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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章誕生!最強ライダー編
  第25話『神崎兄妹』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
ワールドホープの力で、復活したアークオルフェノクから、巧を救出した雅は、協力してアークオルフェノクを倒し、ファイズの世界を救った。


「みんな、映る物は全部覆い隠したか?」
「うん。」
雅の指示通り、映りこむ物をチームディロードは総出で包み隠した。
「ところで、どうしてこんなことを?」
フェイトは雅に質問する。
「さて、これで全部だね。」
雅達は座る。
「仮面ライダー龍騎の世界は、少々厄介なことに、人々を襲うミラーモンスターは鏡が水面などの映りこむ物全てに潜んでいる。少しでも気を抜けば鏡の世界、ミラーワールドに取り込まれて2度と帰ってこれなくなる。」
「それじゃあ、その龍騎って仮面ライダーはそのミラーモンスターから人を守る為に戦っているんですね。」
圭一は雅に質問する。
「いや、厄介なのはここからだ。ミラーワールドに入れる仮面ライダーは、全部で13人。それぞれが皆、自分の願いを叶える為に、その力を振りかざしている。ある者は植物状態の恋人を救う為、ある者は不治の病を治す為、ある者は怒りのぶつけ処として、ある者は力を求めて、ある者は幸せを求めて、理由は様々だが、明確に人を守っていたのは龍騎だけだ。」
「何で仮面ライダーが戦い合うんですか!仮面ライダーは人を守る為に戦うんじゃないんですか!」
「それは、この世界のルールの所為だ。この世界の仮面ライダーは、変身出来る権限を得る前にミラーワールドのマスターから一つ質問を受ける。戦ってでも勝ち取りたい願いはあるか?と。それを受け入れた者のみが本来仮面ライダーとなって戦う資格を得る。そして、同時にその仮面ライダー同士で殺し合いをするライダーバトルに参加させられる。」
「どうしてそんなことを!人を殺してまで、叶えたい願いなんて無いはずです!」
「それでも、そんな罠に引っ掛かるのが、人間の感情ってものだ。」
雅と圭一が話しをしていると、
「雅、気になったんだけど、そのミラーワールドのマスターは、何でそんなことをしようと思ったの?」
フェイトが雅に質問してきた。
「そうだな、ミラーワールドのマスター、神崎士郎には妹がいた。それがミラーモンスターの生みの親、優衣だ。あの兄妹は親から虐待を受けていて、ある部屋に監禁されていたんだ。その時に、当時子供だった士郎は押し入れから画材を取り出して、優衣に絵を書かせた。人は外に出ないと会えないけど、今から書く生き物達は鏡の世界のお友達。鏡があればそこから現れるんだ。と言って。そうして鏡の世界の生き物は増えていった。しかし、ある日神崎邸は火事になり優衣は多量に煙を吸ったことによって呼吸器疾患を起こして命を落としてしまう。士郎はその時願った。たとえどんなことをしてでも優衣を取り戻したい。その願いに呼応するようにミラーワールドと現実世界の扉が開き、ミラーワールドの優衣が現実世界の優衣と入れ替わった。ただし、二十歳になったら完全に消滅することを条件に。その日から、士郎の戦いが始まった。まずはミラーワールドを開く方法。そして、そのエネルギー。研究を続けた士郎はついにミラーワールド内に命を具現化させる事に成功した。そして、それを基に様々な生物を作り出したが、生まれたのは理性の無い怪物だけであった。士郎は考えた。どうすれば優衣に新たな命を与えられるのか。そして士郎は閃いた。このシステムを利用し、ミラーワールドの中でも生き残れる強靭な精神と命をミラーワールド内で物質化し、それを優衣に与えようと。士郎はミラーワールドに関する実験を何度も繰り返し、ミラーワールドと現実世界を行き来するシステム、ライダーデッキを13個完成させた。しかし、その実験の途中で士郎は事故で命を落としてしまい、その想いだけが、ミラーワールドに残った。その時に士郎は思いついた。このモンスター達と自分が選定した12人を戦わせて、最後にこちらで用意した番人と戦ってもらう。負ければやり直し。勝てばそいつの命を優衣に渡せばいい。そうして始まったのがライダーバトル。ミラーワールドだ。全ては、一人の男が、妹を救う為に─」
雅はフェイト達に説明をした。
「それで、今は?」
「どうやら、ライダーバトルは終わりを告げ、ミラーモンスターがいる事を除けば、平和な世界になっているらしい。僕の役目は、そのミラーモンスターの駆除のようだ。行ってくる。」
雅はそう言い、出ていった。

「さて、状況を確認するならあそこかな。」
雅は、マシンディローダーを走らせ、かつて龍騎とナイトが住み込みで働いていた喫茶店、花鶏に向かった。
「いらっしゃい。」
雅が店に入ると、中年の女性が出迎えた。
「ダージリンのセカンドフラッシュで。」
雅はカウンター側の席に座り、注文をする。
「はいよ。」
店員はそのまま作業に入る。その間、雅は横に目を向けると、仲の良い男女が写った写真が何枚か飾られていた。
「あちらの写真は、息子さんですか?」
雅は答えを知りながら質問する。
「私の甥と姪よ。今頃、どこで何をしているやら。」
「きっと、元気でやっていると思いますよ。」
「あら、気の利くことを言うのね。それに一見さんでしょ。今日は半額でいいわ。」
店員は注文の品を出す。
「そんなわけにはいきませんよ。」
「いいのよ。私がいいって言っているんだから受け取りなさい。」
「ありがとうございます。」
雅は、店員の好意を受け取る。
「美味しいですね。」
「あら、それはどうも。前に同じ注文をしたお客さんがいたけど、口も付けずに帰ったわ。お兄さん、口が上手いのね。」
「いえいえ、僕は口下手ですよ。」
雅は店員と世間話をしながら一息つき、
「どうも、ごちそうさま。」
雅は勘定を終えて、ミラーモンスターの捜査を続行した。
「こうやって見ると、映る物って多いんだな。」
雅は呟く。すると、ビルのマジックミラーが揺れ、中から何かが飛び出したかと思うと、雅はマシンディローダーごとその中に吸い込まれていった。

「痛っ。」
ミラーワールドに吸い込まれた雅は叩きつけられる瞬間に受け身を取って直撃は避けたが、やはり完全にダメージを消すことは出来なかった。
「さて、これは少々厄介だな。」
雅が立ち上がると、目の前には白鳥のミラーモンスター、ブランウィングと、コブラのミラーモンスター、ベノスネーカーがいた。
「この二体か。それならこいつの出番か。」
【CHANGE RIDE-UNIT GUYBER ACT Ⅰ-】
雅はディロードライバーにガイバーⅠの殖装(変身)アイテムのカードをスキャンし、ディロードライバーは雅と一体化する。
「来い、ガイバー!」
雅が叫ぶと、その体からアクアブルーの生体装甲が出現し、雅を覆い包み、雅はガイバーⅠの殖装を完了させる。
「行くぞ、高周波ブレード!」
ガイバーは右手首に刃を出現させてベノスネーカーに挑む。
「いくらミラーモンスターが強くても、これならいけるはず!」
ガイバーは高周波ブレードを振りかざす。ベノスネーカーは尻尾のサーベルで弾こうとするが、量子分解を行うガイバーの刃に為す術も無く切り裂かれ、ベノスネーカーは悲鳴のような鳴き声を挙げる。
「今がチャンスだな。」
ガイバーは高周波ブレードでベノスネーカーを切り刻んでゆき、
「とどめだ。ヘッドビーム!」
ガイバーは額の球体から量子分解のビームを放ち、ベノスネーカーの頭部を破壊し、ベノスネーカーを撃破。そのままヘッドビームを撃ち、ブランウィングの翼を撃ちぬき、ブランウィングを撃ち落とす。
「一気に終わらせる。胸部開口砲(メガスマッシャー)!」
ガイバーは胸部装甲を開き強力な熱線を放射。ブランウィングを消滅させる。
「さて、どうやって帰ればいいのだろう。」
雅は変身を解除し、辺りを見渡す。すると、
「お前が、世界を破壊するライダー、ディロードか?」
声が聞こえ、雅が振り向くと蝙蝠の仮面ライダー、ナイトがいた。
「何故?ライダーバトルは終わり、ライダーデッキも無くなったはず…」
「ある男が教えてくれた。この世界にある男が現れ、世界を破壊すると。そして、俺はその男からこれをもらった。」
ナイトは話しつつも雅を攻撃しようとする。
「鳴滝か。あなたはその男に騙されているだけです!」
「仮にそうだとしても、俺がせっかく手にした恵理との日々を邪魔する奴を放置する気は無い!」
〈SWORD VENT〉
ナイトはソードベントのカードで槍型の武器、ウィングランサーを召喚し、雅を攻撃する。
「話を聞いてもらえそうに無いようですね。」
雅はロードスラスターでその攻撃を受け止める。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「こうなれば、一度叩き伏せるしか無いみたいですね。」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはロードスラスターにスラッシュのカードをスキャン。ロードスラスターの刀身の両側にエネルギーの刃が出現する。
「どうだ!」
ディロードは横薙ぎの一閃を放つがナイトは軽々と避け、
〈NASTY VENT〉
ナスティベントをスキャン。契約モンスターのダークウィングが現れる。
「やばい!」
【ATTACK RIDE-ARMED SABER-】
ディロードは装甲声刃(アームドセイバー)のアタックライドをスキャンし、ロードスラスターを装甲声刃に変える。
「ハァッ!」
ディロードは装甲声刃の音擊増幅装置に声を放ち、ダークウィングも同時に超音波を放つが、音同士がぶつかり合い、音波は消滅する。
「なかなかやるな。さすが、世界を破壊しに来ただけのことはある。」
「ですから、僕は世界の崩壊からこの世界を救う為に来たと何度言えば納得していただけますか!」
「そんな言葉、信用できるか!」
「あなたにそのデッキを渡した男は信用出来て、ミラーモンスターに襲われて自衛した人のことは信用出来ないのですか!」
ディロードとナイトの刃が激しくぶつかり合う。すると、
「止めるんだ、ナイト。」
「蓮、やめて!」
神崎士郎、優衣の兄妹が現れ、ナイトを止める。
「神崎士郎!それに優衣!どうして止める!」
ナイトは士郎の言葉を聞き、戦いの手を止める。
「その男は、再び開いたミラーワールドと現実世界の扉を閉じる為に来てくれた。本来、お前と共に闘うべき存在だ。」
「じゃあ、このデッキを渡し、俺の記憶を復活させた男は!」
「ナイト、お前は根底からずれている。そのデッキは、この世界のパラレルワールドから持ってきた模造品。今頃、そのデッキの世界が大変なことになっているだろう。」
「だが、それでも恵理は救える。」
「無駄なことだ。パラレルワールドが崩壊すれば、この世界も近い将来同じ結果になる。こちらの世界にはもう無いデッキがあるんだ。当たり前だろう。」
「そんな…騙されていたのか!」
ナイトは叫ぶ。すると、
「ディロード、余計なことをしてくれたな!」
鳴滝と、アスムが現れる。
「鳴滝!蓮さんにデッキを渡して再び仮面ライダーにさせたり、その蓮さんを僕と戦わせたり、何が目的だ!」
「ディロード、君の存在は危険そのものだ!消えてもらう!いけるか、アスム君?」
「はい。あれがディロード…なんて禍禍しいんだ。変身!」
アスムは音角を鳴らして仮面ライダー響鬼に変身する。
「そうきたか。パラレルワールドの模造品が相手なら、本物の強さを教えてやろう。」
【CHANGE RIDE-ONKAKU-】
ディロードは音角のカードをスキャン。ディロードライバーは音角に変わり、雅の変身は解除されるが、雅は音角を共鳴させて、仮面ライダー響鬼に変身する。
「僕と同じ姿に!負けるものか!」
響鬼(アスム)は走ってゆくが、
「言ったはずだ。本物を見せてやると。響鬼、装甲!ハァァァァ~…」
ディロード響鬼は装甲声刃を起動させ、ディスクアニマルが響鬼を攻撃しながらディロード響鬼の装甲となり、ディロード響鬼は装甲響鬼にパワーアップする。
「その姿は一体?!」
響鬼(アスム)は立ち上がりながら驚く。
「これが本物の力だ。さて、時間も無い。一気に終わらせる!鬼神、覚声!ハァ~ァァァアッ!ハァッ!」
装甲響鬼は声の波動を放ち、響鬼(アスム)をその勢いで次元のオーロラに叩き返した。
「なるほど。そこまで強くなったか。今日はこの辺で退こう。さらばだ!」
鳴滝も次元のオーロラに入り、出て行く。
「やばいな。時間がもう無いな。」
雅は自身の手が粒子化し始めるのを見て呟く。
「ディロード、これを使え。」
士郎は、雅にブランク状態のデッキを渡す。
「片道切符にはなる。早く出るんだ。」
「ありがとうございます。」
雅は一礼だけして、ミラーワールドから脱出する。
「危なかった。」
雅は呟く。
「お前、子供だったのか!」
ナイトも変身を解除し、雅の姿をよく見て蓮は驚く。
「はい。」
「何故戦っている。」
「僕の本来いた世界は、僕の願いの所為で崩壊してしまいました。だから、崩壊しそうな、救いを求めている世界を救う為にこの力を使う。そう決めただけです。」
「そうか。」
蓮は短く言う。すると、
「あれ、あんた達さっきあのビルの鏡から出て来たよね?説明してもらえる?」
かつて龍騎として戦った青年、城戸真司が現れ、雅達に質問する。
「ここはこれの使い時か。蓮さん、城戸さんに真実を教えて大丈夫ですか?」
「大丈夫だろ。城戸は馬鹿だし。」
「わ、解りました。この白紙のカードを持って、願いを込めて下さい。蓮さんも、お願いします。」
雅は真司と蓮に白紙のカードを渡す。
「集え、世界の願い。」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER RYUKI-】
雅は龍騎の世界のワールドホープを発動。すると、
「…あれ?蓮、俺、あの時モンスターから子供を守って死んだよな?どうなっているんだ?」
真司はかつて龍騎だった時の記憶を取り戻した。
「城戸、話したいことは山ほどある。だから少し付き合ってもらうぞ。」
「ああ。ありがとな。」
真司と蓮はそのままどこかへ行ってしまった。
「こういうのも、ありか。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードで古手神社の宝物庫に帰った。

【SOUL RIDE-KAMEN RIDER RYUKI-】
「今回は早いな。」
雅が帰宅すると、座る暇も無くソウルライドが発動した。
「俺の記憶を取り戻してくれてありがとう。おかげで知りたいことが全部わかった。」
「次来る時は迷惑かけるな。とりあえず、礼は言っておく。」
「蓮、もっといい言い方無いの?私とお兄ちゃんの世界を守ってくれて、ありがとう。」
「ディロード、気を付けるんだ。今、様々な世界に謎の負荷がかかり初めている。注意しておくんだ。」
士郎の言葉を最後に、ソウルライドは終了。リセットの力で龍騎の世界とのリンクは途切れた。
「次の世界は、仮面ライダーアギトか…」
絵巻には、白い服の青年と黒い服の青年が向かい合う絵が描かれていた。
to be continued

次回、仮面ライダーディロード
闇の青年によってアギトの力を奪われた翔一達。雅は、希望の力で救えるのか?次回『取り戻すアギトの力』戦わなければ生き残れない! 
 

 
後書き
新カード紹介
ユニットG ACTⅠ:ディロードライバーをユニットGに変え、ガイバーへの殖装を可能にする。
装甲声刃:ロードスラスターにスキャンすることで、ロードスラスターを装甲声刃に変える。
変身音叉 音角:ディロードライバーを音角に変えて、仮面ライダー響鬼に変身するためのカード。
スラッシュ:ロードスラスターにスキャンすると、刀身の両側に次元エネルギーの刃、ディメンションプレートが出現する。
仮面ライダー龍騎(ワールドホープ):ライダー達がかつてのライダーバトルの記憶を取り戻す。 
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