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ドリトル先生と春の花達

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第五幕その二

「やっぱり」
「何か変わってるかな」
「別に変わってないんじゃ」
「これまでとね」
「別に」
「そう思うけれど」
 それでもというのでした。
「僕達も気付かないうちにね」
「そうなってる?」
「ひょっとして」
「そうなっているのかしら」
「そうかもね、まあ君達が実際にどう思ってるかはわかったから」
 だからだというのでした。
「ちょっとこっちで調べてみるね」
「うん、頼むよ」
「先生からもね」
「そうしてね」
「僕達も御飯が美味しい方がいいから」
「虫達がね」
 小鳥達も言います、何はともあれでした。
 先生は学園の虫達について調べて小鳥達にその味の変化についてお話することにしました、ですが。
 研究室に入るとです、いつも一緒にいる皆が聞きました。
「あの、何かね」
「僕達が見ても一緒だよ」
「この学園変わってないよ」
「前とね」
「これといってね」
「そうだね、虫の味が変わってるって」
 これがというのです。
「理由があるけれど」
「何で味が変わるか」
「そこが気になるわ」
「どうにもね」
「そこが」
「お水か土か草か」
 先生がその変化の根拠を求めたのはこうしたものでした。
「そうしたものかな」
「それで変わった?」
「それでなの?」
「変わったの」
「虫の味も」
「同じ種類の生きものでもその食べるものや飲む水、住んでいる環境でね」
 そうしたもの次第でというのです。
「変わるからね」
「だからなんだ」
「虫も味が変わる」
「それじゃあだね」
「その辺りを調べたら」
「わかるんだね」
「うん、ただこれは」
 先生は真剣に考える顔で言いました。
「かなり時間がかかりそうだね」
「学園全体の土やお水を調べるから」
「だからだね」
「草まで調べる」
「そうするから」
「この学園は広いしね」
 このこともあってというのです。
「調べようと思ったらね」
「そうなるんだね」
「かなり時間がかかるんだ」
「じゃあ小鳥さん達に約束したけれど」
「このことは」
「約束は守るよ」
 先生はとても誠実な人です、ですからこのことは絶対だというのです。
「論文それに和歌会のこともしながらね」
「それでだね」
「そちらもやっていくんだね」
「そうだね」
「うん、そうするよ」
 そちらもというのです。
「暇を見付けてね、そしてね」
「じっくりとだね」
「やっていくんだね」
「そうするよ」
「うん、ただ虫の味はね」
 トートーが言うにはです。 
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