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十月の嵐

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第四章

「茸を沢山使ってトマトとガーリックも入れた」
「オリーブオイルは欠かせないね」
「それと鮭のムニエルね」
「秋だからだね」
「それとデザートは葡萄ね」
「秋だから」
「そう、それか葡萄のお菓子ね」 
 それを買ってだ。
「盛大に飲みましょう」
「ゲームをしながら」
「そうしましょう」
 こう彼に言った、プールの中で。
「帰ったらね」
「いいね、じゃあね」
「ええ、プールを出て」
 もう充分泳いだ、それでこれ以上泳ぐつもりはなかった。
「そうしてね」
「スーパーに行こうか」
「そうしましょう」
 こう彼に言った。
「これからね」
「じゃあスーパーまで車で行こう」
 ここまで来た車でというのだ。
「そうしよう」
「そして茸色々買って」
 オリーブオイルとガーリックは買い置きがあるからよかった、これでも料理は好きなのでそうしたチェックも忘れていない。
「そうそう、トマトに鮭と」
「デザートもだね」
「買ってね」
 そしてだった。
「お部屋で作るから」
「いいね、僕も手伝うよ」
「二人で作りましょう」
「仲良くね」
 二人で笑顔で話した、そしてだった。
 私達はプールを出てシャワーを浴びてからスーパーに行った、そこで食材を買ってそうしてだった。
 お部屋でお料理を作ってから飲んだ、お酒はワインにしてパスタ用の赤とムニエル用の白を用意した。
 パスタを食べつつだ、彼は向かい側に座る私にこんなことを言った。
「いや、茸っていいね」
「旬のものだから」
「うん、秋はね」
 何といってもという言葉だった。
「茸だよ」
「トマトも旬じゃなかったかしら」
「そうだったかな」
「ええ、確かね」
「じゃあこれもだね」
「うん、旬のもので」
 それでだ。
「いいね」
「そうね、何時でもあるけれど」
 ハウス栽培のお陰だ、本当に有り難いものだ。
「やっぱりお野菜や果物はね」
「旬のものだね」
「それが一番美味しいわ」
「そうだね」
「うん、それでね」
 私はさらに言った。
「何かね」
「何か?」
「パスタとワインも組み合わせもね」 
 グラスの赤ワインを飲みながら彼に言った。 
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