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ヘタリア大帝国

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11部分:TURN1 殿軍その十一


TURN1 殿軍その十一

「そうそう容易には」
「何、戦い方はあるさ」
「では大丈夫なのですか?」
「少なくとも連中は止めてみせる」
 東郷は確かな顔で日本に答える。
「そのうえで奴等に満州にも侵入させない」
「いえ、それまでは流石に」
「何、敵にダメージを与えれば侵攻できる戦力もなくなるからな」
 それでだというのだ。
「それだけのことはしてみせるさ」
「ではここはですか」
「ああ、俺に任せてくれ」
 モニターから日本を見て言う東郷だった。
「ここはな」
「わかりました。では私は軍をまとめて撤退します」
「三個艦隊、頼むな」
「そして東郷が後詰に入られて」
「やってみる。それじゃあな」
「後はお任せしました」
 こうしてだ。日本は動ける艦艇を何とかまとめて下がりはじめた。そしてその前にだ。
 東郷が率いる第四艦隊が入りだ。迫り来る中帝国軍の五個艦隊の前に立ちはだかった。
 そしてその状況でだ。東郷は指示を出した。
「一斉攻撃だ。ビームだけじゃなくな」
「ミサイルも鉄鋼弾もですね」
「そうだ。ありったけの攻撃を仕掛けろ」
 総攻撃をだ。かけろというのだ。
「それで敵を止める。それからだ」
「どうされますか、そのうえで」
「動けなくなっている艦艇のことを祖国さんに知らせてくれ」
 その艦艇のこともだというのだ。
「引っ張っていてもらう」
「将兵は一人でも多くですね」
「全員を助けるのは無理でも一人でも多く何とかしないとな」
 それでだというのだ。
「だからな。祖国さんに伝えてくれ」
「わかりました。では敵の足止めをして」
「引っ張れる艦艇は連れて行く」
 そして中にいる将兵も救うというのだ。
「何とかな」
「わかりました。では祖国様にお伝えします」
「さあ、見せ場だな」
 東郷はさらに前に来てきている敵の大軍を見ながら言った。
「ここで俺達が敵軍を防げばヒーローだな」
「あの、そんなことを言っている場合ではありませんが」
「何、俺は運が強くてな」
 それでだとだ。東郷はその余裕の笑みで秋山に述べる。
「そう簡単には死なないんだよ」
「司令の悪運の強さは私も知ってますが」
「安心しろ。この戦いでは死なないさ」
 東郷は秋山に尚も話す。
「そして満州にも侵入させない」
「そのお言葉信じさせてもらってもいいですね」
「俺と祖国さんだけは疑うなっていつも言ってるな」
「はい、それならです」
「俺を信じろ」
 東郷は前を、敵の大軍を見ながらまた言った。
「絶対に防ぐからな」
「では」
 こうしてだ。その敵の大軍と対峙する東郷だった。その後ろでは。
 日本が大急ぎでだ。敗残兵を集めていた。
「動けない艦艇もです」
「はい、引っ張っていきましょう」
「何とかいけそうなのは全部つないだよ」
 小澤と南雲が日本に応える。二人の動きは素早かった。
「では今から」
「撤退開始だね」
「そうします。では田中さん」
 日本は田中に対して声をかける。
 
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