攻撃を仕掛けます」
「狙うのは要塞だけでいい」
 そのだ。マジノ線だけでいいというのだ。
「一つずつ的確に破壊してくれ」
「了解しました」
 エルミーはドクツ軍の敬礼でマンシュタインに応えた。
「それでは今より」
「頼む。ではだ」
「はい、ジーク=ハイル」
 この言葉と共にだ。エルミーは一旦モニターから消えた。そのうえでだ。
 彼女の艦隊は密かにマジノ線に向かう。しかしだ。
 連合軍はこのことに気付いていない。それでだった。
 目に見えるドクツの艦隊を見てだ。オフランス軍の提督達はこんな話をしていた。
「例え奴等がどれだけ強くともだ」
「そうだ。このマジノ線は越えられない」
「この要塞線は艦隊では越えられない」
「例え百個艦隊が来てもな」
「越えられるものか」
 こう言ってだ。彼等は安心しきっていた。そしてだ。
 彼等は安心しきったその顔でだ。こんなことも言った。
「どうだろう。今のうちにだ」
「食事か」
「それをしておくか」
「敵はもう少ししたら来る」
 だからだ。その前にだというのだ。
「だからその前にだ」
「そうだな。昼食を摂るか」
「そうしようか」
「祖国殿に妹殿もお呼びしようか」
 彼等にとっての祖国はフランスである。その彼とその妹も呼ぼうというのだ。
「そしてそのうえでディナーを楽しむか」
「悪くないな。それではな」
「お二人をお呼びしよう」
「そして楽しもう」
 その昼食をだと話してだ。彼等は実際にフランス兄妹を呼んでだった。豪華なディナーを食べはじめた。しかしだった。
 その食事中にだ。エルミーは遂に要塞線に接近した。その中でだ。
 エルミーはその狭い艦橋の中でだ。己の部下達に問うた。
「見つかっていませんね」
「はい、今の時点でもです」
「敵のレーダーにはと捉えられていません」
「全くです」
「そうですか。では我々は」
 敵に気付かれていない。全くだというのだ。
「このままですね」
「いよいよ攻撃にかかれますね」
「その彼等に」
「マジノ線に」
「そうです。これより我々はマジノ線に攻撃を仕掛けます」
 まさにそうするとだ。エルミーは真剣そのものの声で答えた。
「今より」
「では各艦には極秘無線を送ります」
「そうします」
「そして打ち合わせ通りそれぞれの人工惑星に攻撃を仕掛けます」
 マジノ線を構成しているだ。その人工惑星達にだというのだ。
「宜しいですね」
「では今より」
「ジーク=ハイル」
「ジーク=ハイル」
 総統への忠誠の言葉も言い合いだ。そのうえでだった。
 彼等はそれぞれの惑星に向かう。そしてだ。
 攻撃を仕掛けた。装填している鉄鋼弾をだ。撃ったのだ。
「撃て!」
「撃て!」
 何もない筈の宙域からそれを放った。すると。
 要塞線は次々と攻撃を受けてだ。爆発を起こしていった。それを見て連合軍の将兵達は驚きを隠せない。そしてそのうえで混乱しながら言い合った。
「な、何っ!?」
「事故か!?」
「いや、事故にしては多過ぎる!」
「ドクツ軍の攻撃だ!」
「間違いないぞ!」
 このことは察しがついた。しかしだった。
 
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