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シベリアンハイキング

作者:和泉書房
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タルクセナート
  町を離れて

男たちと一旦別れ宿に戻り、一通り荷物をまとめ馬にまたがる。通りを北へ進み、街並みが徐々に途切れる位になったところで墓場が見えてきた。先ほどの男とその従者と思われる者たちが待っている。「ここからしばらくかかる、ついてきてもらおう。」そう言うとリーダー格の男はゆっくりと馬を進めた。
タルクセナートの気候は今でこそ視界不良を起こすまでの日当たりの悪さであるが、元は豊かな草原地帯であった。町を出ると濃い緑が続く世界である。ユスフを案内しているこの男は背丈が約180センチくらいで、歳はユスフより上。恐らく四十半ばである。名をドミトリーと言った。ドミトリー。西方の名前だが、見る限り恐らくタタール人で、それも大分東の方の顔立ちで髪は黒く、目鼻立ちは平たい。そして、切れ長の目が瞳を確認させることを難しくさせていた。特に気にはしないが、明らかに偽名である。ドミトリーの他に五人。その五人全てが黒い布を顔に巻き付けているので鼻から下は見えず声を出すことも無い。背格好は皆小柄で、頭髪は黒い。恐らく皆ドミトリーと同じタタールの者である。
暫く進むと川にぶつかり、それに沿って山の方へ向かうのであった。 
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