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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第六章 Perfect Breaker
  Exclude/消失


今までのあらすじ

フォンの戦線離脱。
それにより、残る敵はただ一人となった。


アーヴ・セルトマン


なのは、エリオ、まどか、ほむらの四人を退け、今なお蒔風を相手にして余裕を見せる。

これまでは前座だった。
真の敵が、ついに動き出す。


------------------------------------------------------------



「ぐあ!」

「おいどうした蒔風!!その程度で終わるお前ではないだろう!!」

セルトマンの蹴りが、蒔風の腹部にクリーンヒットする。
地面を転がり、それでも雷旺弾を指先からバラバラと放って攻撃する蒔風。

それを片腕で軽く払いながら、セルトマンが蒔風へと歩を進める。


「ようやっと、ここまで来た」

長かった、本当に長かった。
ここまで来るのに、どれだけの時間を要したことか。

自分自身の時間もそうだし、「こうなって」初めてわかるだけの時間の流れもあった。


「古く先祖の時代から、俺の代までの遥かな時。その末に、ついに俺は到達し、循環して流転する」

めぐるセルトマンの魔力循環。
だが、彼の言うには自分の浪費した魔力を再度循環利用しようなどという、そんなちんけなものではないらしい。


(そりゃそうだ。その程度の能力で、大聖杯の魔力を使ってあれだけのことを成し得るなんて到底不可能だしな・・・)

苦い顔をしながら、蒔風がなおもセルトマンと攻防を続ける。

とはいえ、正確にいうのであれば、現在の蒔風はセルトマンに「攻防を続けてもらっている」というのが、一番正しい表現なのだが。


「どうした!俺の力を考えるより、とにかく倒せばいいジャンだったんだろ?やってみろよ。一応言っとくけどな、それがわからないと俺を倒すことは絶対に不可能だ!!」

「世の中、絶対は――――」

「ない!!!」

「がっ!!」


調子に乗って大笑いするセルトマン。
その後頭部に、唯子の蹴りが叩き込まれた。

ズシャア、と顔面から地面に倒れこむセルトマンを、さらに踏みつけて三人が蒔風のもとへと駆け寄っていく。


大丈夫ですか、と翼刀が心配し
間に合いましたね!と唯子が笑い


「調子のって何やってんだこの馬鹿が!!!」

そう叫んで、ショウの掌が蒔風の頭を派手にはたいた。
スパァン!!といういい音がして、ガクンッとその頭が揺れる。


「いったぁ!?」

「当たり前だ。エリオたちを引き離せればそれでいいのに、何戦い続けてんだよこのウスラトンカチ!!」

「ウスラトンカチはねぇだろうが。俺は薄くもノロくもトンカチでもねぇっての!っつか、あいつらは無事か?」

「まあな。今セイバーたちとあっちに戻ってる」

なら一安心、と口論も収まり蒔風が一息をつく。
と、頭をさすりながら立ち上がるセルトマンに視線が向く。


「いてて・・・・」

「・・・あの」

「なに」

「私、確かレヴィンで頭蹴り飛ばしたんですけど」

「ん、ああ。無形の刃ね。うん、ザックリいったよ」

そう言って、しかしそんなことはなかったかのようにさらりと言いのけるセルトマン。
後ろのほうでは蒔風が「レヴィンって何?」と聞いているのに、翼刀が簡単に説明していた。



「ああうん。俺の身体はお前ら人間とは違うんだよ。俺を殺すには、俺と同等の肉体でなければダメなんだよ、これが」

「・・・どういうことだ」

「ネタバレ厳禁ですよ、っとぉ!!」

一連の会話ののち、放たれるセルトマンの魔力弾攻撃。
ただ単純に魔力を塊として手から――――というよりは腕からはなっているだけなのだが、その威力がシャレにならないほどの爆発力を秘めている。


まず、質量を得た、単純な魔力の物質としての威力。
そして次に、着弾後に爆発する威力。

まるで特撮か戦争映画の一幕だ。
絶え間なく降り注ぐ爆弾の嵐に、蒔風たちは散って駆けまわり回避することしかできない。


『おい、なんかわかったか?』

『なにも。結局、あいつは未知数だ』

「かんけーないっすよ!!」

「翼刀?」

念話で交えるショウと蒔風。
だが、それを翼刀の一喝が遮って体を揺らす。


「敵が正体不明だからって、わけわかんない野郎だからって、とにかく敵ならぶっ飛ばす!!そうでしょう!!」

「そうそう!!うじうじ考えて責めないなんて、お二人らしくもないですもんねぇ?」

「・・・・・」

「・・・・・」


翼刀が怯むことなく叫び、唯子が軽く挑発するようにニヒヒと笑って発破をかける。


そして、二人はセルトマンへと突っ込んでいった。

唯子の全身から吹き出す気力にレヴィンが宿り、そのすべてが刃となって縦横無尽に伸びてセルトマンへと突撃する。
と、同時に翼刀の刃幕も合わさって、怒涛の攻撃が開始された。


そして、先に懐に飛び込んできたのは


「ばぁっ!!」

「ッ!!」「んな!!?」

セルトマンである。
飛んでくる刃幕に、レヴィン。

それを回避、もしくは無視して突撃してきたセルトマン。


標的は唯子。
ある程度扱えるとはいえ、手に入れたばかりのレヴィンは即座に反応することもできず


「くっ!!」

だが、翼刀がそれを阻む。
唯子の頭上へとジャンプして、真下にヴァルクヴェインの切っ先を落ろす。

そこにちょうど良くセルトマンが突っ込んできて、ヴァルクヴェインの面に触れた瞬間。


「不動っ!!」

「はぶっ!?」

剣を通じて放たれた不動拳に顔面を打たれ、変な声を上げて後ろへと飛ぶ。

そして着地した翼刀がしゃがみ、ヴァルクヴェインの切っ先を後ろにして肩に乗せた。
それに応じて、唯子は即座に跳ねヴァルクヴェインの上に。

それを確認して、翼刀が肩を支点にヴァルクヴェインを振りおろし―――――


「行けッ!!」

「行くッ!!!」

綺堂唯子が、射出される。

セルトマンが顔面を打たれ、視線を前に直した時にはもう遅い。


「ダァッ!!」

「ぎっ!!!」

唯子の振りかぶった、思い切りの一撃。
その一撃がセルトマンの胸のど真ん中に命中した。

ゲハッと、肺の空気と少量の唾液を吐き出し、セルトマンの身体がよろめく。

さらにそこに追い打ちをかけるように、翼刀が追い付いてアッパーを食らわせた。


足が地面から浮く。
それを実感するだけで、セルトマンはさらに顔面の一撃で地面に帰ってきた。

ビダンッ!!と頭から落ちて、身体が追い付き、地面を跳ねるセルトマンの身体。


そうして浮き上った身体を唯子が掴んで持ち上げ、頭上に掲げてレヴィンを纏う。


「レヴィン、モード・破城鎚!!!」

「が―――ヴっ!!!」

ドンッッッ!!と地面と大気が爆ぜる。

セルトマンを持ち上げた右手はまっすぐ真上に。
その前腕部から地面に向かって、四つの足がつっかえ棒のように伸びている。
そしてパイルバンカーと同じ原理で、ズガンッッ!!と大地を支えにして、セルトマンの身体が上空へと打ち上げられた。


が、その空中浮遊も即座に終わった。
打ち上げられて一秒としないうちに、翼刀の振りかぶったヴァルクヴェインの一撃で叩き切られ、地面へと落下していったからだ。


炎を纏った翼刀の一撃に、セルトマンの腹が裂かれて地面に落ちる。
唯子の巻き上げたものとセルトマン落下の時との、両方の土煙で落下したセルトマンの姿が見えなくなってしまう。


「どう?」

「手応えはあったぜ」

ふぅ、と息を漏らす翼刀。
そして、油断なく土煙を睨みつける。


容易すぎる

これがあれだけ苦戦した、五人の完全の親玉だって?
最初に蒔風をボロボロにして、幾度かのショウとの戦いで勝ってきた男?


そんなはずはない。
こんなに簡単に倒せるはずがない。

この程度でやれるのであれば、この戦いはとっくのとうに終わっている。



「唯子、一旦――――」

退がろうか
そう続けようとした翼刀の言葉は、唯子の背後に表れていたセルトマンの姿で失われた。

「―――――!!!」

セルトマンの手は、唯子の首へと向けられている。
左右から掴み掛り、捻り折ろうとする動きだ。

翼刀の表情に唯子も背後のセルトマンを察したが、間に合わない。
そして、セルトマンは


ゴッ―――ォンッッ!!!

「下手な手で触れんじゃねぇよ。セクハラだぞ」

「その程度じゃなかったけどな」

吹っ飛んできた大気の塊に、同じような速度で吹っ飛んで行った。

ハッとして翼刀がその反対方向を向くと、十五天帝と魔導八天を振り上げている二人の姿が。



「ったく、翼刀に言われちまうとは俺らも焼きが回ったか」

「まったくだ。相手の未知数にビビってたらキリがないもんなぁ?」

トントン、と自分の剣で肩を叩いて歩んでくる二人。
唯子と翼刀の間を抜けて、起き上がるセルトマンに切っ先を向ける。


「お前と同等の存在じゃなきゃ殺せないって?」

「問題ねぇよ。つまるところ、どれだけやってもお前は死なないってことなら」


「「逆にどんな手段を使っても、お前を捕まえることはできる、ってことだからな」」


どんな傷を負おうとも、どんな無茶をさせようとも
セルトマンが死なないというのであれば、捕縛のしようはいくらでもある。



「くく・・・」

だが

「その程度で、俺を攻略かぁ・・・・・」

セルトマンは笑い

「あれだけの戦いをやってきたお前らも、しょせんその程度の人間、か」

つまらなそうに吐き捨てた。


「なに」

「これ以上はもういい。無駄だ」

セルトマンの口調が変わる。

もうこれ以上、期待はないと。
もうこれ以上、楽しめそうにないと。

もうこれ以上、引き延ばす必要もないと。


「結局、お前たちは俺の秘密に辿り着けなかった。ま、だから原典の結末はああだったわけだが」

「蒔風もお前もどっちも消えて、帰ってくることはなかった、ってやつか」

セルトマンが目にした、この世界のアーカイヴ。
そこに記された、この世界の、この物語の結末。


≪アーヴ・セルトマンと蒔風舜は、この世界から姿を消した≫
≪そして、彼らが帰って来ることは、もう二度とありはしなかった≫


セルトマン自身が語ったことだ。
そして、ショウからの話でそれは蒔風も知っている。

初めて聞いた翼刀と唯子は驚いた顔をしているが。



「つまり、お前はその瞬間に脱するだけで勝てる。そういうことか?」

「そういうことだ」

「・・・つまんねぇの。とどのつまり、お前はそのアーカイヴの言いなりってことじゃねえか」

「そういうな。ここに書かれていることは、結局のところ俺がとる行動だ。まあ少し気に食わないところはあるが、納得はしている」

そう思わせるのがアーカイヴ。
この議論にはキリがない。卵が先か、鶏が先か、である。


「で?じゃあお前はこれからどうするの?」

「アーカイヴは詳細に描かれているわけじゃないからな。だが、内容を見るにきっと」

パチン

「こうだろう」

セルトマンが指を鳴らす。
その動作に身構える蒔風たちだが、特に何かが起こったというわけではない。

「おまえ、何を・・・」

怪訝な顔をしてセルトマンに問う蒔風。
と、そこでショウが息をのんだ。

そして

「まさか、テメェ―――――」

憤怒の形相で睨みつける。
蒔風の通信機が鳴ったのは、その直後である。


『舜さん!!』

「ん、朱里か。どうし」

『左さんたちがぁ・・・左しゃんたちが消えちゃいましたぁ!!』

「あぁ!?」


左たちが消えた。
その「たち」というものの中には、フィリップや照井。それどころか、バイクであるハードボイルダーまで無くなったというのだ。


「あいつら、まさか抜け出して」

『違いましゅ!!いま私たちの目の前で――――――』

「いいから落ち着け!!さっきから噛みまくりだぞ!?」


蒔風の言葉に、落ち着こうとする朱里。
その話を聞いて、翼刀も唯子も「EARTH」(仮)と通信してみる。

その間に

パチンパチン

と二度、セルトマンの指が鳴らされる。


『はわわ!!今度は五代さんと駆さんたちも消えちゃいましたぁ!!』

「はぁ!?」


「やめろテメェ!!!」


報告と同時、ショウがセルトマンへと駆ける。
殴りかかっていくショウだが、セルトマンはそれを回避してさらに指を鳴らし続ける。


『如月さん、天道さん・・・・ハクオロさんまで・・・・』

『舜君!何が起こってるの!?』

「なのは、無事か!?」



「さやかちゃんかい!?」

「ね、大丈夫なの?」

『は、はい・・・でもみんな目の前で・・・・』

パチン

『いなく』

「・・・・おい。おい!!どうした!!」

「そんなのって・・・」

『翼刀君、俺だ!』

「火野さん!!そっちで何が起こってるんです!?」

『・・・――――――』

「え・・・・」



「なのは、何が起こっている!?」

『わかんないよ!!みんな目の前でスッと、最初からいなかったみたいに消えちゃうし!!』

『舜!!なんかすごく嫌な予感がする・・・・』

「一刀か、どういう力か探れないか!?」

『俺だってわけわかんねぇよ!!目の前で』

パチン

『きゃぁあああ!!朱里ちゃん!?一刀君!?』

「おい、なのは!!」

『助けて舜く』

パチン

「――――――――――」


言葉が出ない。
何もできなかった。

手を伸ばすことすらも。
安心させることすらも。

その間にも、セルトマンの指が鳴らされ続ける。


蒔風にも、そろそろ理解が追い付いてきた。

あの動作一つで、皆がまとめて消える。
一回につき、一世界ずつ消える。

だがもう何度ならされたのか。
その回数もわからず、蒔風の膝が地面に落ちる。


みんなの声が、耳から離れない。



「ちくしょう・・・・畜生テメェええぇぇえ!!」

「許さない!!」

翼刀が怒りを表し、唯子が目に涙を溜めてセルトマンへと襲い掛かる。
ショウに混ざって攻撃を繰り広げるが、セルトマンの魔力障壁は敗れず、たとえ攻撃が当たっても彼は何ともなかったかのように立ち上がった。


その間にも指は鳴らされる。
蒔風の耳に、遠くの音が聞こえてくる。


悲鳴はない。
叫び声もない。

むしろそれらが増えてくれればと、蒔風は初めてそれらを求めた。
叫びがあれば、彼らがいる証拠だった。まだそこにいると思えた。


でも、向こう側から聞こえてくる声がだんだんと減る。
叫びも悲鳴もなく、行くどんどん静かになっていく。

残酷な静寂が、蒔風の頭を塗りつぶしていく。



「あ・・・はは・・・そんな、そんな・・・・」

立ち上がろうとする。
にもかかわらず、それができない。

身体に力が入らないのではない。
心が、起き上がってくれないのだ。


その蒔風を見、セルトマンが周囲に群がる三人を弾き飛ばした。
そして


「もういい。去ね」

魔力が満ち、セルトマンの腕をずっぽりと覆い回転する。
ドンッッ!!と放たれる魔力弾。

標的は蒔風。
だが、今の彼がそれを受けきることなどは到底―――――


「手間を!!」

「させねぇ!!」

「間に合えっ!!」

故に、三人が駆けた。


蒔風の前に、三人が

だが弾く、打ち消すなどは間に合わない。
ならば、できることはただ一つ。


((こいつを、飲み込んで―――!!))


ショウが手の平をかざす。
そこにドロリとした黒い闇があらわれ、あらゆるものを飲み込もうとし

翼刀が剣を腰に構える。
刀身に渡航力を送り、破断の力で空間に穴をあけて

その後ろで、唯子がレヴィンを展開する。
薄い膜を張って、自分たちと蒔風の間に壁を張る。



そして


ドォンッッ!!!



「・・・・ありゃ」

消えた。

三人がいた場所には、大きなクレーターが。
吹き飛んだ土もなく、彼らの残骸もなく。きれいにその部分が消失していた。

首を、軽く右に向ける。その光景を、蒔風は見た。
力のなかった瞼が、大きく開かれる。その光景を、目に焼き付けるかのように。

そして、無言であった。

自らの失態。
自らの不甲斐なさの代償を


「ふう・・・だが、これで終わり」

パチン、と
そう言ってセルトマンが、これで指を鳴らし終える。

最後に消えたのが何かは知らない。
ただ、通信機の向こうから聞こえる声はもうなかった。


「さて、と。じゃあこれで最後だ」

そう言って、セルトマンが先ほどと同じように蒔風へと手を向ける。
その砲口から放たれる魔力弾は、螺旋を描いて蒔風へと突き進む。このままいけば、蒔風の右腕に命中するだろう。


そしてさっきと同じなら、蒔風に受けられるはずがないものだ。
彼の上半身は粉々に散って、その場に残るのは無残な肉片と下半身のみ。

の、はずが



ブンッ――――バチィッッ!!!

「・・・・・・なに?」

両膝を着き、うなだれて軽くいながら、蒔風の右腕が振るわれてそれを弾いた。
蒔風から見て、右から左へ。頭上を飛んで行って、魔弾は地面に落下して爆発する。


ユラリと、立ち上がる。
右拳の拳鎚から、血が流れていた。


そして


「ふざけんなよ」

憤怒に満ちた息を、無理やり肺から押し出し
怒気に満ちた声を、無理やり喉から絞り出す


「俺のせいじゃないなんて、そんなことをいう気は毛頭ない」

「そうかい」

「でもな・・・俺はお前を許さない」

翼が開く。
いつものような輝きはなく、しかし目の前の一切を許さないという殺意に満ちた力強さを表していた。


「楽に死ねると思うなよセルトマン。お前は俺の、手を出しちゃいけないものに手を出した―――――!!!」



蒔風舜が、今までにないほどに怒りを露わにしていた。

「奴」にだって
“LOND”にだって
赤銅にだって

これほどの怒りを向けたことはなかった。



恐ろしいほどに冷静に、蒔風は自分の状態を自覚していた。

嗚呼、きっと自分の理性はこの瞬間に吹き飛んだんだな――――と




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「はぁ・・・はぁ・・・・・」

待っててください。
早まってはいけません。


「絶対に私がつくまで、一人でセルトマンに挑まないでください――――!!」


駆ける。
ただ一人残った彼女は、彼のもとへと。



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ビルの上

とはいっても、「EARTH」ではない。
「EARTH」敷地近くのビルディングで、一番近くて高いビルの屋上。

タブレット式端末を手にした青年は、それを操作して項目にチェックを入れていく。


強化された視力は、そこからでも彼らの戦いをはっきりを見物できる。
そしてそれを置き、あとはしゃがみこんで高みの見物だ。

「さて、見させてもらいます。セルトマンさん」

あなたの世界の、行く末を――――――





to be continued
 
 

 
後書き

「EARTH」全滅。
とはいえ、まだ二人のこってますが。

いったいここからどうなるのか。

翼刀たちが善戦してたぶん、消えていくシーンの絶望感やべぇ。
エントロピーを凌駕するね。

皆はなぜ消えたのか。
ショウや翼刀、唯子たちは死んでしまったのか!?




次回、怒りの銀白

ではまた次回 
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