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ヘタリア大帝国

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129部分:TURN13 オフランスへその二


TURN13 オフランスへその二

 そしてだ。こう言ったのだった。
「あの地でも」
「スエズは交通の要衝です。それだけにです」
「既得権益が多いですね」
「はい、そこが問題です」
 モンゴメリーもだ。このことを指摘したのだった。
「我々軍が戦おうとも彼等は積極的には動かないでしょう」
「エイリスの危機だけれどね」
 エリザはやれやれといった感じで述べた。
「彼等はそれよりもね」
「そうです。自分達の権益の方が問題です」
「というよりそれしか考えていないから」
「困るのです」
 こう述べるのだった。
「それも実に」
「そうですね。どうしたものか」
 セーラは再び暗い顔になった。そうしてだ。
 今度はだ。政策のことを言ったのだった。
「本当に出来るならです」
「ええ、貴族達の権益を抑えてね」
 エリザもだ。娘のその政策に同調して言ってきた。
「そしてその腐敗を何とかしたいと思っていたけれど」
「この状況では」
 戦争になった、それではとてもだった。
「そちらにまで余力を避けることはできません」
「じゃあさ。あれなの?」
 マリーもいた。今度は彼女が姉に問うた。
「今は貴族の人達放置なの?」
「仕方ありません」
 沈んだ顔でだ。セーラは妹にも答えた。
「今はどうしようもありません」
「ううん。外も大変だけれど」
「中もです」
 憂いに満ちている、それが今のエイリスだった。
 そしてこのことはだ。祖国であるイギリスも言うのだった。
「俺もなあ。実は敗戦だけじゃなくてな」
「恐慌や貴族達の腐敗が、ですね」
「身体を痛めつけてるんだよ」
 実際にだ。身体のあちこちに痛みを感じながらだ。イギリスはセーラに話した。
「正直女王さんが改革を言ってくれたのは嬉しかったよ」
「貴方の為を思ってのことですから」
「だよな。けれどな」
「はい、今の状況ではです」
 戦争になっている、とにかく今はそれに尽きた。
 それでだ。セーラは己の祖国に対しても述べたのだった。
「何もできません」
「国内の改革はなあ」
「まずは戦いに勝利を収めてからです」
「ああ、ドクツにな」
「それにイタリンもです」
「ここで若しもな」
 イギリスはここでだ。眉を顰めさせた。そのうえでこの危惧を上司達に話した。
「日本帝国と。アジアで揉めたら」
「日本ですか」
「やっぱりまずいよな」
「今の私達は一杯一杯よ」
 エリザがイギリスのその危惧に答えた。
「とてもね」
「だよな。オフランス戦と北アフリカでな」
「そこにアジアまで加わったらどうなるのかしら」
 マリーもだ。そうなった場合を考えた。それはエイリスにとって悪夢だった。
「僕達大丈夫かな」
「問題はガメリカと中なんだよ」
 イギリスはこの二国を問題とした。
「あの連中が日本を挑発してるからな」
「彼等のあの行動は危険です」
 セーラもだ。このことは深く憂慮していた。そのうえでの言葉だった。
「日本帝国と。ガメリカが戦争になれば」
「同盟関係にある俺達もな」
「自然に彼等と戦争状態になります」
「だよな。ガメリカは勝てると思ってるみたいだけれどな」
 だからこそ日本を挑発しているのだ。
「けれどそれでもな」
「戦争になれば。私達はそこに戦力を割かなくてはなりません」
 セーラが憂いているのはだ。このことだった。
 
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