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【凍結】剣製の魔法少女戦記 外伝・ツルギのVividな物語

作者:炎の剣製
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005話『ヴィヴィオの家族達』

 
前書き
夜遅くに更新します。 

 



ヴィヴィオ、家へと帰ってきました。
今日はなにかと忙しかったからまた少し遅く帰って来ちゃったけどなのはママに怒られないように努力しないとね。
それでそーっと家の扉を開けてみたんだけど、なにやら中が少し騒がしい事になっているような……?
なにがあったんだろうという思いで中に入っていくと、

「お? やっと帰ってきたか!」
「あれ? ランサーさん?」

そこにはフェイトさんの使い魔であり同時に結婚もして家族になっているランサーさんの姿があった。
玄関で寛いでいるところを見るとなんでいるんだろうって思いにもなるけど、

「ランサーさんはどうして今日はここにいるの?」
「んあ?……まぁそうだな。フェイトの随伴ってところが大きいか」
「フェイトさんもいるの?」
「ああ。今はなのはの嬢ちゃんと一緒に料理でも作っているぜ」

そう言ってランサーさんはニヤッと笑う。
フェイトの料理はうまいからなー、と惚気ているしね。

「クランちゃんはいるの?」
「ああ、いるぜ。今は優と一緒に遊んでいるぜ。着いてきな」
「わかりました」

わたしはそれで家の中へと入っていく。
ちなみにクランっていうのはフェイトさんとランサーさんの子供で少し野性味溢れる感じの女の子なんだ。まだ三歳なのにもう少しだけ頭角を現しているところがランサーさんの血故なんだろうな。
名前の『クラン』ってなんかランサーさんに関係している言葉から来たらしいけど地球の歴史はあんまり得意じゃないから調べ直さないとだけど。
そしてランサーさんの方の血を色濃く引き継いだのかフェイトさんとは違って金色ではなく青色の髪色なんだよね。少しだけ金色が混じっている感じっていえばわかるかな?
瞳の色に関してはフェイトさんもランサーさんも赤色だからクランちゃんも赤色だけどね。
フェイトさんの小さい頃を想像してもらえれば分かるかなってぐらい……。

「なのはママ、ただいま!」
「おかえりなさいヴィヴィオ」
「おかえり、ヴィヴィオ」
「ようやく帰ってきましたか。お帰りなさいヴィヴィオ」

上からなのはママ、ユーノパパ、オリヴィエさん。
そして、

「ヴィヴィオお姉ちゃん、お帰りなさい!」
「ヴィヴィオー、お帰りーガウッ!」

優くんにクランちゃんもわたしに駆け寄ってくる。
最後に、

「もう……ヴィヴィオ、また遅く帰ってきたんだね」

フェイトさんが少し呆れ顔になっているのでわたしは素直に謝る事にした。

「ごめんなさい、フェイトさん……」
「まぁ怒っていないからいいよ。またツルギくんのところに寄ってきたんだよね?」
「うん」
「なにか私達の知らない事を士郎さんやシホに教わっていないよね? 最近隠し事が多いってなのはに聞いたから少し心配になっちゃうよ……」
「にゃはは。フェイトちゃんは心配性だなー」
「そう言うなのはだって……」

それでまたなのはママとフェイトさんの夫婦漫才みたいなやり取りが始まった。
うーん……やっぱりフェイトさんは少し心配性だよね。機動六課時代から知っているから分かるけど。

「大丈夫だよ。無茶な事はしていないから。わたしはみんなを守るために頑張っているから安心して!」
「ヴィヴィオ……だけどあまり隠し事はしないでくれないか? 僕はあまりそっち関係は力になれないから何とも言えないけどケガだけはしてほしくないから……」

ユーノパパはそう言って眼鏡をクイッと直しながら言ってきた。
その表情からは心配という言葉が滲んでくるようだった。
だけどそんなユーノパパの肩をランサーさんが叩いていた。

「あっははは! おいユーノ、お前は昔から心配性だな。いいじゃねーか。子供はわんぱくが過ぎる程度がちょうどいいんだよ。クランなんかいつもアルフとかと駆けまわっているぜ? なー、クラン?」
「うん! にゅふー!」
「そ、それはそうですけどうちにも教育方針とかそんなものがありましてね……イタッ! 痛いですって!?」

クランちゃんの頭を撫でてやりながらなおユーノパパは叩かれていた。少し不憫に感じたけどこれも昔からの付き合いだから気兼ねがないんだろうなと思う。
まぁ、ランサーさんは普段からフランクな性格だから誰とでも友情を結べちゃうのが少し羨ましいけど。クランちゃんもそれで保育園の人気者らしいから。

「まぁ一つ言える事は……ヴィヴィオ。そのうちきっちりと話してね? なのははいつまでも待っているから」
「うん。いつか必ず話すよなのはママ」
「うん。それならよし! それじゃオリヴィエさん、料理の支度も整っているから少し手伝ってもらっていいかな?」
「ふふ、わかりました」

オリヴィエさんも笑顔を浮かべながらなのはママの手伝いをしに向かっていった。
これからみんなでお夕飯か。楽しみだね。
それからみんなで楽しく食事をした後に、

「それじゃなのはママ。少しだけ魔法の訓練をしてくるね」
「あ、ちょっと待ってヴィヴィオ?」
「ん……? どうしたのなのはママ……?」
「うん」

突然なのはママに引き留められてどうしたのかと聞いてみるとなのはママはなにやら一つの箱を取り出してきた。

「なのはママ、これって……?」
「うん。ヴィヴィオももう四年生だからそろそろデバイスが必要なんじゃないかなって思ってね」

デバイス……。
それを聞いて私はある事を思った。
それは……、

「……なのはママ、少しいいかな?」
「どうしたのヴィヴィオ。少し表情が暗いよ……?」
「うん。その件なんだけど……まだデバイスは未熟なうちは持ちたくないって思うのは、ダメかな……?」
「え? で、でも……」
「うん。なのはママたちの気持ちは本当に嬉しいよ! だけど、だけどね……それとは別にわたしの気持ちの問題なんだけどまだデバイスを持つのにはわたしじゃ未熟って思うの。だから……もう少し待ってもらってもいいかな……? いつか絶対に素直に受け取れるようにしたいから!」

わたしはそう言い切った。
なのはママのせっかくのプレゼントかもしれないのにわたしは無下にしようとしている。
だけどこの気持ちだけは変えられない。
まだまだデバイスを持つのには覚悟が必要だ。
だからそれが十分に養えるまで待っていてほしいと思うの。
わたしの言い分で少し家の中は静かになっていたんだけどしばらくして、

「がははは! ヴィヴィオもしっかりと考えているんだな。そうだよな、過ぎた力はなんたらって言う言葉もあるくらいだからな」

最初にわたしの思いに共感してくれたのはやっぱりランサーさんだった。
それから、

「でしたらヴィヴィオ。もう少し魔法学を身に着けるようにしましょうか。私もお力になりますよ」
「ランサーさんにオリヴィエさん、ありがとう……」

わたしはそう言って感謝の言葉を言う。

「むー……それじゃ仕方がないか。なのは、今日はヴィヴィオの思いに免じてこれはまた今度にしておこうか」
「そうだねフェイトちゃん。でもヴィヴィオ、後で必ず受け取ってね?」
「うん!」

なのはママとそう約束して今日はもう遅いので優くんやクランちゃん達と一緒にベッドで眠りについた。
眠りにつく前に先に寝てしまっている優くん達の顔を見て、わたしは新たに誓う。
きっといつか立派にみんなの笑顔を守れるような、そんな人間になるんだって……。










『そっか……やっぱりヴィヴィオはデバイスを受け取らなかったのね』
「うん、シホちゃん。それでどうしようか……?」

いま私はシホちゃんの家に電話をかけている。
シホちゃんは私達のお師匠さんだからなにかしらヒントを貰えるかもしれないって思ったから。

『そうね……ヴィヴィオの思うままにさせたらいいんじゃないかしら? 大丈夫よ。ヴィヴィオだっていつかは素直になってくれるから。ただ、今はまだ己の未熟さを痛感しているから素直になれないだけであって……』
「そうなんだよね。ヴィヴィオのためにマリーさんと前から制作していたギミックもあるから試してもらいたかったんだけど……」
『それって……あの悪夢の影響ゲェムの時からヒントを得た大人modeって奴……?』
「うん。魔法と体術を使う身体なら大人modeの方がより安定的に使えるからって感じで作ってもらったんだ」

あの悪夢は忘れられないけどそれのおかげでこの発想も思いつけたからね。
マジカルアンバーさんには感謝しないと。

『まぁそのうちヴィヴィオも受け取ってくれるわよ。だからそれまで無理にこの件は触れない事。いいわね?』
「うん……」

そうだよね。いつか受け取ってくれるよね。
それから少しだけ世間話をしてシホちゃんとは電話を切った。
でもやっぱりヴィヴィオってシホちゃん達に修行をつけてもらっているのかな?
最近のヴィヴィオの動きのキレがいいからなにかしら学んでいると思うし……。
思い出すのは子供時代のシホちゃんのスパルタ教育だよねー。
今でもたまに私でも怯えちゃうから……。
ま、そうだよね。
いつか、そういつかね……。
……でも、ヴィヴィオがデバイスを受け取るのは結構早い事になるのは今の私はまだ知る由もなかった事でした。


 
 

 
後書き
ヴィヴィオはまだデバイスは受け取りません。
フェイトとランサーの子供の名前はまんまクランの猛犬からとりました。
次はアインハルトをどうやって出すかですね。




それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。


それと今日にFate見に行ってきました。よかったですねー。あれこそHFだという感じで。 
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