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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1862話

「はぁっ!」

 放たれたゲイ・ボルグの一撃は、死神の持っている銃身の長い拳銃を弾く。
 銃口がそれたその一撃により、放たれた銃弾はあらぬ方に飛んでいく。

「加速」

 だが、俺の動きはそれで止まらない。
 精神コマンドの加速により、一気に間合いを詰めると、そのままゲイ・ボルグを死神の胸の部分に放とうとし……

「ちっ!」

 だが、突き出された一撃に返ってきたのは固い感触だった。
 それも当然だろう。ゲイ・ボルグの穂先が貫いていたのは、死神の胸ではなく、拳銃の銃身だったのだから。
 だが、当然のように銃身で槍の一撃を受けたのでは、ただで済む筈がない。
 拳銃の銃身は砕かれつつ……その一撃により死神は吹き飛び、俺から距離を取る。

「マハラギダイン」

 追撃を掛けようとした俺に聞こえてきたのは、そんな声。
 それがどのような魔法なのか、俺は知っている。
 それは、燃える天空の如き、広範囲に炎をまき散らす強力な魔法。
 だが……生憎と火や炎といった代物で俺にダメージを与える事は難しい。
 いや、絶対に無理だとは言わないが、少なくてもこの死神が使うマハラギダインという魔法では俺には意味がない。
 その炎を突っ切って追撃を仕掛けようとし……

「マハムドオン」

 瞬間、炎の向こう側から聞こえてきた声に、追撃を止めてその場から後方に跳び退る。
 新しいその魔法がどのような効果を持つのかは分からないが、フェイト級の力を持つ死神だ。
 その死神が放つ、全く新しい魔法を警戒しない訳にはいかない。
 そして、一瞬前まで俺の姿があった場所が、次の瞬間闇に呑まれる。
 いや、闇に呑まれたのはそこだけではなく、俺がいた場所を中心としてかなりの広範囲に渡る。

「ちっ!」

 当然俺のいた場所にも闇は姿を現したので、そのまま更に後方に跳躍する。
 こっちに向かって更に広がってくる闇だったが、最初に闇の生まれた場所……俺のいた場所から一定の距離以上に広がるような事はなかった。
 そうして生まれた闇も、数秒で既に消えてしまい……

「ちっ、逃げたか」

 その闇が消えた後、そこには死神の姿がなくなっていたのを確認し、溜息を吐く。
 舞子と犬と一緒に境内で遊んだ日から数日……そろそろ有里も目を覚ます気配があるというのを桐条に教えられた日、俺は1人でタルタロスにやって来ていた。
 既に慣れた感じで、いつものように15階を歩き回りながら、シャドウを倒したり宝箱を回収してたりしたのだが……そこで、念動力が危険を教えてきたのだ。
 既に何度か感じたその危険は、予想通りに死神。
 以前戦った時は左肩から先端を切断してやったのだが、今日姿を現した時は既に左肩は全快していた。
 シャドウだからこれは当然なのか、それとも死神だからなのか……その辺りの事情は分からないが、ともあれ少なくてもこの死神は倒すのであれば一気に倒す必要があるということが判明した訳だ。
 もっとも、死神も俺を警戒しているのか、かなり慎重に戦いを挑んできて……結局、今回もまた逃げられてしまった訳だが。
 ただ、順調に死神の持つ能力は判明していっている。
 メギドラオン、マハラギダイン……そして今日のマハムドオン。
 正直、このマハムドオンってのが具体的にどんな効果なのかは分からないが……
 先程まで闇があった場所に視線を向ける。
 そこにあった闇は、既に消えている。
 あの闇に触れれば一体どうなるのか。
 炎や氷はそれがそのまま威力を持っているし、土の槍だったり風は竜巻だったりといった風に攻撃力を持つ事は想像出来る。
 だが、闇……その闇が具体的にどのような効果を持っているのかは、俺にも分からない。
 ネギま世界の操影術と同じように考えてもいいのか?
 だが、死神が使ってきた魔法で広がったのは、影ではなく闇だ。
 ……それが具体的にどのような効果を持っているのか分からない以上、そう簡単に手を出すような真似が出来る筈もない。
 取りあえずマハムドオンという魔法を使えるのが分かった以上、それがどのような魔法なのかを桐条グループに調べて貰った方がいいか。
 一応周囲を見回し、こっちに攻撃を仕掛けようとしているシャドウがいない事を確認すると、俺はそのまま影のゲートを使ってエントランスに向かう。
 以前は真田とここで遭遇したのだが、今日は俺以外誰もタルタロスに挑んでいる奴はいないらしい。
 ……ともあれ、それなりに疲れたし部屋に戻って寝るか。
 有里が起きれば、恐らく事態は動く。
 現在の、こうして停滞している時間も終わるだろう。
 そう考えれば、やはりこうして死神の能力が具体的にどのようなものなのかを調べる事が出来るのは、今だけの筈だ。
 具体的にどのように事態が動くのかは分からないし、それが俺にとって利益になる事なのかどうかも分からない。
 だが、それでもこのまま事態が停滞するよりはいいと思うのは、きっと俺だけではないだろう。
 そう言えばゆかりも久しぶりにタルタロスに挑みたいって話をしていたし、明日には連れてきた方がいいのか?
 けど、死神がまた襲ってきたら、結構厄介なんだよな。
 そんな風に考えながら、部屋に行き……

「うおっ!」

 部屋に入った瞬間、そこにゆかりの姿がある事に驚く。
 噂をすれば何とやらって奴か?
 そんな風に驚いている俺に、壁に寄りかかって座っていたゆかりが顔を上げ、不機嫌そうに口を開く。

「……随分と遅かったわね。時計とか動かないから、正確な時間は分からないけど」
「いや、ちょっとあってな。……にしても、わざわざ自分でここまで来たのか?」

 そう言うも、別にゆかりの住んでいる寮はここから電車で移動しなければならない距離にある訳ではない。
 以前真田が走ってタルタロスまでやってきた時に比べれば、そこまで驚くべき事ではないだろう。
 もっとも、それでもゆかりが暮らしている女子寮からこのアパートまではそれなりの距離がある。
 特に今は影時間なので、寮から出てこのアパートまで来るのも大変だろう。
 シャドウが出てくる心配もないではないが……今のゆかりなら、大抵のシャドウは1人でどうにか出来るだけの実力はある。
 ましてや、基本的にタルタロスの外に出ているシャドウは、臆病のマーヤだ。……有里が入院する原因になったシャドウもいるが、それは基本的に例外だろう。
 勿論例外だからって、ゆかりに危害を加えない訳ではないのだから、そんなのと遭遇すれば危険なのは間違いないのだろうが。

「ええ。何だか嫌な予感がしたから。それで、アクセルはやっぱり1人でタルタロスに行ってたのね。私には行くなって言ってたのに」

 悪い予感って、それか。
 いやまぁ、ゆかりにとってタルタロスというのは強くなる場所で、更に影時間ということで自分の父親の死に何らかの理由がある可能性が高いと判断してるのだから、興味を持つなという方が無理なのかもしれないが。

「けど、16階から先はやっぱり通れないままだったぞ」

 それを確認し、15階に戻って宝箱を探したりしていたところで死神と遭遇したんだが……その辺は言わない方がいいか。
 もしそれを言ってしまえば、恐らくゆかりは今以上に心配するだろうし。

「そう。やっぱり16階はまだなのね。……ねぇ、アクセル。どう思う?」
「どう思うってのは?」
「16階から先に進むには、よ。正直、どうすれば先に進めるのか、全く分からないわ。何をやるにしても、どうしようもないし」

 そう言うのは、ゆかりが16階の封じられている場所を何とか通ろうと色々頑張ったからだろう。
 その先に向かえば、恐らく影時間に対する何らかの手掛かりがある、と。
 そう思っているのだ。
 いや、実際それが間違っているとは、俺も思わない。
 だが、実際には原作のように話が進まなければ、あの封印は解けないと思ってもいい。
 ……俺が強引に通ろうとすれば何とかなる可能性は高いのだが、それを実際にやろうと思えば、原作の流れが崩壊して色々と不都合が出てくる可能性がある。
 特にこの世界はペルソナという特殊な能力を持つ者達がいる世界である以上、迂闊に原作の流れを崩すのは俺に取っても致命的な結果をもたらしかねないんだよな。

「恐らく有里が関係しているんじゃないか……とは思ってるんだけどな」
「そう? ……けど有里君、まだ意識が戻らないんでしょ? だとすれば、どうしようもないと思うんだけど」
「もうそろそろ意識が戻りそうだって、桐条が言ってたな。もう少し待ってみたらどうだ?」
「……ふーん。桐条先輩と連絡を取り合ったりはしてるんだ」

 何だ? ゆかりの機嫌が微妙に悪くなったような気が……
 いや、それを言えば更に機嫌が悪くなりそうなので、取りあえずそれは置いておくとしよう。

「もう何日か待ってみて、それでも有里の意識が戻らなければ何か動いてみるとか」

 そう言ってみるも、ゆかりの機嫌が直る様子はない。
 どうやらこの程度では駄目らしい。
 もっとも、他の手段で何かがある訳でもないし……

「気分転換に、火星にでも行くか?」
「あのね……ちょっとコンビニでも行くかって感じで火星に誘わないでくれる?」

 少し呆れたようにゆかりが呟くが、いざ火星に行くという事になれば、恐らく喜ぶのだろう事は容易に想像出来る。
 口では色々と言うだろうが。

「何となく、ゆかりが火星に行きたいのかと思ってな。もしかしたら、火星に何か影時間に対するヒントが……」
「ある訳ないでしょ」

 先程より、更に深い呆れの表情でそう言ってくる。
 まぁ、その言葉は理解出来ないでもない。
 実際、火星に影時間のヒントがあるかと言われれば、BETAじゃないんだしと、俺だって突っ込む。
 ……BETAって何? て疑問が返ってくるのは間違いないだろうが。
 ともあれ、そんな風に考えながらも空間倉庫からペットボトルの紅茶を取り出す。

「ほら、取りあえずこれでも飲んで落ち着いたらどうだ?」
「ふん。……ありがと」

 不服そうにしながら、それでもゆかりは小さく礼の言葉を言い、俺の差し出したペットボトルの紅茶を受け取った。
 こうして見る限り、やはりツンデレ要素はあるよな。
 気が強いだけに。
 もっとも、それを直接口にすれば思い切り否定するのだろうが。

「それにしても……」

 紅茶を飲みつつ、そう呟くと、ゆかりの視線が俺に向けられた。
 俺が何を言うのか気になったというのもあるのだろうが……

「こうして2人だけでいるってのも、何だかんだで結構久しぶりだな」

 学校では当然のように周囲に人は多いし、俺は順平や友近、それと数日だが有里と一緒の事が多かったし、ゆかりはゆかりで男女問わず人気のある為に、いつも色々な者と一緒にいた。
 影時間にタルタロスに行くにしても、俺達のパーティには荒垣が入るのが当然になっている。
 ……最初は、荒垣はあくまでも臨時というか、情報源的な意味でのパーティメンバーだったのだが、今はすっかり俺達の参謀とか慎重な意見を口にするとか、そんな役割を自然にこなすようになっている。
 未だに荒垣のペルソナは見た事がないんだが、その辺りはいずれ見せてくれる事もあるだろう。
 荒垣が何を思って自分のペルソナを使いたがらないのかは、俺にも分からないが。

「そう言えばそうかもしれないわね。……アクセルと会ったのは、2月でまだ寒かったころだったっけ?」
「ああ。俺がこの世界に転移してきた日だな。いきなり影時間に巻き込まれて」
「そうそう。私もいきなり影時間に巻き込まれて、シャドウに襲われているところを助けてくれたのよね。あれで、もしアクセルが来てくれなかったら、どうなってかしら。今だと、臆病のマーヤを相手にあそこまで怯えていた自分が信じられないけど」

 クスリ、と小さく笑みを浮かべるゆかり。
 まぁ、実際、今のゆかりであれば臆病のマーヤを相手にしても全く問題なく戦えるのは間違いない。
 それこそ、5匹、10匹といった数が出てきても、倒すのは容易だろう。
 暫く愛用しているショートボウと、イオというペルソナがあるのだから。

「まぁ、俺が助けなくても……多分真田辺りが助けてたんじゃないか? 実際、真田はタルタロスに行ってない時は街に出て見回りを行っているみたいだし」

 原作でゆかりがどのような立ち位置にいたのかは、分からない。
 俺が今口にしたように、桐条のパーティに所属していたのか、それとも……実は死んでしまっていた過去の登場人物として姿を現したのか。
 その辺りは俺にも分からないが、原作は原作、今は今だ。
 ifの世界の話を考えても、意味はないだろう。

「そう考えると、アクセルと一緒に行動する事が出来るようになった私は、運がいいのかもね」

 ゆかりは俺に向かってそう告げ、笑みを浮かべるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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