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ヘタリア大帝国

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132部分:TURN13 オフランスへその五


TURN13 オフランスへその五

「あの人で。本当に」
「相棒、ちょっとはイタちゃん達に優しくなれよ」
「少なくとも見捨てたことはないが」
「御前はイタちゃん達に厳し過ぎるんだよ」
「そう言う相棒こそ甘過ぎるだろ」
 実はイタリンという国自体にだ。極めて甘いプロイセンなのだ。
 それでだ。彼は今もこう言うのだった。
「あんないい奴等いないだろ。あのよさがわからねえのか?」
「確かに悪い奴等ではない」 
 ドイツもこのことは認めた。
 しかし暗澹たる顔をそのままにしてだ。こうも言ったのだった。
「だがそれでもだ」
「弱いってんだな」
「しかもいい加減だ」
 イタリア達だけでなくだ。その上司についても言った言葉だった。
「それもどちらもかなりだ」
「それでもローマ帝国の末裔だぜ」
「ローマ帝国の孫か」
「それに妹さん達もいるだろ」
 ドイツも認めるだ。彼女達もいるというのだ。
「大丈夫だって。いざとなれば助ければいいじゃだろ」
「だから何故そんなに簡単に言える」
「俺イタちゃん達好きだからな」
 見事にだ。プロイセンは言い切った。
「だからだよ」
「そうか。それ故にか」
「そう言う相棒だってイタちゃん達が困ってたら絶対に助けてるじゃねえか」
「放っておけないからだ」
 ドイツもドイツでだ。実はイタリア達を嫌ってはいなかった。
「だからだ。ロマーノにしてもだ」
「結局相棒は優しいんだよ」
「ううむ、しかしな」
「素直になれって。イタちゃん達はかつて一緒に住んだ仲じゃねえか」
「神聖ローマか」
「だろ?だから仲良くやろうぜ」
 あくまでだ。プロイセンはイタリア達にはフレンドリーである。
「そんな暗い顔にならなくてもいいだろ」
「そうだな。イタリアはいい国だ」
 ロンメルも出て来てだ。プロイセンの言葉に微笑んで賛成してきた。
「あの気候も料理も音楽もだ」
「確かにいいものだが」
「そうだな。では祖国殿も彼等に素直になってくれ」
 ロンメルはドイツに対して言った。
「そして何かあれば助けよう」
「助けることについてはやぶさかではない」
 ドイツ自身もだ。実はそうだった。
「それで何処に攻めるのだ、あいつは」
「北アフリカらしいな」
 プロイセンが答える。
「そこに攻めるみたいだね」
「北アフリカ。あの場所か」
「砂嵐の酷いところだ」
 ロンメルがドイツ達に北アフリカについて話した。
「戦うにはいささか辛い場所だ」
「そうだったな。砂嵐か」
「あの辺りは砂が多い」
 ロンメルはそれは北アフリカだけではないと言った。
「そこでイタリア君達がどう戦うかだな」
「君付けなのだな」
「実は俺もイタリア君達は嫌いではない」
 それはロンメルもだった。ドイツに微笑んでの言葉だった。
「むしろ好きだ」
「そうか。ロンメル元帥もか」
「妙な愛嬌がある」
 ロンメルはイタリア達のそのキャラクターについても指摘した。
「だから嫌いじゃない」
「それはそうだが」
「ではイタリンの参戦を歓迎しよう」
 ロンメルも言うのだった。こう。
「そしてそのうえでだ」
「ああ、総統閣下のコンサートがはじまるな」
「それに出席するか」
 こうしてだ。彼等はレーティアのコンサートに出席する為に会場に向かった。しかしだ。
 レーティアはまたしてもだ。嫌そうな顔で傍らに控えるグレシアに言っていた。二人は今は車の中にいる。総統用の頑丈で質素な造りの車だ。
 
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