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ヘタリア大帝国

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144部分:TURN14 マジノ線攻略その六


TURN14 マジノ線攻略その六

「無理がある」
「そやな。ここはやっぱり」
「一戦交えて駄目なら撤退する」
 オランダは内心を隠してベルギーとエイリスの提督達に告げた。
「そうする」
「わかったで。ほなな」
「まずは一戦交えて」
「そのうえで撤退しましょう」
 まさに撤退が前提の戦だった。こうしてだ。
 彼等もまた迎撃の用意に入る。ドクツ軍は自分達の射程に入るとだ。
 すぐに一斉射撃を浴びせてきた。そしてだ。
 ベートーベンの艦隊は右、連合軍から見て左手に回ってくる。そうしてだ。
 側面から攻撃を浴びせる。連合軍の八個艦隊はそれでかなりの数を減らした。
 だがこのドクツ軍の射程と機動力を活かした攻撃を受けてだ。オランダはこう全軍に言った。
「今のうちにだ」
「はい、撤退ですね」
「そうしてですね」
「そだ。損害は最低限に抑える」
 やはり本心を隠してだ。こう答えるオランダだった。
「いいな。マジノ線まで逃げる」
「わかりました。それでは」
「今より」
 こうしてだ。連合軍は呆気なく撤退した。オランダでの戦いはドクツ軍の勝利に終わった。
 だだシュテテルンは緒戦の勝利ににこりともせずだ。こう言ったのである。
「ではだ」
「惑星を占領してずらな」
「そのうえで、ですね」
「そうだ。マジノ線に向かう」
 そうするとだ。ルーマニアとブルガリアに話した。
「そうする。ベルギーだが」
「そちらは既に占領したとのことだ」
 ベートーベンがモニターからシュテテルンに言ってきた。
「ロンメル元帥がな。北欧諸国を率いられてだ」
「わかりました。ではですね」
「ルクセンブルグは無血開城した」
 ベネルクスで唯一戦力不足で参戦できなかったこの国もだ。既にだというのだ。
「そちらはオーストリア殿、ハンガリー殿が入られた」
「そうですか」
「ベネルクス三国の占領は終わる」
 ドクツの完勝だった。まさにだ。
「そしてそのうえで我々はマジノ線に向かうがだ」
「我等は陽動ですから」
「陽動は陽動として動こう」
「はい」
 シュテテルンはベートーベンの言葉に応えた。
「是非共。そうしましょう」
「そうだ。ではな」
 こうしてだ。ドクツ軍はオランダを占領した。こうしてベネルクスでの緒戦は終わった。
 だが戦いはこれからだった。そのマジノ線にだ。
 オランダもベルギーも入った。その二国をだ。
 イギリスともう一人フランスが迎える。フランスがまず二人に言う。
「ああ、大変だったな」
「一戦交えて撤退してきた」
「そやから損害はそれ程でもないで」
 それは大丈夫だとだ。二人はフランスに返した。
「そだから心配すな」
「戦力はあるさかいな」
「そうだったらいいんだけれどな」
 フランスは二人の言葉を聞いて納得した。今彼等は要塞の中にいる。
 それでだ。フランスはすぐにこう言ってきた。
「それでな」
「このマジノ線か」
「どや、っちゅうんやな」
「そうだよ。かなりのものだろ」
 フランスは胸を張って二人に言うのだった。
「この要塞ならドクツの奴等が幾ら来てもな」
「そだな。この要塞は破られない」
「絶対にやな」
「このマジノ線は難攻不落なんだよ」
 胸を張って言うフランスだった。
「例え誰が来てもな」
「そうだな。これだけの要塞はな」
 フランスと共にいるイギリスもだ。彼のその言葉に頷く。
 そのうえで上はダークブルー、そして下は赤の目立つ軍服の彼にだ。こう言ったのだった。
「幾らあのドクツの奴等でもな」
「絶対に抜けないからな」
「どんな軍でもだな」
「だからここで勝てるんだよ」
 フランスは勝利を確信していた。彼等の勝利を。
 
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