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ヘタリア大帝国

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142部分:TURN14 マジノ線攻略その四


TURN14 マジノ線攻略その四

 そして表情は変えていないが不機嫌な様子でだ。こう言ったのである。
「そう言ってるか、あいつ等」
「まあ意地悪い見方すればそやな」
「そんなことは好かん」
 声に感情を出しての言葉だった。
「俺は国民と一緒にいたい」
「それは国家として当然やな」
「それは御前もだろ」
「うん、そやで」
 ベルギーは困った顔になってオランダに返した。
「うちかてな。やっぱりな」
「国は捨てたくない」
「どうしてもな。けれどや」
「勝つ為にはか」
「そうするしかあらへんからな」
 ベルギーは腕を組み背中を曲げてだ。困った顔になっていた。
 そしてその顔でだ。こう言ったのである。
「しゃあないわ」
「そか。それなら」
「兄ちゃんもそれでええな」
「仕方ないわ」
 憮然としてだ。オランダは妹に答えた。
「そうする」
「ほなまずはエイリス、オフランス軍と合流して」
「そっからドクツ軍と一戦交える」
「そうすんで。まあおおよそは前の戦争と同じやな」
 一次大戦、その頃とだというのだ。
「ドクツ軍が来てや」
「オフランスまで迫る」
「そこでエイリスとも一緒になって戦うんや」
「しかし今回はマジノ線がある」 
「そや。そやからかなりちゃうで」
 ベルギー達にとって有利だというのだ。それもかなりだ。
「安心して戦えるで」
「そだな。それなら」
「出撃や」
 ベルギーは一先ずの敗北を念頭に置きながらも明るく言った。
「そんでドクツ軍と戦うで」
「わかった。そんでドクツ軍は」
「絶対にうち等のところからオフランスに入るで」
 ドクツ軍の侵攻ルートにはだ。ベルギーは確信があった。
「そこしかないからな」
「そだな。後はアルデンヌがあるが」
「アルデンヌはあかんからな」
 ベルギーは明るい顔でアルデンヌについてこう言った。
「あの暗礁宙域は軍艦は通れんで」
「ああ。あそこは無理だ」
「でかい船はな。小さい船でも苦労するから」
「それだけにあそこは安心していい」
「マジノ線に正面から来るドクツ軍が相手やで」
「どんだけ速うても強うても来る方がわかっていれば」
 それでだというのだ。
「何も怖くない」
「そうそう。この戦いうち等の勝ちやで」
「ドクツ軍、幾ら強うても」
 どうかとだ。オランダはその目に強いものを宿らせて述べる。
「そんでも。マジノ線があれば」
「うち等の勝ちや」
 こう話してだ。彼等は戦いに目を向けるのだった。
 オランダとベルギーは出撃しオランダ星域に布陣した。その数はそれぞれ国家艦隊を含めて二個艦隊である。合わせて四個艦隊である。
 その四個艦隊にエイリスから応援が来た。彼等は四個艦隊だ。
 その四個艦隊でドクツ軍を待つ。そのドクツ軍の指揮官は。
 シュテテルンだった。彼女は己の旗艦から敵軍を見てだ。こう言った。
「では戦闘開始だ」
「わかったずら」
「じゃあ攻撃にかかりましょう」
 そのシュテテルンの旗艦のモニターにだ。ルーマニアとブルガリアが出て来た。それぞれの表情で彼女に対してだ。こう応えてきたのだ。
「そんでずらが」
「僕達はこのままですね」
「そうだ。オフランスに入りだ」
 そしてだというのだ。
 
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