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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0214話『代行提督長門の提督記録』

 
前書き
更新します。 

 




ふぅ……今日もいい天気だな。
私、長門は執務室の椅子に座りながら外の景色を眺めていた。
いま、なぜ私がここに着席しているかというと、現在提督があくなき自身の練度上げのために演習に出て行っているからである。
だから私がその間は大淀とともに提督ではなくても片付けられる軽い作業をやっているのだ。
まったく……提督代行とはいえいつもこの時だけは柳葉大将から電話はかかってくるなよ?といつも念じている。
もちろん柳葉大将も提督が演習に出ているのはご存知なのだがたまに礼儀知らずが電話をかけてくるから厄介物なのだよな。

「大淀よ。提督はなにをそんなに焦っているのだろうな……?」
「長門さん、いきなりどうしました?」
「いやなに……別にいいのだが最近は駆逐艦達の練度を急上昇させるために色々と手を回しているそうじゃないか」
「そうですね。もうすぐ浦風さんも練度が70になりますので残り17人となりますね」
「それだ」
「はい……?」
「提督はなぜそうも残りの子達の練度を気にしているのか気になってな」
「その件ですか。なんでもみんな平等にしてあげたいという提督の願いでして……」
「ふむ、そうか」

なるほどな。
提督も中々考えているようだな。
私はそう感心しながらも提督が演習から帰ってくるのを待っていた。
そして少しの時間が経過して、

「長門、今戻ったよ。いつもすまないな」
《戻りました。長門さん、いつもありがとうございます》

提督と榛名がそう言って謝ってくる。
だから私も素直に答える事にした。

「なに、大丈夫さ。いつもの事だからな」
「そうか。それとなにか重要な電話とかはあったか?」
「いや。今のところはそんなものはなかったよ」
「わかった。それじゃ長門、お疲れさま」
「ああ。それでは今日はこれで終わりにしておこうとしておきたのだが……今日は私が秘書官なのでな。なにか頼りたいことがあったら言ってくれ」
「わかった。その時になったら言わせてもらうよ」
「うむ」

ちなみに提督は普段は海軍の士官服に身を包んでいるが演習や出撃時には榛名の恰好で行っている。
心構えの問題のようで榛名の恰好の方が気合が入ると言うらしい。
それでは着替えに面倒ではないか……?という事を前に聞いた事があるがその件に関しては妖精さんの助けがあって解決した。
それは艤装を展開すると海軍服から榛名の恰好へと一瞬で着替えられるように明石とともに開発したとかなんとか……。
明石のやつもたまに暇を持て余してはなにか実験しているがこういうのも作れるんだよな。さすが工作艦というところか。


―――閑話休題


私は提督に席を譲って今日の仕事が始まった。
提督は大淀から本日の書類などを受け取って確認する作業を行っている。
初めの頃に比べれば慣れたものだな。
最初は目を通すのも嫌々やっていたものだけど今ではもう自身の仕事として割り切っているようだしな。

「長門、ここはどうすればいいと思う……?」
「どれ……貸してみろ」

私は提督から相談を受けて書類の一枚を受け取る。
こういうのも頼ってもらえるのは嬉しいものだよな。
この世界の最初の大規模作戦までは一人で出来ないと情けないと感じていたのか提督は一人で片付けようと奮闘していたんだけど一人でできる限界をそれで知ったのかもうだいたいは大淀とかと一緒に作業を行うようになったからな。

そして今日の任務も滞りなく終わらせていく提督の手腕には少しだが惚れ惚れしていた。
本当に……慣れたものだよな。
もとがただの一般人とは思えない成長具合だ。
私としても誇らしく思えるよ。

「よし。今日の大方の任務は終わったな。大淀、他に重要な案件とかはあるか?」
「はい。大本営からの電文で明日になにやらどういう内容かはまだ分かりませんが新しい取り組みを取り入れるという旨が記載されていました」
「大規模作戦前のテコ入れというところか」
「おそらくは……」

ゲームで言う新しいシステムというところか。
まさか西村艦隊が七人だから六人から七人編成にできるような取り組みとかだろうか……?
六人編成だとなにかと限界を感じてしまうからな。

「なにかは分からないが楽しみにしておいた方がいいだろうな。大本営も最近は役立つ情報をよく出してくれるからな」
「そうですね。私もそれで色々と助かっていますから」

提督と大淀がそれで笑みを浮かべあっている。
この二人は大体仕事では一緒にいるから意思疎通ができているんだよな。少し羨ましくも思いながらも、

「提督よ。おそらくだが私の予想では七人編成にできるように調整が入るのではないかと思うのだが……」
「七人編成か……ありえそうな話だな。そうすれば西村艦隊の面々を全員投入できることになるからな」

西村艦隊の悲願とも言うべき全員であの悪夢を乗り越えるという感じの発想。
私としても嫌いではない。
ぜひあいつらには乗り越えてほしいところだからな。
私がしみじみとそんな事を思っている時だった。
そこで扉が開いて、

「ヘーイ! テートク、グッドモーニングデース!」

金剛が執務室に突撃してきた。
うーむ……いつも思うのだが金剛は邪魔をしに来ているのか分からない状態だな。
でも提督も特に気にしてはいないのか(慣れたのか……?)普通に対応しているし。
それから他にも何人か執務室にやってきては提督と楽しく会話をしている。
少し軍隊としてはダメだと思うけどこれがうちの艦隊では普通の光景だからな。
適度にゆとりを取っているのが分かる感じだな。
そんな感じでお昼になったのか提督は立ち上がって、

「大淀、長門もお昼に行こうとするか」
「そうだな」
「わかりました」

私はそれで食堂に行く準備をしていたのだがそこで提督がなにかを思いだしたのか、

「そうだな。長門、少し時間いいか?」
「む? どうしたのだ提督よ」
「ああ。長門は今日は進水日だったよな。だからこれを受け取ってくれないか?」

提督から進水日のお祝いの品を受け取って突然の事で少し驚いたが、

「ありがとう提督。気持ちよく受け取っておくとしようか」
「ああ。そうしてもらえると嬉しいよ」

内心の喜びをなるべく出さないように私は笑みを浮かべる。
本日の秘書官の仕事が終わって部屋に帰ったらさっそく陸奥に自慢してやらないとな!


 
 

 
後書き
10日の小さいアップデートではなにやら七人編成が実装されるとかなんとか……。
ついに来たかという感じですね。



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