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【凍結】剣製の魔法少女戦記 外伝・ツルギのVividな物語

作者:炎の剣製
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007話『リオのシホとの初邂逅』

 
前書き
更新します。 

 




今日はあたしとコロナ、キリヤにシンと一緒にヴィヴィオとツルギ君が来るのを待っているんだ。
なにかわからないけど大切な人と会ってくるとか言う話だったかな……?
そこのところはあたしは詳しく知らないのでコロナとかに聞いてみる事にしよう。

「ねぇコロナ?」
「なに、リオ……?」
「ヴィヴィオとツルギ君が会いに行っている人ってどんな人か知ってるの?」
「あー……そこらへんはあんまり詳しくないんだー。でもヴィヴィオとツルギ君にとっては大切なお友達とか言う話だよ?」
「へー……」

あたしより友達歴が長いのに話していないなんて相当大切な友達なんだね。
それならそのうち紹介してくれるかもしれないね!と思って後の楽しみで取っておくことにしよっと。

「それよりよー、リオって強いんだろ? 少し運動した後に勝負しねーか?」
「あら~……アホキリヤに負けるほどあたしは弱くないわよ?」
「なんだと……? やってみねーとわかんねーだろ!?」
「そうは言うけどねー……あたしってば由緒正しい道場で育った身だから強いよー?」
「そ、そうなのか……?」

それで少し狼狽えるキリヤ。
いやー、この反応を見るとキリヤもまだまだ練習見習い程度の実力なのかなと勝手に測っているあたしがいるけど学園以外でのキリヤも知らないから一度はやりあってみるのもいいかもしれない。

「り、リオ……キリヤ君もそのへんにしておこうよ。そんな喧嘩腰だと後が持たないよ?」
「そうだよ。少し落ち着こうか」

コロナとシンがあたしとキリヤを宥めてきたのでここらが潮時かなと感じたので、

「そうだね! まぁあたしの事を聞いただけで狼狽えるくらいなんだからそんなに強くないんでしょ?」
「言ってろ。俺だって強い人に特訓してもらってんだからな?」
「へー……? それって誰の事なの……?」
「聞いて驚けよ。なんてったって俺が師事しているのはなー――――……」

キリヤがどこか自慢そうに語りそうになっているところで「リオー! コロナー!」というヴィヴィオの声が聞こえたのでキリヤがなにかを言っているようだけどそれを流してあたしは「おーい!」と叫んでいた。
なにやらキリヤはそれで少し残念そうにしているけどヴィヴィオ達の方を見てニヤリと笑みを浮かべた。
な、なによその笑みは……?
シンとコロナもなにやら「うんうん」としきりに頷いているし……。本当に何なの?
だけどヴィヴィオとツルギ君と一緒にいる人たちを見て次第にあたしも少し緊張してきたのがわかった……。
少し活発そうな女性二人は誰か分からないんだけど……その中に一人目立つ人がいた。
それは四年前にあのミッドチルダの事件で大活躍して時の人となった人物、『シホ・E・S・高町』さんが一緒にいたからだ。
手に汗が浮かぶのが分かる……。
あんな大物が普通に歩いているのも驚きだけどどうして一緒にいるんだろう?

「みんなー! おまたせ!」
「遅れてごめんね」

ヴィヴィオとツルギ君はどうやらあたしのこの反応は気づいていないようだけど、ど、どうしたらいいんだろう?
シンやコロナは普通に話しているし……。

「リオ? リオー? どうしたの?」
「はっ!?」

そこであたしが少し意識が持ってかれていたのに気づく。
キリヤが悪意ある笑みを浮かべながらも、

「おう、どうしたんだリオー? 緊張しちまったのか……?」
「な、なんでもないわよ! そ、それよりはじめまして! 去年の学期末よりヴィヴィオやツルギ君達とお友達になりましたリオ・ウェズリーです!」
「おう! お前が噂の格闘娘か。あたしはノーヴェ・ナカジマだ。でこっちが……」
「妹のウェンディっす! そして最後に登場しますわ……」
「ウェンディ、その役者めいた流しは何か嫌よ? まぁともかく私はシホ・E・S・高町よ。よろしくね」
「は、はい!」

あたしはシホさんとがっちりと握手をさせてもらって少し舞い上がっていた。
だってあたしの目標の一つの人が目の前にいるんだから舞い上がらない方がおかしいってものだ。

「あの! あたし、シホさんの事を憧れていまして! いくつかシホさんの事を調べたんですけど我流の武術を使うとかなんとか……!」

あたしは何を言っていいのかわからないけど、だけど必死に言葉を紡んだ。
だけどシホさんは少し優しい笑みを浮かべて、

「少し落ち着いてリオちゃん。大丈夫よ、私は逃げないからゆっくり話しても」
「あ、はい……わかりました」

やっぱり落ち着きのある大人の女性だなぁとさらに憧れを抱いたのは言うまでもない事だった。

「あはは! やっぱり思った通りの反応だったな!」「まぁそれに関しては異論はないよ。僕も初めてシホさんと会った時には少しどころかかなり驚いたからね」
「そうだね。私も今ではシホさんに創成について教わっているしお師匠さんみたいなものだからね」
「聞いて驚け! 俺はシホさんに教わっているんだ!」

どうやらキリヤもシンもコロナもシホさんが来ることが分かったのかそれぞれ自分の時の感想を述べているようだった。
自慢げなキリヤがなんか憎たらしくて同時にいいなぁー……という感想も持ってしまう辺りあたしも相当みたいらしい。

「もしかしてヴィヴィオとツルギ君も……?」
「まぁうん。僕の方は魔術のお師匠様だからね」
「わたしもシホさんに独自のストライクアーツとは違った武術を教わっているかな……? もちろん、ノーヴェにもしっかりとストライクアーツも教わっているからわたしには二人のお師匠さんがいる感じだね」
「よせやい。あたしだってまだまだ見習いだからな」
「またまた。ノーヴェさんだってかなりの腕じゃないですか。僕も足技を教わっている身としては尊敬しているんですよ?」
「いよっ! お師匠様!」
「ウェンディ、てめぇ!」
「「「あはは!」」」

なにやらみんなで騒ぎ始めているし。
羨ましいなぁ……。早くあたしもあの輪に溶け込みたい。
でも……ああ、そう言えばツルギ君って14年前から増え始めた魔術師でもあるんだっけ?
シホさんって色んな事を出来るんだなぁと少し感心していた。
ノーヴェさんに関しては以前から伺っていたけどこうしてみるとみんなからシホさんの話題を聞かされるのはこれが初めてだなと少しだけ疎外感を感じていたり。

「ヴィヴィオ達ってば羨ましいなー……こんないい人が教えてくれるなんて」
「それならリオちゃんもたまにはうちに来る? ヴィヴィオの家の近くだから」
「いいんですか!?」
「ええ。公務員の仕事で家にいない時の方が多いけど休日や夜なら大体はいるから」
「それじゃその時はよろしくお願いします!」
「ええ」

シホさんからも快く返事を貰えたのであたしも早くみんなと同じ距離で走れるように頑張りたいと思った。

「そんじゃそろそろ着替えるか。シホさんの登場で少し周りも騒ぎ始めた頃だしな」
「そうですね」

確かに、見回してみれば少しだけ人だかりができていた。
目的はやっぱりシホさんみたいで女性のふぁんらしき人達がキャーキャー騒いでいる。

「それじゃみんな、また後でね!」
「うん」

それであたし達はツルギ君達と別れて着替えに一旦だけどそこであることに気づく。

「ねぇヴィヴィオ。ツルギ君ってあっちで着替えて大丈夫なの……?」
「あはは……そこはやっぱり思うよね。でも大体が常連さんだからもう慣れたらしいよ?」
「ふーん……?」










僕たちは更衣室に入っていったんだけど案の定の反応があちこちから聞こえてきた。
認めたくないけど見た目女の子の僕が男子の更衣室に入っていくのは少しおかしいみたいに感じられるみたいだ。

「まぁ、気にすんなってツルギ。俺とシンが見張っておいてやるからよ」
「そうだよツルギ。だから普通に着替えていいんだからね?」
「うん、二人ともありがとね」

僕は二人に感謝しながらもパパッと運動着に着替えて腰まである長い髪をゴムで縛って運動の邪魔にならないように整える。
これだけで普通の着替えなんだろうけど……、

「おいおい……なんで女の子が男子の更衣室で……?」
「ばっか! あの子はれっきとした男の子だよ!」
「男の娘……?」
「なんか違う聞こえ方に感じたんだけど……?」
「とにかく可愛いなぁ……」

外野からそんなひそひそ声が聞こえてきて僕は思わず身震いする。
キリヤ君とシン君も少し苦笑いを浮かべながらも、

「大丈夫だ……お前は俺が守るからな」
「おいキリヤ。お前もなんかどこか様子がおかしいが大丈夫か……?」
「大丈夫だ、問題ない」

どこかキリッとしたキリヤ君を見て本当かなぁ……?と少し疑ってしまう僕がいた、と。
ここではシン君だけかもしれないな、まともなのは。

「ま、いっか。僕はれっきとした男の子だからね!」
「ツルギ……どこかそのセリフに自己暗示に近いものが入ってないか……?」
「気のせいだよ、シン君」
「だけど……」
「気のせいだよ、シン君」
「わかった……」

よかった。やっと分かってもらえたよ。

「それじゃいこうか!」
「おう!」
「うん」

僕たちは練習場へと向かっていった。 
 

 
後書き
前半はリオで後半はツルギを書きました。
そのうちバカテスみたいに性別:ツルギとかネタで出したいですね。




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